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第031話〈風の暁/キャスキャットⅠ〉

荒野をバイクが走り抜ける。


その上には、ローブをかぶった男と水のように透き通った体の幼女。


スタビリート基地崩壊から1日後の夜明け前。


(しゅう)とプルはサイクロンを駆りジャックが示した基地、セクラマ基地を目指す。


「ますたぁ、やっぱり見えない?」


「ああ、地形の凹凸が激しくてうまく見通せない。」


「あ、じゃぁあの山に登るのは?高いし広い範囲を見渡せそう!」


「そうするか。」


サイクロンを一旦収納空間へしまい、柊はプルを抱えて山を駆け上がる。



「ん?あれは……」


山の頂点に上ると、柊は一団の人影を見た。


20人ほどの武器を持ち、車に乗った人影が、バイクに乗ったボロボロのローブを纏った小柄な人影を追っている。


「関わらないほうが安定だな。」


柊はそう判断する。


「ふむ、あそこか。」


しかし、


【任務を開始します。】

————————————————

任務:追跡者を殲滅せよ。


報酬:ガチャチケット1枚 システムポイント1万


失敗ペナルティ:強制死亡


制限時間:30分

————————————————


「畜生、このタイミングでか……」


柊は胡狼&伸牙をホルスターから抜き、プルを抱えたまま山を駆け下りて跳躍、追跡者へ先制攻撃を行う。


プルも右腕を刃に変形させ、硬質化を行う。


「な!何者かが撃ってきた!1班、迎撃しろ!」


「「「Iä! Iä! Hastur !」」」


追跡者の車の一台が柊のほうへ突っ込んでいき、乗っている者が発砲する。


(ハスター……なるほど、風の邪神の手先か。)


柊は銃弾を胡狼&伸牙に着けた陰陽銃剣で弾きながら追跡者へ近づく。


「こいつ、弾丸を弾きやがった!化け物だ!殺せ!」


追跡者の一人が銃をしまい、背中の刀を抜く。


「帯びて切り裂け!乱風斬!」


追跡者の刀が風を纏い、車から跳躍して柊へ斬りかかる。


(2節か。)


「そうか、じゃあ死ね。」


柊は首から白線触手を伸ばし刀を持った追跡者の心臓を貫く。


「ぐぁ!」


「お前らもだ。」


流体化して追跡者たちの車に潜んだプルが硬質化した水針を飛ばし、追跡者たちの首に穴を空ける。


「よし、プル、残りの奴らを追うぞ。」


「うん!」


柊はプルを抱えて残りの追跡者へ走る。



◉◉◉




逃亡者は命がけで逃げる。


後ろからは銃弾と魔術が絶え間なく飛んでくる。


魔導障壁も魔力不足で維持が難しくなっている。


「はぁ、はぁ、はぁ……」


瘴気を防ぐためのガスマスクから荒い息遣いが聞こえる。


追跡者は何かを発見したおかげで一部が離れていったが、それでも10人以上が逃亡者を追っている。


「ダメ、私は、死なない!」


「■■■■■■」


追跡者側から魔術が飛んでくる。


逃亡者はバイクを操作してそれをぎりぎりで避ける。


「まずいわね。もう、集中も、魔力も……」


魔導障壁が消えかかる。


追跡者はそれを見逃さず、集中砲火によって障壁が割れ、銃弾が逃亡者を次々と貫く。


「ガッ……はぁ……」


弾を受けたことでバイクが転倒し、逃亡者は投げ出される。


追跡者の車がそれを囲み、乗っている者たちが降り、逃亡者へ銃口を向ける。


「終わりだ。お前はここで死ぬ。」


(いや……)


「来世は人間に生まれたらいいな!」


「いや!」


逃亡者がそう叫ぶと同時に、声が聞こえる。


「ああ、お前らこそ終わりだ。」


「何!?」


声の主の男が手に持つ白黒二丁のリボルバーを、左右の追跡者に向け発砲する。


「な!撃て!さっきの襲撃者だ!あいつらがやられたんだ!」


追跡者たちがその男に銃を向けるが、それよりも早く、男はリボルバーの引き金を引き、追跡者の2人を倒す。


「撃て!撃てぇ!」


銃弾の雨が男に浴びせられるが、男は跳躍してそれを避け、首から延びる銀の光で追跡者たちを斬り殺していく。


「どうやら人間しかいないようだな……」


男はそう言いうと、仲間がわけもわからず殺されたことで取り乱した追跡者へ弾丸を放っていく。


車の中にいた運転手も、気づかぬうちに何者かに首を斬られて死んでいた。


「まて!止まれ!こいつの賞金が欲しくて来たんだろ!?こいつを殺しちまうぞ!」


最後の追跡者がケガで動けなくなった逃亡者を掴み上げ、逃亡者の頭に銃口をあてる。


「女、お前処女か?」


男が逃亡者に問う。


「何を……何を言っている?!」


追跡者が困惑する。


「処女かと聞いている!!答えろ!!」


「野郎!ふざけるんじゃねぇ!!」


追跡者が男に銃を向ける。


「答えろ!!」


それをものともせず、男は再度問う。


「……ッ!はいッ!!」


逃亡者が声を振り絞って答える。


バンッ


「え?」


逃亡者の腹に穴が開き、後ろにいる追跡者の心臓が吹き飛ばされる。


「が、ぐへぁッ……」


「奴の心臓を撃つためにおまえの肺を撃った。」


男が支えを失って倒れた逃亡者に歩み寄る。


「悪いが大口径の銃だ、他の傷もあるし長くはもたない……どうする?」

元ネタは言わずもがな。


ちなみに防御力が80超えると拳銃が意味なくなって160超えるとライフルの銃撃を弾き始める。


50AE弾も防御力100で弾ける。

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