死人に口なし
「え?そんなことで俺昔から侵入されてたの?あの人普通に俺の家で飯食ってたことすらあるんだぞ?」
「わしの山小屋で食ってた時もあったが『ここ寂しくない?』って言われてから飯食ってることなくなったな。基本用事がある時にしかこなくなったぞ」
「わたしのとこにも来た事あったけど『女中さん達が世話を焼くのが居心地悪い』って言って用事がある時だけ来るようになったわね」
「あれ?俺のとこには死ぬ2日前まで普通に来てたぞ?飯食いに・・・綾ちゃんが、あ、俺の孫な?綾ちゃんが「いつも左之助お爺ちゃん来るのに今日は来ないね?お爺ちゃん見てきてあげてよ。」って言われて渋々見に行ったの覚えてるわ」
「よく覚えているわね・・・。そっか、あなた、孫娘に溺愛だったものね・・・」
「俺だけがお爺ちゃんなのにあの人までお爺ちゃん呼ばわりだぞ?血の涙が流れる思いだったわ!隠居して田舎にいたのに二日置きに俺んちで飯食ってたんだぞ?俺の家の事俺より知ってるし、俺以外皆受け入れてるし、何か言ったら俺が悪者だぜ?まじで嫌だったわ」
「あなたへの揶揄い半分とあなたの家居心地よかったんじゃない?」
「そこには気がついていたが綾ちゃんに最初に『じいじ』と呼ばれたことは許せん!」
「はぁ・・・もしかしてあんたそれであの時里に討ち入りに行ったのね・・・あの時私達も出動させられて迷惑だったのよ?あんたが動いた時政府は戦々恐々だったのよ?孫が出来てお祝いしたと思ったら半年後に急に忍びの里を襲撃、みんながみんな意味不明だったわよ。本当にあんた下らない事で世の中乱すわね・・・」
俺は二人に呆れた目で見られ居心地が悪くなってしまった。
「ほ、ほらもうその話は済んだことだし置いておいて装備取りに行こうぜ!」
ちょうどメモで示された建物に着いた藪蛇を突いた俺は話を反らした。
「ふぅ・・・後でお説教ね?」
瑠璃がそう言って建物に入っていく。
「馬鹿だな諦めろ」
赤鬼もそう言って入って行った。
「なんで死んでからバレるのだろうか・・・死人に口なし、墓まで持って行ったつもりでいたのに・・・これも死んだ奴らが化けて出たせいだ・・・」
俺はブツブツと怨念を込め呪詛を吐きながら建物に入っていった。
「お待ちしておりました。飛鳥様、左之助様より以来がありまして、ご用意させて頂きました品々にございます。一応確認のため冒険者証の提示をお願いいたします。」
建物に入りすぐフードを被った顔が見えない人に声を掛けられた。
俺達はそれぞれ冒険者証を提示した。




