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8 | 地球 | スレイ平原 | イェヴァ

パート I


私は、あんなにも多くのことが起こるとは思っていなかった。

壁を越え、自分の限界を超え、その結果がどうなるのかほとんど想像もできない状況に、自ら足を踏み入れてしまった。


少なくとも、アカデミーは私たちに雪上用の車両を残してくれていた。

私たちは砦を出て周囲を探索した。

上空に待機していたミレナの船から届く情報を信じて、好天を疑わずにいたのだ。


砦から四十キロ離れたスレイ平原で、三十人が夜を過ごした。

セクヴェンスが十二人、ユナイテッドが十八人。


グレイと私は任務を真面目にこなそうとしたが、セクヴェンスたちはただ遊びたがるばかりだった。

私は結局、彼らを退屈させないようにと車両を任せ、自分たちは周辺の地図を作ることにした。


空には何もなかった。

雲もなく、リルスの姿もなかった。

彼らはまだ自分たちの技術を私たちに見せることに気乗りしていなかった。

私たちが自力で生きる術を学ぶことを望んでいたからだ。


彼らと過ごした十日間は、私という人間を大きく変えるのに十分だった。

裸で眠ることさえ、もう気にならなかった。

それは自然なことになっていた。

そして私は、人生でいちばん素晴らしい夜を過ごした。


彼らの愛情が与えてくれる安らぎ。

自分の身体にぴったりと寄り添う彼らの体温。

そのすべてが、私にこれまでにないほどの生を感じさせ、守られ、望まれているのだと教えてくれた。


---


パート II


氷の下に巨大な魚群を見つけたことで、私たちは笑顔で砦へ戻った。

希望もまた新しくなっていた。

驚くべき発見だった。


私は丸一日ミレナに会えずにいて、ナターシャが彼女を抱きしめ終えるのを待つのもほとんど苦しかった。

彼女のキスを欲していた。

けれど、それを口にするのが恥ずかしかった。

私は結局、自分の番を待っていた他の者たちに場所を譲ってしまった。


「まだ、自分の欲しいものを言えるようになっていないの?」

ミレナが後ろから近づきながら、そう言った。


私はすぐには意味が分からず、彼女を見上げた。

抱きしめ合ってから、もう何分も経っていた。


「あなたはキスを欲しがっていた」

彼女はやさしい声で言った。

「恥ずかしがる必要はないわ。愛しているとき、間違っていることなんて何もないの」


その言葉自体は初めてではなかった。

彼らはそれを何度も繰り返していた。

でも、受け入れるのは簡単ではなかった。


セクヴェンスの生きる自由は、私たちには届かないほど遠かった。

けれど、それが確かに存在すると知るだけで、胸の奥が少し楽になるのだった。


「あなたのキスが欲しい」


ミレナは強く私にキスをした。

少なくとも、私の基準からすれば強かった。

私はくらくらしたが、同時に深い愛に満たされた。


あの触れ合いの中で彼女が私に伝えてくれるものを、すべて理解したいと思った。

けれど、愛を完全なかたちで感じられるのはセクヴェンスだけだった。


私は彼女の目を見つめた。

心の中に入り込み、もっと彼女の世界を見せてほしいと、ほとんど懇願するように。


けれど彼女が私に明かしたのは、胸を痛めるひと言だった。


「私たちは二日後に発つわ」


涙は、止める間も、理由を考える間もなくあふれた。

こうなることは分かっていた。

彼らが自分たちの家へ帰ることも知っていた。

でも、知っていることと受け入れることは別だった。


私はほとんど叫ぶように言った。


「私はあなたと一緒にいたい!」


「怖いの?」

ミレナはやさしく尋ねた。


「自分の民を導くことは怖くない。あなたのように新しい文明を作ることも。……でも、あなたたちがいなくなるのは怖い。この愛が必要なの」


ミレナはやわらかく微笑み、ナターシャが私を強く抱きしめた。

彼らが教えてくれたすべてに私は感謝していた。

それでも、私は彼らと永遠に一緒にいたかった。


そのとき私はまだ知らなかった。

あの絶望の中で口にした私の願いが、私たち全員の運命を決定づけることになるなど。


少し愛情をもらって落ち着いてから、私はナツのところへ行っていくつかの用事を片づけ、そのあと洞窟の壁際に座って皆が働く様子を眺めていた。


その中にカレルがいた。

私は彼のことが好きだった。

きれいだと思っていたし、気づけば何度も目で追っていた。


自分が感じているものが、惹かれなのか、愛なのか、それともただの魅了なのか分からなかった。

セクヴェンスのせいで感情がかき乱されていて、私はこれまで一度も男を愛したことがなかった。

そんなことを考えさせた最初の相手が、彼だった。


でも彼には妻がいた。


「考え込んでる?」


メリッサとサーシャが、気づかないうちに私の隣に腰を下ろしていて、私は驚いた。


「あなたたちの出発に備えて、心の準備をしてるの」


「それだけじゃないでしょう」


「メリッサ、やめて……」

私は懇願した。


彼らに何かを隠すことなど不可能だった。


「言うべきかな、私が感じてること」


「彼のところへ行って、愛しているって言えばいい。欲しいって言えばいいのよ」


私はあごが落ちそうになった。

その発想にぞっとした。


「そんな目で見ないで。別世界の者みたいに見てるでしょう? まあ、実際そうなんだけど、それは今関係ないわ!」

メリッサは笑った。

「感じてることを言いなさい」


「メリッサ、彼には妻がいるし……別の種族だし……明後日には行ってしまうのよ」


「それが愛を隠す理由になるの? イェヴァ、あなたは違いなんてないところに違いを見てる。愛はひとつで、無限なの。ミレナに感じてる愛と、カレルに感じてる愛に違いなんてない。あなたが欲しいと言うなら、それはセクヴェンス全体を欲しているってことでもあるのよ」


