↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
160/161

悪夢の生徒会⑭

 「せ、せんぱ…」


 香月は全身から力が抜けるのを感じた。縛り付けられた塩井の頭には、水族館で買ったクラゲ帽子が乗っかっている。妙にリアルな質感の触手が、露わになった地肌に張り付いていた。まさに深川の描いたイラストの通りだ。


 「香月、来ちゃダメだ。ここはやつらの根城。敵はまだ潜んでいる!」


 深川と野村以外にもまだ誰か?

 

 いや、なぜ最初に思い至らなかったのだ。塩井を縛り付けているロープは、どれだけ抵抗されても解けないように、むしろ抵抗すれば余計に食い込むようになっている。これは素人にできる芸当ではない。塩井を縛った犯人がここにいるのだ。


 そしてそんな事が出来るのは、この高校に一人しかいない。


 「やっぱり塩井ちゃんを縛るのは楽しいねー。最高のモデルだよ」


 緊縛クラブ部長の四条が、薄汚れたホワイトボードの裏から姿を現した。


 さっきからどいつもこいつも、登場の仕方とタイミングが悪役すぎる。


 「四条さん、どういうつもりですか!」


 「私はただ、深川ちゃんに協力してって頼まれただけだよ。エッチなイラスト描きたいから、塩井ちゃんを実際に縛ってスケッチしたいって」


 「なぜ手を貸すんです。こんな事、ダメに決まってるじゃないですか。警察呼びますよ!」

 

 傷害罪か暴行罪か、なんらかの罪には問えそうだ。


 「香月ちゃんも知ってるでしょ。深川ちゃんがエッチな漫画描くお仕事してて、私と塩井ちゃんがキャラクターのモデルになってるの。実は私、モデル代としてお金もらってるんだよね。それも結構な金額。だから深川ちゃんの頼みとあれば断れないし、いい作品に仕上げて売り上げが伸びれば、その分私がもらえるお金も増えるかもじゃん」


 「お金のために同級生を売るんですか。一緒に野球したり、ホームレス撃退したりした仲なのに」


 別に仲間だとは思っていないが、少しは打ち解けたと思っていたのに、どうやら香月の勘違いだったようだ。


 「それはそれ、これはこれ。あ、そうだ、深川ちゃんから聞いたよ。2人付き合うことになったんだってねー。ねえ深川ちゃん、これってなんていうんだっけ。恋人の前でいやらしい事されちゃうシチュエーション、なんか名前あったよね?」


 「寝取り、というやつですね」


 「それそれ。この場合、私が塩井ちゃんを寝取っちゃうってことになるのかな?」


 クラゲの触手を霧吹きで湿らせてから、塩井の首に巻き付ける四条。


 「くぅ…」


 塩井が身じろぎしたが、ぎちぎちに縛られているため逃げられない。


 初めてのデートで買った思い出の品を、性的イラストの道具に使われたことに香月は激しい怒りを感じた。

 

 しかし戦況は三対一。深川はともかくとして、野村と四条は武闘派だ。正面からやり合って勝てる気がしない。


 「私のことはいいから逃げろ。君まで餌食にされてしまうぞ」


 「心配しないで下さい。必ず先輩を助けてみせますから」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。