3話 龍誇相搏つ
初めまして、HalToと申します。
過去に投稿した6話~8話を再編したものになります。
よろしくお願いします。
「『モナ・リヒト』か……、いいな!」
橘は興奮気味で喪介を褒める。
「奴の弱点に自力で気づいたあたりもセンスあるし……。」
「まあな、アイツはミタマの使い方が下手だなって思ってさ。」
喪介は得意げだ。
「……あ、そうだ。知り合いに頼んで何とか茉由の通う高校に編入してもらうことになったぞ!」
「あ、ちなみに学校は明後日からだ。頑張れよ。」
と、肩をたたく橘。
「急だな……つか橘さん……あんたいったい何もんなんだよ。」
呆れたような表情の喪介。
「んー、そうだな、ただの人脈の広いマジシャンさ。うん、じゃ、明日の準備もあるし部屋に戻るわ。」
どや顔をしながら手を振り去っていく橘。
「何か……適当に流された気もするが……。」
「どうしたの?」
茉由が風呂から上がったようだ。
「……いや、なんでもない。風呂入る、おやすみ。」
喪介は疲れていたのもあり、寝る支度を始めた。
新学期
喪介は編入、茉由は進級で2年生になった。
「喪介、同じクラスみたいね!」
「あぁ、そうだな。」
喪介と茉由が話しているとそこに何者かが肩をぶつけてきた。
「邪魔くせぇな、殺すぞ。」
声の主は身長180cmぐらい、かなり筋肉質な不良風の男だった。
「あ?なんだよ、ぶつかってきたのはお前だろ。」
喪介が言い返す。
「ちょっと、やめなよ。ごめんなさい九条君!私の連れが。」
「そいつ……見ない顔だな。連れの女も謝ってることだしこれで済ませてやるよッ!」
九条と呼ばれた男が殴ろうとしたその時、拳のすぐ横の空間に巨大な機械の拳が現れた。
「なッ、こいつッ!」
すかさず喪介は自らのミタマを繰り出し、ガードした。
が、巨大な拳はかなりの勢いで喪介を2~3mほど吹っ飛ばした。
「何ッ……!?」
九条と呼ばれた男は驚きの表情を隠せない様子だ。
「……ってて……。」
喪介はほぼノーダメージである。
「何……あいつ、九条さんのパンチを食らって傷一つないだと!?」
「何だあいつ!」
生徒がざわめいている。
「……チッ。」
九条と呼ばれた男は去っていった。
「大丈夫!?喪介。」
茉由が駆け寄ってくる。
「何だ……?あいつ。」
喪介は制服についた埃を払いながら言う。
「あの人は「九条 界人」、2年。学校でも有名な不良よ。」
「何でもあの人に殴られた人は口々に、2トントラックに撥ねられた様だと言っているらしいわ。」
茉由は言う。
「……なるほど。どうりで俺が無傷だったことにみんな驚いてたのか。」
喪介はさっきのことを振り返った。
(外傷はないとは言え……相当痛かったぞ。おそらく人向けに手加減してやがる……『モナ・リヒト』でガードしてなかったらどうなってたか……。)
「九条のやつ…多分今度会ったときは徹底的に潰しにやってくる…気を付けねぇと…。」
その時、茉由が喪介の耳を引っ張る。
「いでで、何すんだよ!」
「編入して早々問題起こすつもり!?ただでさえあんた注目されてんだから!こっちの身にもなってよね!」
怒る茉由。
「あぁ、悪かったよ……。」
「本当に反省してる!?」
少し強めにもう一度引っ張る。
「痛い痛い!すいませんでした!!!」
「分かったならよろしい。ほら、カバン持って、教室行くよ。」
速足で向かう茉由。
「お、おい。待てよ!」
喪介は耳をさすりながら追いかける。
喪介の学校生活が幕を開けた。
それから4日、特に何の音沙汰もなく1週間を終えようとしていた。
「あー!漸く金曜も終わりか……長かった……。」
長かった1週間を思い返し、伸びをする喪介。
「そうね……でも大変なのはこれからよ?」
茉由は帰り支度をしながら言う。
「よし、終わった。帰ろう喪介!」
「あぁ、いいよ。」
2人は帰りだした。
朝来た道をそのまま辿り、帰る2人。
あと5分ほどで家というところで
「よう、仲良さそうだな。「廻 喪介」。」
「九条……界人……。」
出会った2人は視線を外さず、睨みあう。
「え?何?ちょっとやめようよ2人とも。」
仲裁しようとする茉由。
「いいんだ、先に帰ってろ。危ないから。」
喪介は言う。
「で、でも……。」
「うるさい!いいから帰れ!」
怒鳴る喪介。
「う、うん……。」
茉由が視界から消えたのを確認すると
「何の用だ。」
「お前と戦って徹底的にぶちのめしたくてな……。」
九条は拳を鳴らす
「お前とは楽しめそうだ……。俺のパンチをまともに受けて無傷だったのはお前だけだからな……。」
九条はミタマを出す。巨大な機械の拳のようだ。
「言っておくが俺は負けねぇしこの間の借りも返せてねぇからな。受けて立つぜ。」
喪介も応える様にミタマを出す。
だがそれはいつもとは違った。ミタマの左半身が黒く、右半身は白くなっていたからだ。
「……ん?違う。まあいいか。」
「行くぞ!」
九条が言うと、巨大な拳が喪介目掛けて飛んできた。
「……チッ、月兎拳・うさぎ跳び!!」
ミタマが右腕を突き出すと、拳が増えた。
巨大な拳と無数の拳がぶつかり合う。
「なるほど、増えるパンチか。前とは形態も違う様だな。」
九条は冷静に分析する。
「だが……パンチを見る限り右腕しか増えない様子。その程度…俺の『proto-Z』の前では無駄!!」
そう言うと、もう一つ巨大な拳を出した。
「何!?2つ!?」
「当たり前だろう、人の拳は基本2つ。そんなことより余所見をしていていいのか?」
飛び交う2つの拳、喪介は避けることで精いっぱいだ。
「挟み潰してくれる!!死ねい!!!」
そう言うと拳が開き、喪介を両掌で圧し潰そうとした。
何とか抑える喪介。
「グググ……ッ!」
「これで俺が唯一の最強だと……証明されるんだ……。」
さらに潰す力が強くなる。
「グハッ……。」
完全に潰れた。
「勝った……!!」
その時。
「はああああああ!」
喪介は跳んでいた。
「何!?」
驚く九条。
「食らえ!!月兎拳・うさぎ跳び!!!」
「増えるパンチぐらい……防いでくれるわ!『proto-Z』!!!」
が、動き出さない。
「う……動けない!?何故だ!?」
九条は困惑する。
「おりゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
すかさず増えるパンチを九条にヒットさせていく。
「……何だ?手ごたえがおかしい……。」
喪介は殴るのをやめた。何とそこには盾があった。
「はぁ……はぁ……少し食らったが……やはり俺は恵まれている……!」
4話(旧9話)に続きます。
感想など楽しみにしてます。