「でも、私には違うの……」


「その通り」

彼女はきっぱりと言った。

「彼のところへ行って、自分の気持ちを伝えて、あなたなりの形で彼の愛と優しさを受け取ることもできる。あるいは、一生ずっと“もしも”を考え続けることもできる。でも、それはセクヴェンスのやることじゃない」


「スザンヌは嫌がらない?」


メリッサとサーシャは、非難するような目で私を見た。

心臓が口から飛び出しそうだった。

それでも勇気を振り絞り、私はカレルのもとへ歩き出した。


一歩進むたびに、それが不可能なことのように感じられた。

そしてそのとき、スザンヌが現れた。

私はその場で固まった。


彼女はあまりにも深く彼を愛しているように見え、私はひどく小さく感じた。

引き返そうとしたその瞬間、彼が私の名を呼んだ。


「イェヴァ?」


「カレル、私……私はあなたを愛してる。あなたが欲しい!」

私はほとんど勢いでそう言ってしまった。


その場で凍りついた。

自分でも信じられなかった。


スザンヌが近づき、私の頬に触れて言った。


「どうしてそんなに時間がかかったの? ずっと一人で抱えてるつもりだったの?」


私は隠れたかった。

消えてしまいたかった。

うつむいて、小さくつぶやいた。


「どうしたらいいか分からない……」


「まずは彼にキスすればいいわ」


抵抗しても無駄だった。

セクヴェンスは、どんな壁でも崩せる内なる力を持っていた。

視線だけで、私たちを動けなくできるほどに。


カレルは笑って私に近づき、キスをした。

心臓が爆発しそうなくらい激しく打った。

でも、そのキスは私を落ち着かせ、ため息を漏らさせた。


もっと欲しかった。

ずっともっと。


けれど周りを見回すと、何十人ものセクヴェンスが私を見ていた。


「心に従って」

彼はやさしく言った。


セクヴェンスにキスされたことにも、その状況にもくらくらしながら、私の頭の中はいっぱいだった。

既婚者で、別種族で、そのうえ私の思考まで感じ取れる相手との関係。

そればかり考えていた。


「あなたと二人きりになりたい。そうしたら、もっと落ち着いて話せるから」


「話すだけ?」

彼はいたずらっぽく笑った。


私は頭のてっぺんから足の先まで震えた。

もう引き返せるところは過ぎていた。


私たちは、私がセクヴェンスと眠っている部屋へ向かった。

そこでカレルは、私たちのあいだで起こることは他の者たちにも“共有される”のだと改めて言った。

そしてスザンヌも、そこにいた。


「分かってる……でも、ユナイテッドには知られなくていい」


カレルは面白そうに笑った。


「どうすればいいのか分からない。私は今まで誰とも付き合ったことがないの。あなたたちが来るまで、誰にもキスしたことさえなかった」


「あなたが男から受け取った最初のキスは、私のものだった」


「そうよ」

私は認めた。

「そして女からの最初のキスでもあった。そんなこと、想像したこともなかった」


彼は私のあごを持ち上げ、目を合わせた。


「あなたに、私の伴侶になってほしい」


彼はもう一度私にキスした。

深く、あたたかく。

また私はくらくらした。

それは少し困ることになりつつあった。


ようやく呼吸を整えてから、私は弱く笑った。


「願いには気をつけて」


「最初に願ったのはあなたのほうだ」


彼は笑った。

それから長いあいだ、私は彼の膝に頭をのせ、彼はやさしく私を撫でてくれた。

何度も心臓が跳ね上がった。


彼の人生について話した。

当然、スザンヌはその中心にいた。

でも、私は嫉妬しなかった。

むしろ、自分がそこに含まれているように感じた。

愛されていると感じた。


私は自分の子ども時代のことを話した。

まるで子どもに戻ったような気分だった。

彼は私より千年以上も長く生きていて、すべてをどう導けばいいか知っているようだった。


まだ興奮の残るまま部屋を出ると、すぐにスザンヌ、メリッサ、サーシャと鉢合わせた。

三人とも、同じいたずらっぽい目をしていた。


「で、どうだったの、イェヴァ?」

スザンヌが好奇心いっぱいに尋ねた。


「そのうち分かるわ」


「もう分かってるわ」

メリッサはそう言って、カレルのところへ歩いていった。


私は隅にでも隠れたかった。

けれど、やるべきことはたくさんあった。


ただ、自分の民が何も聞いてこないことを願った。

セクヴェンスなら、きっと細かいことまで全部話してしまうだろうから。


それは、私が初めて誰かと付き合った日だった。

初めて、あんな感情を味わった日だった。

優しさも、親密さも、どれも好きだった。


それでも心の中では、ひとつの問いが鳴り続けていた。


私はいったい、何に足を踏み入れてしまったのだろう?


