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異世界ダンジョンつくります!  作者: 桜ジョー


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第23話 本物(勇者)現る!


「覚悟しなさいバルバトス! 社屋爆破の重過失として、あんたの領地のダンジョンは労働基準法と安全衛生法を今の10倍厳しく適用して、契約金1000万ゴールド……って、何これ!?」


 現場に到着したサクラ社長が目にしたのは、血の海と消滅の光に包まれた凄惨な光景であった。


 武闘派悪魔たちが壊滅し、領地全体が強力な光の結界によって完全に占領・陥落させられていたのだ!


「な、なんだこれは……!? 我が精鋭軍団が……!?」


 愕然とするバルバトスの前に、玉座から一人の男が静かに降り立った。


 これまでのポンコツな「自称・勇者」たちとは放つ覇気が段違いの——正真正銘、『本物の勇者』であった。


「フッ……魔王の残党どもか。この領地は騎士団が接収した。悪魔どもに生きる権利などない」


「貴様ぁぁぁ!! 俺たちのせっかく勝ち取った施工順1番手の現場を荒らすなァァァ!!」


 怒りに任せて全魔力を拳に込め、激高したバルバトスが飛びかかる!


 だが——本物の勇者が掲げた聖剣が、一瞬の閃光を放った。


 ズバァァァァン!!!


「がっ……ハ……!? サ、サクラ……様……現場の……引き継ぎを……(チーン)」


 一切の抵抗すら許されず、武闘派の筆頭バルバトスは一撃で砕け散り、光の粒子となって消滅した!


「バルバトスーーーーッ!?」


「くっ……悪魔の肉体が滅び、魂が魔界で再構築されるまで……最低でも200年はかかります!」


 レヴィアとアスタロテが悲鳴を上げる。


 四大悪魔の一人が、あっけなく脱落(200年離脱)してしまったのだ!


 バルバトスを一蹴した本物の勇者は、冷徹な眼光でサクラ社長たちを見据えた。


 勇者には、魔王の居場所を察知できる特別な能力——『魔王センサー』が備わっていた。


 だが、このセンサー……【大体の位置】しか把握できないという、非常に大雑把な仕様であった!


 現在、勇者のセンサーが示しているのはサクラとマルコスが並んで立っている大体のエリア。


 そして勇者の目撃した光景は——


 膝をガタガタと激しく震わせ、「ひぇぇぇ……! 200年消される……!」と必死に影を薄くしている弱そうな悪魔(マルコス)。


 その隣で、ピンクのヘルメットを被り、メガホンを構え、黒煙の顔で地獄のような覇気と怒りを放っている女性(サクラ)。


 勇者の頭の中で、瞬時に答えが弾き出された。


(……間違いない。あの女こそが、圧倒的な威圧感で悪魔どもを従える大魔王!)


「……フッ、大魔王(サクラ)よ!」


 勇者は聖剣を鞘に納めると、サクラを指さして言い放った。


「貴様は、残りの悪魔どもを全て倒してからだ。じっくりとな」


 隣で震えていたマルコスは、(ひぁぁぁぁ……! 私が逃げ回っている本物の魔王なのだとバレるところだった! 隣にいるからサクラ社長が魔王扱いされてる……! でも助かったぁぁぁ!!)と生きた心地もなく胸を撫で下ろした。


「は?? 大魔王?? ちょっと待ちなさい、私は魔王じゃなくてサクラ迷宮建設の——」


 サクラが言いかけるも、勇者は聞く耳を持たずに踵を返す。


「次は……氷の悪魔(レヴィア)の領地だ。そこで待ってろ」


「勝手に人の施工順2番手の現場に行くなーーーーッ!! 工期が狂うでしょうがーーーーッ!! せめて契約金の半分払えー!」


 サクラ社長の現場主義的なブチギレ叫び声を背に、本物の勇者は圧倒的なラスボス感を漂わせながら、氷結レヴィア領へと去っていくのであった。


(『いせダン』第23話・完)



私のブチギレ画像はアルファポリスで!

サクラより

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