表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
80/94

新任教師の秘密⑰

 「ん、前田先生。どうしましたか。そんな青ざめた顔をして」


 そりゃ青くもなるだろう。生徒が自分の下着でずぶぬれの髪を拭いているのだから。

 

 「そ、その、塩井さんが持ってるそれ…」


 「これですか。岩崎から借りたハンカチですが」


 塩井はそれをハンカチだと信じて疑っていない。水滴が目に入ったせいで半目になっているので、ろくに見えていないのだろうが、それにしても感触とかで分からないものだろうか。


 「あのですね、塩井さん。昨日私、ベランダに干してた下着が一枚、なくなっちゃったんです」


 「そうですか。それは災難でしたね。また買えばいいと思います」


 心底興味のない話題を振られたときの塩井の反応だ。まるで会話を続ける気がない。


 「ち、違くて。その下着、アパートの外に落ちちゃったんです。急いで取りに行ったんですけど、どこにも見当たらなくて…」


 「へえ」


 前田が話している間にも、塩井の髪の水分を吸って、下着が重たくなっていく。


 「塩井さんが持ってるそれ…、私の下着じゃないですか?」


 「ははっ、まさか。どうして私が先生の下着を持ってるんです。そもそもベランダから落ちたという話が本当なら、私が下着を手に入れるためには昨日、先生の家の前にいなくてはいけない。あいにく私は昨晩、家から一歩も出てないんですよ」


 「で、でもそれ」

 

 「先生がこんなことを言ってるが…、岩崎、これはハンカチだろう?」


 「ちゃうで。パンツや」

 

 「は?」

 

 「よう見てみい。エロい柄のパンツやろ」

 

 塩井は自分の手に握られた布を、目を細めて見た。


 「どういうことだ。パンツじゃないか」


 「誤解せんでな。それ拾ったのウチちゃうし。香月や」


 「か、香月さん⁉え、どういうことですか?」


 前田が今まで聞いた中で一番大きな声を出して、香月に駆け寄ってきた。


 岩崎は面白そうにケラケラ笑っている。


 「あのですね、説明すると長くなるんですが…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