---


パート III


日差しはまだ強く、少なくとも私には暖かい一日だった。

食事を終えた私はカレルを探し、水の浄化装置を手伝った。


「外へ行ってフィルターを取ってこないと。もうきれいになってる」


「誰かを呼んで、一緒に行こう」

彼は言った。


「二人だけで行きましょう!」

私はほとんど懇願するように言った。


カレルは笑ったが、首を振った。


「それは無理だ。これは本能なんだ。セクヴェンスは、決して仲間から離れて一人にはならない。君が一人きりのセクヴェンスを見ることは決してないよ。見せてあげる」


彼は、メリッサに自分とサーシャが離れすぎることを気づかれないよう、彼女の気をそらしてほしいと私に頼んだ。

けれど、彼女は最初から何かがおかしいと察していた。

ただ、それが何なのか分かっていなかっただけだ。


私たちは外へ出て、砦の入口で彼女と話していた。

そのあいだに、カレルはサーシャを連れて、私の友人の視界から外れる反対側へ静かに移動した。


メリッサは、何も起きていないかのように私と話し続けていた。

だが突然、ぴたりと止まった。

目が鋭く細められた。


「何かおかしい」

そう言って、彼女は私の手を引いた。


そして、カレルとサーシャがいる方向へまっすぐ歩いていった。

あんなセクヴェンスを見るのは初めてだった。

彼女は集中しきり、絶対的な正確さで動いていた。

まるで、仲間がいないことによって押しのけられた空気そのものを感じ取っているようだった。


彼女は、二人が隠れていた箱の近くまで来てようやく緊張を解いた。

姿も見えないまま、彼女は問いかけた。


「どうしてこんなことをしたの?」


「ごめん」

カレルは気まずそうに答えた。

「イェヴァに、僕たちが離れたとき何が起こるのか見せたかったんだ」


彼もサーシャも笑わなかった。

メリッサも少しも面白がってはいなかった。


そのとき私は理解した。

セクヴェンスにとって、一人でいることがどれほど重大なことなのかを。

けれど、その本能の深さを私はまだ本当には分かっていなかった。


私には無意味に思えるその緊張が、逆に私の好奇心を刺激した。


「どうして正確に二人の場所が分かったの?」

私は尋ねた。


カレルが説明した。


「聴覚、匂い、視覚、それに他の感覚……でも、それだけじゃない。僕たちは無意識のうちに、すべてのセクヴェンスの正確な位置を常に把握している。そして距離が危険なところまで達すると、その感覚は意識の表面に上がってくる。メリッサはずっと僕たちの位置を分かっていた。ただ、どうしてそんなに離れたのか分からなかっただけなんだ。彼女はそれを嫌がったし、僕たちも彼女を一人にしたことで苦しかった」


メリッサが付け加えた。


「たとえもっと遠くへ行こうと思っても、私たちにはできないの。仲間の一人を一人にするなんて、私たちの心は耐えられない。限界があるのよ。それを越えようとしたら、私たちはその場で動けなくなるだけ」


「まるで一本の糸でつながってるみたい!」

私は感心して言った。


「そのとおり」

メリッサは答えた。

「その糸の名前は、本能よ」


---


パート IV


正直なところ、カレルへの迷いをどう扱えばいいのか分からなかった。

もしかしたら、ただの一時的な魅了なのかもしれない。

初恋のようなものなのかもしれない。


でも、セクヴェンスにはそういう曖昧さがなかった。

それが私を苛立たせた。


カレルが私を愛していることは分かっていた。

情熱を向けてくれていることも。

でも、他の者たちも同じように感じていることを私は知っていた。


では、何が残るのだろう。

私は彼にとって特別なのか。

彼は私にとって特別なのか。


私はずっと、誰かを愛するときには、その相手にとって特別でありたいと思うものだと信じていた。

でも彼らにとっては、皆が特別だった。


ようやく恋人のような関係になったばかりなのに――それを本当に恋人と呼べるのなら――もう私の中には葛藤があった。


しかも、セクヴェンスが私たちの思考を読めるという能力は、腹立たしいものだった。

私だけではない。

彼らは自分たちの生き方を私たちに押しつけるくせに、いつか私たちを置いて去ることも、私たちが彼らとはまったく違う存在であることも、忘れているようだった。


「カレルのことを考えてたの?」

ミレナが食料箱を運ぶのを手伝いながら、そう尋ねた。

「そういう顔じゃないけど」


「あなたたちのことを考えてたの」

私は歯を食いしばりながら、できるだけ平静に答えた。


「怒っているのね?」


「あなたは怒るの、ミレナ?」


「私たちには一般的な感情じゃない……でも、それがどういうものかは知っているわ。あなたは傷ついているのよ。私たちはあなたにまったく違う生を見せた。そして、あなたの心で遊んでおきながら、今度は去ろうとしている」


