表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
56/84

縄張り争い⑧

 生徒の模範であるべき生徒会長の口から出た脅迫じみた言葉に、宇崎と前田は絶句した。


 「な、なにを言ってるんですか、深川さん。身のためなんてそんな、怖いこと言わないでください」


 「どうしたんだ深川さん。いつもはそんなんじゃないのに」


 「いいですか、先生方。お二人が入ってくれないとチームのメンバーが足りず、試合が出来なくなってしまうんです。私にはこの試合が決行されないと困る理由があるんです」


 ユニフォーム姿の塩井を見ることだろう。正確には、汗と泥にまみれた塩井を拝むことだと本人が言っていた。


 「ですから先生方にはぜひ参加をお願いします」


 「うーん、そう言われてもなあ。私にも予定があるし」


 「予定というのは、これですか?」

 

 深川がスマホを取り出して1枚の写真を表示させた。こちらからは見えないが、宇崎と前田の表情が凍り付くのが分かった。


 「なっ、なぜそれを!?」


 「どこで撮ったんですかぁ!?」


 教師2人の慌てぶりからして、流出しては困る写真が深川のスマホに表示されているらしい。


 「試合に参加しないなら、この写真をネットの海にバラまきます。一度流出した画像は決して消えませんよ」


 一体どんな写真が。深川のスマホが見える位置まで香月が移動しようとした時、宇崎が大声で言った。


 「分かった、参加する!参加するからその写真は消してくれ!」


 前田もか細い声で宇崎に続く。


 「私も試合出ますからぁ。どうか深川さん、お慈悲を…」


 「その言葉が聞きたかったんです」


 深川がスマホを仕舞ったので、写真を見ることはできなかった。新任教師2人の抱える秘密。それを脅迫材料にして、深川は最後のメンバー集めを塩井の代わりに達成した。


 「ご苦労だった、深川。まさか君がそんなに乗り気だとはな。さっき言ってた、試合が決行されないと困る理由というのは何なんだ?」


 「それは…塩井さんには教えられません」


 まるで国家機密を握っているような言い方だが、単に塩井を性的な目で見ていると告白したくないのだろう。生徒会長としての面子もあることだ。


 「そうか、まあいい。これで無事9人集まったわけだ。さあ、あの生意気なガキどもを叩き潰しにいくぞ!」


 現代アート部の4人、緊縛クラブの四条、生徒会長の深川、香月の彼氏の雄大と、新任教師の宇崎と前田。総勢9名による即席の野球チームがこうして結成された。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