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異世界ダンジョンつくります!  作者: 桜ジョー


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第12話 欠陥迷宮直します。ついでに勇者救います!

『いせダン』応援宜しくお願いします!

「サクラ迷宮建設、レスキューリノベーション工事……着工開始ーーーご安全に!!」


「ご安全に!!!!!」


 掛け声を言い終えるやいなや、サクラ社長はハンマーを構えて一番乗りで崩落現場の闇の中へ猛ダッシュで突入していった!


「ちょっと社長!? 先頭走るの早すぎますって!!」


「サクラ社長ぉぉーッ! 僕がお守りしますから待ってくださいーッ!」


 慌てて後を追う幹部たちとジョージー。


 しかし、現場は突貫工事の末に崩れ落ちた、狭く、暗く、瓦礫と土砂が入り組んだ極小の密室空間だった。


「きゃあッ!? どこ触ってんのよーーーっ!?」


 真っ暗な洞窟内で、サクラの悲鳴がこだました。


「違います社長! 私(マルコス)です! 足元がグラついて倒れそうになって手が……」


「さ、サクラ社長のお尻に触るなんて万死に値しますよマルコスさん! 僕がサクラ社長をガード……あッ!」


「ちょっとジョージー、どこ掴んでんのよ! 私耳が敏感なんだから触らないで!」


「エルザさんすみません! 暗くて、手元が見えなくて……」


「全員静かにしなさい! 私の翼が狭くて引っかかって……きゃっ! 誰か私の胸揉んだでしょう!?」


 くんずほぐれつ、真っ暗闇の中でカオスな悲鳴と怒号が飛び交う揉みくちゃ状態!


——……にもかかわらず!


 カン! カン! ズガガガガ!!


「親方! 三方枠の補強支柱、設置完了!」


「エルザ、天井の岩盤固定魔法頼む!」


「はい『ストーン・ロック』完了! 地盤固まったわ!」


「スラりん、崩れた隙間に充填剤を流し込め!」


「デロデロ〜(了解)!」


 すったもんだの悲鳴を上げながらも、彼らの手元と足元はプロの職人そのものだった。


 サクラたちが進んだ後には、完璧に補強された頑丈な壁、安全な明かり、整地された床ができあがり、崩落現場がリアルタイムで「超安全な快適ダンジョン」へとリノベーションされていく!


 暗闇のハプニングを抜け、リノベーションされたピカピカの通路を突き進むと——


「あ、あそこに灯りが……! 勇者一行です!」


 最奥部の崩落レスキューエリアで、岩に挟まれ、怪我をして身動きが取れなくなっていたSランク勇者パーティを発見した!


「だ、誰だ……!? もうダメかと思ったが……」


 衰弱しきった勇者が顔を上げると、真っ先に向かってきたのは涙目のイケメン天使・ジョージーだった。


「ご無事ですか冒険者の皆さん! はい! ワーキャマン特製『高保温レスキューアルミシート』と、栄養満点の『特製・魔物肉缶詰』です! 命の安全と保温、とお腹の満足をお届けします!」


「あったかい……! アルミシートが驚くほど軽いのに温かいぞ……! 缶詰もうまい!」


 勇者たちが涙を流して缶詰を貪り喰う横で、エルザが優雅に杖を構えた。


「無茶な突貫工事の犠牲者ね。動かないで……古代回復魔法『ハイ・ヒール』!」


 温かな光が包み込み、勇者たちの傷がみるみるうちに癒えていく。


「す、すごい……! 崩落の中で安全な道を作りながら、僕たちを救出するなんて……君たちは一体!?」


 勇者が呆然と見上げる中、ピンクの安全ヘルメットの庇(ひさし)をグッと押し上げ、サクラ社長が不敵に言い放った。


「『サクラ迷宮建設』よ! ……さあ、安全な『我が社の施工ルート』を通って、おうちに帰りましょう!」


 数日後。


 崩落事故の責任をすべて押し付けようとしていたバザロと暗黒ダンジョンホールディングスは、救援されたSランク冒険者たちの告発と、天界特別監査官セルフィエルの強制捜査により完全爆破(営業停止&即逮捕)となった。


 そして、サクラ迷宮建設の事務所(プレハブ)。


「ふう……レスキュー工事も終わって、悪徳業者も撃退して、ようやくひと段落ね。明日は久しぶりに一日休んで、温泉にでも行こうかしら……」


 サクラは現場デスクの椅子に深々と腰掛け、ほっと一息をついた。


 そこへ、秘書兼営業のマルコスが謎のハイテンション&眩しすぎる爽やかスマイルでバサバサと巨大な仕様書を差し出した!


「サクラ社長! 朗報です! 今回のレスキュー劇で我が社の評価が天元突破し、同時にふたつの『超・極限大型案件』を受注いたしました!!」


「……え? 温泉は……?」


 マルコスは胸を張り、キランと眩しい笑顔で爽やかに言い放った。


「休み? 何を仰っているのですかサクラ社長! 現場主義に休んでいる暇などありませんよ! まず一つ目は『龍王からの海底迷宮・新築建設依頼』! そして二つ目は『天界からの空中浮遊ダンジョン・新築建設依頼』です! 明朝、二現場同時に着工いたします!!」


「海底と空中ーーーーッ!? 水圧と無重力で現場が死んじゃうでしょーーーっ!?」


「大丈夫です! ワーキャマンの防水・防圧作業着をジョージー支店長に1万着発注しておきましたから!」


「遠くの現場から無茶振りしないでマルコスさんーーーッ! 僕はサクラ社長の隣に居たいだけなのにーーーーッ!!」

(※遠くで親方にズルズル引きずられていくジョージーの絶叫)


「ふふ、実にやりがいのある素晴らしい現場配置ですね」


(だからヴァルキリーお前が言うなっ!!)


 サクラは頭を抱え、プレハブ事務所の天井に向けて腹の底から絶叫した。


「少しは休ませろーーーーーっ!(泣)」


 サクラ社長の悲鳴が青空に響き渡る中、サクラ迷宮建設の「安全第一」な現場の毎日は、さらなる極限の舞台へ——!


(『異世界ダンジョンつくります!(いせダン)』第11話 第1クール・完)


『いせダン』★★★宜しくお願いします!!

サクラより

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