第4話:ともだち
ともだち。
わたしには、友達がいない。
学生時代はいたが、卒業して就職すると疎遠になってしまった。たまに地元の友達が東京に来たときには会うが、滅多にない。会社も男が多い職場であるから、ぜんぜんである。
ムギはそんなわたしにできた唯一の友達だった。先日偶然見かけてからというもの、毎週会うくらいの仲になっている。会って行くのは買い物だったり、映画だったりと平凡なところだ。正直、ムギとならどこに行っても楽しいと思える。共通の趣味もないのに、不思議なものだ。
最近の発見だが、ムギが好きなのはグロかわいいものだ。そういったものを見かけると必ず足を止めている。
あとムギが好きなものは、、、タバコだろうか。
本人はあまりバレたくないのか、トイレに行くふりをして吸っていたりする。別にいちど吸ってるところを見ているし、いまさら何を気にしているのか分からないが、何回か喫煙所にいるのを目撃している。
それとムギといえば、忘れ物が多いのと、遅刻をしがちというところだ。
初めにファミレスで会ったときにはそんなことはなかったが、いまや忘れ物も遅刻もしないことがない。遅刻といっても10分程度だし、特に気にしてもないが。
忘れ物はスマホをどこかに置き忘れることが最も多い。すると彼女は決まってこう言う。
「どうやらわたしのスマホはお散歩中のようだ」
キリッとした顔で言ってくる。
さて、そんなこんなでわたし達の友情は何ヵ月も続いている。今日はムギをわたしの家に初めて招待した。
わたしはれっきとした社会人だが、ムギは自称芸術家であり、それ以外の何者でもない。
つまるところ、彼女はニートである。
実家暮らしニートである彼女の家に行くのも気まずいため、わたしの家に呼ぶのは自然な流れだった。
「す、すごい・・・」
わたしの部屋を見て、ムギは意外にも感動しているようだ。わたしの部屋はワンルームだが、一般の同年代が住む部屋よりは広く、綺麗である。
「そうでしょう。上がって上がって」
「なんというか、ちょっとえっちだね、、」
「え、えっち?!」
「なんか、間接照明とかあるし、、、」
間接照明があるとえっち判定されてしまうらしい。困ったムギである。




