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【第五章:奇跡の融合と再会】


「メイ……ッ!」

二人の唇が重なった瞬間、まるで世界の時が止まったかのような錯覚が走った。

メイの目からこぼれ落ちた涙と、その熱い口づけ。

完全未汚染体である彼女の唾液に含まれる《ニコチン中和・最適化酵素》が、タツミの体内に雪崩れ込んでいく。

「ガ……アァァァッ!!」

タツミの体内で猛威を振るっていた二つの異種エネルギーの衝突が、メイのキスを触媒として完全に融合(シンクロ)した。

> 《異種ニコチン融合:『ブースト・ブレンド』確立》

> 《細胞再生率 1200% Over》

裂けていたタツミの皮膚が一瞬で修復されていく。

タツミの口元から立ち上ったのは、神聖なまでの「純白の煙」。

「お兄さん……お願い。私、大人しく投降するから……だから、お兄さんを殺さないで……っ!」

泣きじゃくるメイを、タツミは力強く抱き返した。

「馬鹿言え……メイ。お前が俺のために流してくれた涙だ……その命、絶対誰にも渡さねえ」

タツミはゆっくりと立ち上がる。その瞳は、澄み渡るような緋色に輝いていた。

「超加速」の領域に入ったタツミの視界の中で、すべての攻撃が静止する。

サラが放った無数の氷の針、頭上の超巨大な氷塊——それらすべてを一瞬でスリ抜け、驚愕に目を見開くサラの眼前へと滑り込んだ。

「先生っ……! 貴女は俺の憧れ! 初恋の女性でしたよ!」

「タツミ……っ!?」

タツミはサラの細い腰を引き寄せると、力強くその唇を奪った。

ちゅっ——。

タツミの体内で融合した聖なる酵素が、口づけを通じてサラの脳内へと伝播する。

政府が彼女の精神に植え付けていた冷酷な洗脳の呪縛が、一瞬で溶かし去られていく。

(あ……冷たい……ずっと、暗くて冷たい場所にいた……)

サラの頭の中に、怒涛のように溢れ出す記憶。

放課後の夕焼け。誰もいない屋上。風にそよぐ紫煙。

そして——不器用で、まっすぐで、自分のくゆらす煙を憧れの眼差しで見つめていた生徒の顔。

「……ッ、タツミ……君……?」

氷の仮面が砕け散り、サラの瞳からポロポロと涙がこぼれ落ちる。

「先生っ、行きますよ! 俺、貴女を……ずっと探してました!」

タツミは崩れ落ちそうになるサラを力強くお姫様抱っこで受け止め、背中にはメイを乗せた。

「先生の目……元に戻ったんだね! 良かった……っ!」

「メイ、ありがとな。お前のおかげだ!」

「タツミ君……メイちゃん……私、なんてことを……」

「謝るのは後だ! 一気にブッ飛ばすぞ!」

タツミの背中から、純白と赤が混ざり合った「鳳凰のような紫煙の翼」が爆発的に吹き出す。

「はぁぁぁぁぁっ!!」

ドッ!!!!!

地面が爆砕し、三人の体は一筋の光の矢となって夜空へ躍り出た。

包囲していたA.T.S.の部隊は、タツミが引き起こした衝撃波だけで一網打尽に吹き飛んでいく。

夜空を駆け抜けながら、タツミの腕の中でサラはそっとタツミの顔を見上げた。

背中ではメイがタツミの首に強く抱きついている。

タツミは口元に新しい『ラッキーストライク』を一発叩き込み、笑った。

「見とけよ政府の奴ら……! 俺たちの煙は、絶対に消せねえ!!」

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