ミレナは正しかった。

その言葉を聞いて胸が締めつけられた。


私は彼女を、どうしようもない仕方で愛していた。

ほんのわずかな時間しか知らない人々を、こんなにも強く愛するなんて理屈では説明できなかった。

それでも私は彼らが好きだった。

彼らが私に与えてくれるものが好きだった。

喜び、発見、愛情、そして自分に寄り添う彼らの身体。


「違うの、ミレナ。この数日で私が成長したぶんを、何年かかっても得られなかったかもしれない。こんな気持ちをうまく扱えないことを、許して」


ミレナはやさしく微笑んだ。


「イェヴァ、もし私が何もかも確信していたなら、私たちは地球へ来なかったでしょう。不確かさや発見こそが、私たちを動かすの。私たちセクヴェンスは、新しい心を知るのが好き……そこで少し遊ぶのも好き……その反応を見るのも好き。そういうのを、可愛いって思ってしまうの」


「それはもうよく分かったわ」

私はわざと拗ねたように言った。


「でも、私たちはそういう心を決して見捨てない」

彼女は真剣な顔で言った。

「あなたは私のものよ、イェヴァ。あなたは私に属している」


奇妙な震えが身体を走った。


「もし、いつかそうされたくなくなったら……言ってちょうだい」


そんなこと、できるはずがなかった。


「私は物じゃないわよ」

私は感情をごまかすように冗談めかして言った。


「もちろん違うわ!」

彼女は笑った。

「物なんか、どうするの? 感じないし、成長もしないし……受け取った愛を返してくれもしない」


ミレナは私をあたたかく強く抱きしめた。

それから、なおも私の手を握ったまま、グレイの呼びかけを感じさせてくれた。

彼が私に話したいことがあったのだ。


---


パート V


強く冷たい風が吹きつけ、私はナツの上へ押しやられた。

そのときグレイは、砦の外にある給湯設備を見せてくれていた。


私たちは期待に胸を弾ませていた。

何日ぶりかで熱い風呂に入れるのだ。

だが、そのとき一つの影が私たちを遮った。


「来て、イェヴァ。キルが私たちに話があるの」

ミレナが呼んだ。

彼女は夏用の、ごく簡素なブラウスしか身につけていなかった。


「クセラントの船の艦長?」

私は驚いて尋ねた。

「私にも話があるの?」


「クセラントがこう動くことは、もう予想していたわ。あなたは彼らに会うことになるの」


私の身体は硬くなった。

寒さのせいだったのか、緊張のせいだったのか分からない。

私は少し被害妄想気味になっていた。

セクヴェンスが近づくたびに、身構えてしまうのだ。


クセラントに会うことになるなんて、想像もしていなかった。

ただでさえ混乱している感情が、ますます絡まっていった。


私はミレナ、エドゥアルド、そして数人のセクヴェンスとともに砦の入口へ向かった。

すると突然、何もない空間に裂け目のようなものが現れ、その中からあふれる光が周囲の闇を呑み込んだ。


私たちは中へ入った。


「ようこそ、イェヴァ」


私に声をかけたミリアメデスは、丸い黒い目をしていて、頭の先から足の先まで毛に覆われていた。

私は息をのんだ。


彼の名はマハモム。

ユナイテッドを研究していたのも、私たちがセクヴェンスの訪問を受けるほど特別だと信じたのも彼だった。

それが彼一人の功績ではないと分かっていても、私は彼に永遠に感謝するだろうと思った。


私はマレットにも会った。

あの見事な白い毛は忘れようがなかった。

私はすぐに彼女を好きになった。

ミレナが言っていた通り、本当に愛らしかったからだ。


彼女は船の中の皆を私に紹介してくれた。

そして私は気づいた。

彼らが私を対等に扱っていること。

そしてセクヴェンスに対して、深く親密な愛情を向けていることに。


そのことは私を安心させ、同時に魅了した。

ただ、どうして彼らが私にこれほどのものを見せるのか、それだけは分からなかった。


私たちがいた部屋のほとんど全体を覆うような巨大な視界窓を通して、私は地上から離れていく様子を見た。

そしてさらに、別の船が近づいてくるのも見た。


ショロス。

それは船には見えなかった。

しかも途方もなく巨大だった。

比べる基準など、私には何一つなかったけれど。


リルスが着陸した格納庫には、アカデミー全体とそのすべての船を入れてしまえるほどの広さがあっただろう。

あまりの大きさに、そこにいるクセラントたちまで小さく見えた。


彼らは私のほとんど倍の背丈があり、緑がかった厚い皮膚と太い首を持っていた。

ただその存在そのものが私を圧倒した。

私は恐怖を感じた。

そして彼らは、それに気づいた。


そのうちの一人がやさしい笑みを浮かべて近づき、軽く身を折った。


「ようこそ、イェヴァ。私はキル」


「ありがとうございます」

私はできるだけ優雅に真似しながら答えた。


するとセクヴェンスは、まるで何のためらいもなく彼らのもとへ駆け寄り、抱きついた。

クセラントたちは、それを受けて明らかに喜んでいた。


私は微笑んだ。

彼らがユナイテッドに対してと同じように、差も階層もつけずに接しているのを見て、胸があたたかくなった。


