63話 合うも不思議或わぬも不思議
初めまして、HalToと申します。
63話です。
よろしくお願いします。
「ウゥ…。」
母親は目が覚めた。
額からは血が滴る。
「守って…くれたのね。」
母親を巨大な髑髏が覆っていた。
「ハァ…。」
母親は部屋から出る。
「え…?」
その目に映った光景は惨いものだった。
真っ赤な廊下と辛うじて誰なのか分かる程に変わり果てた息子。
息ができない。
「フッ…はぅ…はっ…。」
その場に膝をつく。
「源輝…源輝…。」
もう動かない我が子を抱きしめる。
「『サンクトゥス』…あなたにこの子を…源輝を…任せます…。」
髑髏のミタマは彼女の意を酌み、源輝の中へと入っていった。
「ありがとう…。」
母親は倒れる。
「…うぅ…。」
源輝は目覚めた。
まだ温かい血溜まりと赤く染まる風景と咽せ返るような死の臭いの中で。
「おかあさん?」
横たわる母親。そこにもう温度はない。
「ねぇ…おきてよ、ねぇ。」
ぐったりとした体を揺する。
「おかあさん…おかあさあああん!!!」
咽び泣く、喉が擦り切れそうな叫び声をあげて。
『孤れwereユ眼だ』
昼寝明けの2人の親子はテレビを見ている。
テレビからは通りかかった男性が工事現場の鉄骨の下敷きになる死亡事故を報せるニュースが流れていた。
無音は消滅した。
チリ一つ残さず。
「なんだと…あの「無音」を消した…。」
早乙女は愕然とする。
ミタマは早乙女の方を向く。
「…ハッ!!彩さん!!そこを離れてください!!」
翔太は叫ぶ。
が、ミタマは既に頭を掴んでいた。
『お魔…』
その時、巨大な拳によってぶっ飛ばされた。
「いくらなんでもやっていいことと悪いことがあるだろう…!!」
拳を放ったのは九条だった。
「なぁ?…廻。」
「九条くん…、助かった。」
「ああ。それで…委員長。あのドクロのガキはどこ行った。」
「…あのミタマが…。」
「そうか…。」
「気をつけろ、九条くん。奴は何らかの力で瞬時に近づいてくる。」
ミタマは起き上がる。
「三の陣形・討つ者…!一斉掃射!!」
無数の弾丸が謎のミタマ目掛けて飛ぶ。
ズガガガガガガと命中し、砲丸は炸裂する。
確かに手ごたえはあった。
だがその身には銃創の1つもなかった。
「チッ!」
纏わる靄が消え、九条の方へと突進してくる。
「移動能力を使わない…?ならば…!四の陣形・新世界」
が、しかし『proto-Z』は変化しない。
「なに!?」
ミタマは九条の前で止まり、拳を構えていた。
「チッ!!」
素早く『proto-Z』を変化させ、防御しようとする。
が、目の前に何者かが立ち塞がった。
「やめて!!!喪介!!!」
「橘…!!」
ミタマの拳は茉由の顔の前で止まった。
64話に続きます。




