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異世界ダンジョンつくります!  作者: 桜ジョー


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第11話:事件は社長室で起きてるんじゃない!

誠に申し訳ございません!

第11話、すっ飛ばしてました!


 サクラ迷宮建設の事務所(プレハブ)に、緊急通信の警報がけたたましく鳴り響いた。


 秘書兼営業のマルコスが、手元の魔法鏡を操作しながら声を張り上げる。


「サクラ社長! 冒険者ギルド本部より、我が社へ『超・緊急レスキュー施工依頼』が届きました!」


「はぁ? 冒険者ギャルド(ガールズバー)じゃなくて、本物のギルド本部から?」


 サクラは現場用デスクで図面を引いたまま、フッと鼻で笑って手をひらひらと振った。


「またまたぁ、マルコス。どうせギャルドの女の子たちが『サクラちゃ〜ん、お店のVIPルームのドアが建て付け悪くて閉じ込められちゃった〜』とか言ってるイタズラでしょ? 一蹴、一蹴!」


「社長。残念ながら、ガチ中のガチです」


 人事部長のヴァルキリーが、厳粛な面持ちでギルド本部の金印が押された「緊急指名依頼書」をサクラのデスクにバシッと叩きつけた。


「暗黒ダンジョンホールディングスが突貫工事で施工した大型ダンジョンにて、地盤の大規模崩落が発生。攻略中だったSランク勇者パーティを含む数十名の冒険者が、地下深くに閉じ込められました。現在も連続崩落が続いており、他社では二次災害の危険が高すぎて現場に近づくことすらできません!」


「なっ……! 地盤調査をスキップしたツケが、ついに……!」


 サクラの表情が一変する。ヴァルキリーが手帳をペンで叩きながら淡々と続けた。


「ギルド本部長曰く『崩落する危険な現場を、安全にリノベーション改修しながら最奥部まで突入・救出できるのは、サクラ迷宮建設だけだ』と。報酬は白紙委任状、全額ギルド保証です」


「……冗談言ってる場合じゃないわね! 全社員、緊急出動準備!!」


「「「了解!!」」」


「……あ、でもその前に」


 サクラはピンクのヘルメットを力強く掴むと、目を鋭く光らせた。


「ちょっと、あのバカ社長の顔を拝みに行ってくるわ」


 暗黒ダンジョンホールディングス本社の豪華絢爛な社長室。


 CEOのバザロは、フカフカの高級革張りソファに深々と腰掛け、ワイングラスを傾けながらくつろいでいた。

 崩落事故のニュースが魔法鏡で流れているというのに、その顔には鼻で笑うような冷血な笑みが浮かんでいる。


「ふん、自業自得の冒険者どもめ。崩落事故など魔法の暴走と押し通せばいい。ワーキャマンの防護服を買わせてあるから作業員は無傷だしな……我が社の利益には痛くも痒くも——」


バッシャァァァァンッ!!


 重厚なマホガニー製の社長デスクが、激しい音を立てて真っ二つに叩き割れた。


「な、なんだッ!?」


 跳ね起きたバザロの目の前に立っていたのは、粉塵を巻き上げ、ピンクの安全ヘルメットを深々と被ったサクラだった!


 叩き割られたデスクの破片からは煙が上がっている。


 サクラはソファで固まるバザロを見下ろし、指を突きつけて腹の底から怒号を叩きつけた。


「事故は社長室で起きてんじゃない! 現場で起きてんのよーーーっ!!」


「サ、サクラ……!? なにを勝手に人のオフィスに——」


「利益!? 効率!? ふざけた書類を捏ね回してワイン飲んでる間に、現場では人が埋もれてんのよ! 職人のプライドも、冒険者の命も軽視したあんたの作った欠陥ダンジョン……我が社が『本物の現場力』で全部叩き直して、全員救出してやるわ!!」


 サクラは胸ぐらを掴まんばかりの勢いで吐き捨てた。


「せいぜい高みの見物でもしていなさい! あんたの崩れたゴミ山を、最高の迷宮にリノベーションしてみせるから!!」


 呆然と立ち尽くすバザロを置き去りにし、サクラは風のように社長室を飛び出した。


 崩落が続く暗黒ダンジョンの現場入口。


 そこには、サクラ迷宮建設が誇る最強の現場スタッフと、重機・資材がズラリと集結していた。


「親方! 補強用支柱と高速固化セメントの準備は!?」


「おうよ社長! ドワーフ特製の『超速硬化魔法コンクリート』を山ほど積んできたぜ! 崩れる先から固めて柱を打ち込んでやる!」


「エルザ! 崩落ルートの地質診断は!?」


「古代探査魔法で完全網羅したわ! 崩落の波及を止める『バイパス迂回路』の設計図、3分で引いてあげる!」


「ジョージー君! ワーキャマンの追加物販は!?」


 遥か遠くの隣町からヘリで駆けつけたワーキャマン支店長のジョージーが、涙目になりながら叫ぶ。


「救出された冒険者全員に配る『レスキュー保温アルミシート』と『ワーキャマン特製缶詰』、1000個搬入完了しました! サクラ社長ぉぉーッ、僕も現場で戦いますーッ!」


「よし! スラりん、骨川さん、ミミックも各自の安全第一で配置につけ!」


 サクラはピンクの安全ヘルメットのあご紐をカチッと締め直し、右手でヘルメットの庇(ひさし)をグッと押さえながら、掲げたハンマーを激しく振り下ろした。


「サクラ迷宮建設、レスキューリノベーション工事……着工開始ーーーご安全に!!」


「「「ご安全に!!!!!」」」


 ドワーフの怒号、魔法使いの詠唱、骨川のカタカタ音、スラりんのデロデロ歓声、そしてジョージーの愛の叫びがひとつに重なり合う!


 突貫工事で崩れ去る悪徳企業の欠陥ダンジョンを舞台に、職人のプライドと最高の技術をかけた、史上最大のレスキュー改修工事が幕を開けたのだった!


読者の皆様ご迷惑をおかけしました。

投稿は、ご安全に!

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