「ミレナ、どうして彼らをここへ呼んだか分かるかい?」

キルが尋ねた。


「私がどうしてわざわざ地球へ来たと思うの?」

彼女は答えた。


「君の知性には驚かされる」


「その情熱は少し抑えて、キル。お世辞はいらないわ。私の思考は皆の思考よ。私をここへ連れてきてほしいと頼んだ日から、何が起こるかはもう分かっていたの」


「一人の望みは、皆の望みだ」

キルはミレナから目を離さずに言った。


私は彼らが何を話しているのか分からなかった。

でも、キルもまたミレナを愛しているのだと気づき、目を奪われた。

それは彼の目にあった。

その場にいたすべての者の目にもあった。


そしてその瞬間、私ははっきり理解した。

私もまた彼女を愛している。

激しく、情熱的に。


しかも、その愛、その欲望を他の者たちも分かち合っているのだと知ると、私は嫉妬した。


それはもう、ただの親愛ではなかった。

ただの愛でもなかった。


依存だった。


そして、それがたまらなく甘美だった。


一瞬、私は“情熱”という言葉の意味を考え直さなければならなかった。


セクヴェンスへの情熱は、理性を失うことではない。


それは純粋で強大な愛だった。

私たちを彼らに縛りつけ、それでも幸福にしてしまうほど強い愛。


やがてキルは私のほうを向いた。


「なぜ君がここにいるのか分かるかい、イェヴァ?」


「……いいえ」

私はまだ気丈に見せようとしながら答えた。


「さっき、カレルは君を自分のものとして望んでいると言った。セクヴェンスの望みはすべて尊重されなければならない」


「そこまで、あなたたちにも知られてるの?」

思わず口をついて出た。


彼らは笑った。

私はさらけ出されたような気がした。


「知られていて困る理由でもあるのかい?」

キルは真顔で尋ねた。


私は唾を飲み込んだ。

まるで彼らが私の中に入り込んでいるようだった。


「……ないわ」

私は認めた。

「あなたたちの世界では、情報が回るのがとても早いのね」


私は苛立っていた。

傷つきやすくもなっていた。

そのせいで、キルの言葉の重さに最初は気づけなかった。


彼はもう一度繰り返した。


「セクヴェンスの望みはすべて尊重されなければならない、イェヴァ」


私の身体は震え始めた。

自分が何を感じているのかさえまだ分からないのに、彼らは私をカレルの伴侶にしようとしていた。

それも、私自身がその気持ちを理解する前に。


「私はカレルの伴侶になる準備なんてできていない! まだほとんど彼のことを知らないし……それに彼には妻がいる! これは私が選ばなきゃいけないことなの。ただ受け入れるだけじゃなくて」


「君はセクヴェンスになる。そしてカレルとスザンヌは、君の伴侶になる」


「違う。そこを決めるのは私よ。私が決めなきゃいけないの……」


世界から音が消えた。


心臓が激しく脈打った。


意識が……途切れた。


すべてが暗くなった。


---


パート VI


気がつくと、私はミレナの伴侶であるエドゥアルドの腕の中にいた。

そこに全員がいると気づき、羞恥で頬が熱くなった。


やっと息が整うと、私は覚えていたたった一つのことをつぶやいた。


「カレルの伴侶? 私、自分が彼に何を感じてるのかさえまだ分からないのに……どうして結婚なんてできるの?」


まだ混乱したまま、私たちは話を続けるため別の部屋へ移動した。

でもその道すがら、私は起きていることすべてを頭の中で何度も繰り返していた。

そしてミレナの言葉を思い出した。


「“セクヴェンスになる”ってどういうこと? そんなの無理よ! どれだけ頑張っても、私はあなたたちみたいに結び合うことも、あなたたちが共有してるものを感じることもできない。私は……ただの愛玩動物みたいなものになるだけじゃない!」


私は真面目に言ったつもりだった。

けれど、クセラントたちがどっと笑い出したので、私もつられて笑ってしまった。


最初に呼吸を整えたのはキルだった。


「まだ気づいていないようだけど、私たちも皆、セクヴェンスの愛玩動物みたいなものだよ。彼らは私たちを自分たちの一部として見ている――そして実際、私たちは互いに属している。でも、セクヴェンスはその先まで行くんだ」


「それは分かってる」

私は不満げに言った。

「彼らは私たちを支配する。何をすべきかまで決める」


「身を任せてごらん、イェヴァ。そうすれば、求めていた以上のものが見つかる」

キルはそう言った。


あれほど強い存在の口から、そんなに深い言葉を聞くのは印象的だった。

私は流れに逆らってもがいているように感じていたのに、彼は力を抜き、信じ、流れに従えと言うのだ。


ミレナは頼んだりしなかった。

ただ、何が起こるかを宣言するだけだった。

もし抵抗を感じ取れば、微笑む。

そして、なぜかすべてがもう決まっているように思えてしまう。


彼女が私の肩に触れたとき、私は凍りついた。

その表情は、子どもの頃、母が私のために決断していたときの顔にそっくりだった。

なぜかも分からないうちに胸が締めつけられた。


離れようかと思った。

あの目は知っていた。

でも、どうして離れるのだろう?

