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異世界ダンジョンつくります!  作者: 桜ジョー


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第29話:サクラ悪魔になる?!

「よーし! 全員ヘルメット着用! これより『サクラ迷宮建設・本社ビル兼ダンジョン』の超突貫工事を開始するわよーーーッ!!

スキル発動!」


 サクラ社長のチートスキルで、更地となったマルコス領が巨大な建設現場へと一変した。


「社長! 基礎工事用の鉄骨や補強資材が全然足りません! このままでは強度が……!」


 マルコスが青ざめた顔で叫ぶと、サクラ社長はキラリと目を光らせ、現場の隅でガタガタと震えていた聖騎士団を一睨みした。


「フフフ……何を言ってるの? そこに『超・高品質な金属資材』が山ほど転がってるじゃない!」


「……え?」


 サクラ社長の視線の先には、光り輝くフルプレートアーマーと巨大な盾を身にまとった聖騎士団。


「ちょっとあんたら! その鎧、すごく純度が高い鉄でできてるじゃない! あーこの鎧、いいわね! 骨組みの接合部にピッタリだわ! はい脱いで! 盾も強度抜群だから配電盤のドアにするわよ!!」


「ひえぇぇぇぇぇーッ! 悪魔ーー!」


「ちょっとサクラさん!? 騎士団の装備を剥ぎ取るなんて、いくらなんでも強引すぎ——」


 止めに入ろうとした勇者・佐藤だったが、サクラ社長の圧倒的な手際の前には無力だった。


「佐藤! あんたは聖剣の光で溶接作業手伝いなさい! ほら、火花散らしてどんどん接合! テキパキ動きなさいッ!!」


「は、はいっ! ご安全に……って、僕また現場作業させられてるぅぅぅーーーーッ!?」


 前世の習性で思わず聖剣を溶接バーナー代わりに使い始める佐藤。


 そこへレヴィアの魔術による急冷、アスタロテ率いるサキュバスたちの超スピード運搬、そしてゴルドン親方やエルザの縦横無尽な活躍が加わり、現場は恐ろしいほどのハイペースで進んでいく。


 勇者が各地で壊してきた岩や氷、欲望の城の瓦礫は、エルザの魔法で粉砕されて高品質なコンクリートへ。


 騎士団から没収(リサイクル)した高級な武具や鎧は、聖剣の熱で溶かされて耐震補強の鉄骨へ。


「すごいですわサクラ様……! 廃棄物ゼロ、資材購入費ゼロの完全循環型サステナブル建築ですわ……!」


 悪魔レヴィアとアスタロテがサクラを讃える。


「フフン、これが現場のコストカット術よ!」


 ドドドドドドド……パンパカパーンッ!!


 作業開始からほんのわずかな時間——あっという間に、荒野の真ん中に巨大で壮麗な「サクラ迷宮建設・本社ビル兼ダンジョン」が爆速で完成してしまったのである!


 下着同然の格好で震える騎士団と、聖剣を握りしめて汗だくになった勇者・佐藤は、目の前に立ち上がった魔王城(新社屋)を見上げて口をぐうの音も出せずに開けていた。


「よし、完璧! 予定より3日早く竣工したわね!」


 サクラは満足そうにヘルメットを脱ぐと、汗を拭いながら最高の笑顔で言った。


「さあ佐藤! 竣工式のお祝いに、あんたも一緒に事務所でお茶でも飲んでいきなさい!」


「あ……ありがとうございます……って、僕たち本当は何しにここに来たんだっけ……!?」


 勇者も、騎士団も、悪魔たちも、あまりの超スピード展開に完全に思考が追いつかないのであった。


 次回、とんでもない竣工検査が行われる!


(『いせダン』第29話・了)

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