彼らが私たちに最善を望んでいることは分かっている。

それでも、息苦しさが消えるわけではなかった。


私の一部は、彼女が口を開く前に拒絶したがっていた。

もう一つの部分は、次に何を聞かされるのか、すでに恐れていた。


すべての者に代わって答えたのは、ミレナだった。


「既知宇宙はユナイテッドを望んでいる。あなたとあなたの民は、DNAを書き換える過程を経て、セクヴェンスになる。アンテイアへ移り住み、そこで生き……私たちに属することになる」


「私たちもそれに同意している、ミレナ」

キルが言った。

「ユナイテッドは二年間、仮の村で暮らす。かつての人間的な感情が再編されるまでだ。彼らはあまりに多く、それがセクヴェンスの村に悪影響を及ぼす」


皆がそれに同意した。

何か単純なことを片づけているだけのように。


でも、私の意見を聞いた者は一人もいなかった。


彼らが私たちを救おうとしていることは分かっていた。

だからといって、私たちの代わりに決められる苦しさが消えるわけではなかった。

そこには配慮があった。

でも同時に、私の中で小さく縮こまるものもあった。


私はただ口を開いたまま、ユナイテッドの未来がまるで簡単なことのように決められていくのを聞いていた。


「私たちはひどく不安になるでしょう」

ミレナは少し心配そうに言った。

「それも問題になるわ」


「ミリアメデスたちは、すでに二万人をアンテイア植民地へ送るために募っているよ。君たちにはたくさんの腕とたくさんの愛が必要だからね。不安を和らげるために」

キルが付け加えた。


「簡単なことではないわ、ミレナ」

マレットが言った。

「何百万もの者が志願したがるでしょう。皆、セクヴェンスの近くで暮らしたがっているもの」


ミレナは感謝の笑みを見せた。

私は気づいた。

あらゆるものが、彼女の望みに従って曲がっていく。

彼女が頼みさえしなくても。


ほんの一瞬、私は怖くなった。

これほどの力を持つ者の前に立つことは……不穏だった。


「たぶん、私には選択肢なんてないのね」

私は小さくつぶやいた。

「それでも、何かが始まるときには、自分の民のそばにいたい」


「既知宇宙へようこそ」

キルは言った。


私たちは船を見て回った。

まるで宇宙都市そのものだった。


アンテイアまでの旅の間、私たちを収容するために用意されている別の巨大な格納庫も見せられた。

私は呆然としていた。

でも、幸せでもあった。


自分の民にとって最善なのは、これを受け入れることだと分かっていた。

拒めば、厳しい困難に直面することになる。

あるいは死ぬか。


それでも私はミレナに尋ねた。


「もしかしたら、私たちは行きたくないかもしれないって考えたことはあるの?」


「母親は、自分の子どもにとって何が最善かを知っているものよ」


彼女はあまりにも確信に満ちてそれを言った。

だから、守られていると感じずにはいられなかった。

それで恐れが消えたわけではない。

ただ、それを抱き続けることが難しくなっただけだった。


彼女は私たちを子どものように見ていた。

私はまだためらっていた。

でも、その目には私の抵抗を弱める安心があった。


そのとき、私はカレルを思い出した。

胃がきゅっと縮んだ。

ナターシャはすぐに気づいた。


「どうしたの?」


「私……カレルとスザンヌの伴侶になるの?」


「なるわ」


「……すごく、変に聞こえる」


「セクヴェンスになれば、もっとよく分かるようになるわ」

ナターシャはやさしく答えた。


私は深く息を吸い、胸の苦しさを押しとどめようとした。


もはや“選択”と呼べる道は残っていなかった。


そして彼らには、そのどれもが暴力には見えていなかった。


私の感情も、私の文化も……何ひとつ重要ではないように思えた。

抗議しようとしても、ミレナはただ微笑むだけだった。

その笑みは、私のすべての抵抗を溶かしてしまう。

心がまだ追いついていなくても、頭のほうが先に従ってしまうのだ。


もしかしたら、私は最初から選べなかったのかもしれない。

それでも、選べないことの痛みは、確かに私のものだった。


逃げ道のないまま、私はやっと形にできる質問をした。


「私は二年間、彼に会えないの?」


「ちゃんと会えるわ。みんなで一緒に暮らさないだけ。あなたはカレルと恋人でいられる」

ナターシャが言った。


「あなたたちって、恋人になるの?」

私は少し批判的に尋ねた。


彼女は肩をすくめた。


「もちろん。私たちは伴侶との恋を決してやめない。でも、あなたたちといると……これまで名前を知らなかった感情に出会うの」


彼女は目を伏せて、軽く笑った。


「“子どもっぽい”という言葉を使ったのは、“私たちには新しすぎる”と言いたかったから」


「子どもっぽい?」


「もっといい言葉が見つからないの」

彼女は少し考えた。

「もしかしたら……“無垢”かもしれない」


私にも、セクヴェンスを説明する言葉は見つからなかった。


彼らは無垢な子どもたちのようだった。


悪意はなく。


けれど、その内には深い智慧を抱えていた。

それは彼ら一人のものではなく……皆のものだった。


私の未来については……ただ待つしかなかった。


---


パート VII


砦へ戻ると、メリッサとサーシャがいた。

私がこんな結婚の話に巻き込まれたのは、かなりの部分、この二人のせいだった。

もし私がカレルに“あなたが欲しい”なんて言わなければ、まだ自分の未来を選べていたかもしれない。


一人はミレナの娘で、もう一人はナターシャの娘。

本気で二人のお尻を叩いてやりたい気分だった。


深く息を吸い込むと、二人はもう笑い始めていた。


「私の天使、あなたは伴侶なしにセクヴェンスにはなれないの。死んでしまうわ」

メリッサは、私が何を考えているのかを正確に言い当てながら、そう言った。


「あなたが気にしているのは、セクヴェンスになることより、カレルの伴侶になることのほうでしょう」

サーシャが言った。

「私たちの一人になることは、あなたに起こりうる最高のことよ」


「そこまでは考えてなかった……」

私はため息をついた。

「分かってるのは、自由に目覚めたのに、眠るころには縛られてるってことだけ」


「永遠に、私の愛に縛られてね」


カレルが不意に後ろから現れ、私を抱きしめた。

驚いてもよかったはずなのに、感じたのは安堵だった。


「永遠なんて、長すぎるわ」

私はぶつぶつ言った。


彼は私の耳のすぐ下の首筋にキスをした。

それだけで私の身体は一瞬で反応した。

目を閉じたままため息が漏れた。


息を整えて目を開けると、メリッサとサーシャがいつものいたずらっぽい笑みで私を見ていた。


「二人とも、やることないの?」

私は文句を言った。


二人は笑いながら走り去っていった。

ミレナなら、きっと“可愛い子たち”って言うんだろうなと思った。


私はカレルと二人きりになった。


「あなたに怒っていなきゃいけないはずなのに。あなたたち全員に。でも……できないの。ただ、自分があなたの妻になって、それから……スザンヌにとって何になるのか分からないだけ。いつから知っていたの?」


「君が初めて僕たちと過ごした夜からだよ。メリッサが、君が僕を好きだと気づいていた」


「私にもう誰もいないから、一緒にいてくれるだけなの?」


「違う。君を愛しているから一緒にいるんだ」

彼ははっきりと答えた。

「セクヴェンスの心は違う仕組みで動いている。僕たちはもう互いに愛し合っている。証明なんて必要ない……もちろん、証明があるならそれはそれで素晴らしいけれど。君が僕を欲していると気づいたその瞬間に、僕の心は君のものになった。たとえ君が抗っても、疑っても……君がセクヴェンスになれば、僕の腕の中にいる。今の君に残されている唯一の選択は、この愛を楽しむことだけだ。そしてもっと面白いのは、それを二つの形で生きられることだよ。人間として、そしてセクヴェンスとして」


彼はまた、私に選択肢などないのだと確認した。

それが腹立たしかった。


言い返したかった。

でも、同時に彼にキスしたかった。


そして私は、キスをした。


セクヴェンスにキスすることは、まるで鎮静剤を飲むみたいだった。

禁じられていて、そして素晴らしかった。


ようやくまた口を開いたとき、私は言った。


「でも、スザンヌは? 何度説明されても、やっぱり変に感じるの」


カレルは何かを探しに行き、戻ってくると粘土を持っていた。

彼は二つの小さな人形を作った。

それぞれ違う色で。


「これが、君の見ているカレル。そして、これが君の見ているスザンヌ」


彼はその二つをくっつけ、一つにした。


「これが、君が愛している存在だ。僕はスザンヌなしには存在しない。彼女は僕の一部なんだ。ほら、見てごらん。今、この人形には二つの色がある。僕たちはひとつなんだ」


それから彼は三つ目の人形を作った。

それが私だと言って。

そして最初の人形にそれをつなげ、三色の一つの形を作り上げた。


「これが、これから現れる存在だ。愛においてもっと大きく、そしてずっと美しい。そしてもう、この色を分けることはできない」


「もし私が死んだら……あなたたちも死ぬの?」

私は震える声で尋ねた。


「そうだよ。でも心配しなくていい。僕たちの一人に何かあっても、残りは新しい身体が作られるまで停止状態に置かれ、そのあと記憶が戻される」


「ビアンカが、ユニオンがどれほど偉大なものか教えてくれた。あなたたちはほとんど不死みたいなもの。でも、私を伴侶として受け入れるということは……私のために命まで差し出すつもりなんだよね」


「僕たちは君を愛している」

カレルは、強さとやさしさの両方を込めて言った。


その言葉で、私の目は涙でいっぱいになった。

キルの言うとおりだった。

彼らの愛が肌に触れるとき、身を任せることは難しくなかった。

涙を止められなかった。


「私、すごくちっぽけに感じる……あなたたちは、想像もできない人生を私に差し出してくれているのに……私は、私を殺そうとする文化の中に縛られたまま。カレル……ごめんなさい。そして、私をあなたの伴侶として受け入れて」


彼は言葉では答えなかった。

ただ私にキスをした。

欲望をこめて、確信をこめて、熱をこめて。


「今はまだ何もかも理解できないかもしれない……でも、あなたたちのようになる前に、私なりのやり方であなたたちを愛することを学びたいの」


身体の内側は燃えるように熱かった。

それでも私は、現実の地面に足をつけていようとした。

彼はもう、私を伴侶だと思っていたのだから。


私は深く息を吸い込み、自分の中で渦巻く雪崩のような感情を整理しようとした。


愛が多すぎた。

早すぎた。

その真ん中で、自分がどこにいるのか見つけなければならなかった。


手をつないだまま、まだ緊張しながら、私はスザンヌを探しに行った。

彼女を見つけると、私はためらわずに進み出てキスをした。

カレルにするのと同じように。

恥ずかしさを無視するように。


彼女のキスは私を落ち着かせ、胸の中の混沌を少しやわらげた。

そのあとすぐ、二人は私を抱きしめ、これから先、私たちの人生がどうなるのかを語ってくれた。


---


パート VIII


私は自分の伴侶たちと過ごす時間を楽しんでいた。

そう認めるのは、まだどこか妙だったけれど。

そこへサーシャが弾んだ声でやって来た。


「みんな、いい知らせよ! イェヴァは仮の村には行かないわ。私たちと一緒に、セクヴェンスの村で暮らすの」


「他の人たちは? 誰が彼らを導くの?」

私は不安になって尋ねた。


「ママ・ミレナよ」

サーシャは、まるでそれが当然のことのように答えた。


「心配しないで、イェヴァ」

スザンヌが説明した。

「彼らが見放されることはないわ。あなたが私たちと一緒に暮らせば、順応もずっと楽になるし、その過程でユナイテッドを導く役にもなれる」


ほんの数時間前まで、私はまだ自由だった。

そして自分の民の指導者でもあった。


今の私はもう、誰の指導者でもなかった。

二人の人の愛に捕らえられていた。


けれど、少し考えてみれば――


私はそもそも、指導者になりたかったわけではない。

そんな肩書をどう扱えばいいのかさえ分からなかった。


それに、私はずっと本当の愛を夢見ていた。

限りなく私を望んでくれる誰かを。


私はそのすべてを手に入れたのだ。


想像していたのとまったく同じ形ではなかったけれど。

それでも、手に入れていた。


セクヴェンスと一緒にいられると知って、私はほっとした。

同時に怖くもなった。

明日、自分が何者になっているのか、まだ分からなかったから。


指導者であることの重みは、あまりにも大きすぎた。


ここでは、私は愛する自由がある。

そして愛される自由も。


でも、私の中のどこかは、まだ消えないように必死に踏ん張っていた。


そんな思いに沈んでいると、ビアンカとナターシャがナツの妻アナのほうへ近づいていくのが見えた。


「イェヴァ、リシアの赤ちゃんが生まれたの。元気な男の子だけど、泣くのよ」

ビアンカが言った。


「泣くに決まってるじゃない!」

私は答えた。

「セクヴェンスの赤ちゃんは泣かないの?」


二人は首を横に振った。

けれど、それについてもっと聞く暇はなかった。

ミレナがユナイテッドを集めてほしいと言い、そのあいだにナツとグレイが私のほうへ来た。


「どうしたんだ、イェヴァ? セクヴェンスたちは発つのか?」

グレイが尋ねた。


「そう。発つわ」


「それは残念だ。俺は好きだったのに」

ナツが言った。


私は腕を組んだ。


「どれくらい好きなの?」


彼は恥じる様子もなく笑った。


「すごく寂しくなるよ……特に女の子たちのキスがな」


「ナツ!?」


「でも本当のことだろ」

グレイも同意した。

「彼らはあまりに幸せそうで、こっちまで伝染するんだ。それに……お前がカレルにしがみついてたのも見た。あれは友情のキスじゃなかった」


「恋人同士のキスだったな」

ナツが付け加えた。

「イェヴァ、お前どうかしたのか? あいつには妻がいるし、もう行っちまうんだぞ!」


「彼の妻は知ってるわ」

私はきっぱりと答えた。

「それに、私が二人の伴侶になることを望んでる。セクヴェンスは去る。でも……私たちも一緒に連れていかれるのよ」


「なんだって!?」

二人は同時に叫んだ。


「しーっ! みんなを集めて。私がいい知らせを伝えるから」


「俺たちも一緒に暮らすのか?」

グレイが呆然として尋ねた。


「それ以上よ。私たちはセクヴェンスになるの。何千年も生きる。想像もできなかった深さで愛を知ることになる。何十億にも愛されて、私たちも何十億を愛することになる。でも……人生はひっくり返るわ」


「全部それって、お前がカレルに夢中になったからか?」

ナツがからかった。


「違うわよ! 彼らが私たちを連れて行くって決めたの。私たちが望むかどうかなんて聞いてもいない。選択肢なんてないの」


ナツは深く息を吸い、こう言った。


「もともと俺たちに選択はなかったさ、イェヴァ……でも、別の種になるなんて? 自分があいつらの中に消えていくなんて、まだ覚悟できない。もし誰かが望まなかったらどうなるんだ? “嫌だ”って言った奴はどうなる?」


私は皆に話した。


ある者たちは、セクヴェンスを崇拝するような目で見ていた。

そして別の者たちは、恐れていた。


あの圧倒的な愛に対する心の準備ができていない者もいた。


それでも、私たちはセクヴェンスを愛していた。


彼らを愛さずにいることなんて、どうしてできるだろう?


その夜、部屋へ戻ったとき、私はいつものようにミレナを探しはしなかった。


カレルとスザンヌを探した。


そして二人のあいだに身を横たえた。


他の者たちのいたずらっぽい視線を浴びながら。


これほど多くの変化に囲まれていても……私は微笑んだまま眠りについた。


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