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老人の異世界散歩  作者: 浦見 比呂
戦争準備編
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違いを考察

「密偵からの情報があるまでにある程度の事は決めるで。大丈夫だろ?」


「今はそれぐらいしかできなさそうですね。私達は当初の予定通りこれから少し会議をしてきます。」

ガイナスがこの街の重鎮達に目配せをし、三人は頷いき、四人は部屋を出て行った。


ガイナス達が部屋を出て行ってから


「そういえばお前等に渡すものがある」

婆が思い出したかのように一冊の本を取り出した。


「そいつは40年前の勇者が持っていた教科書だ。当時私はこちらに来たばかりで街を探して歩いてたら住民を襲っていた奴等の鞄から出てきたものだ。読んでみろ。私達が知っている歴史とここまではある程度似通っていたがここから大分違っていて面白いぞ。」

そう言いながら婆は俺達に開かれた本を差し出した。


俺達は歴史の教科書で要所要所の歴史の流れを見ていった。


「侍とか忍者とか日本の武人はいたっぽいが・・・」


「なんでしょう・・・?これじゃない感が強いですね・・・?」


「わしの好きな武将が弱いんだが・・・」


「「「織田信長って誰?」」」


「その人物は私達の世界じゃいなかった。それか偉人に名を連ねるほどの物ではなかったかだな。」

婆は俺達の疑問に答えた。


「私達の知る日本は競争に闘争に戦争に明け暮れた歴史を持つ世界でも稀にみる修羅の国の異名を持つ鬼の国だ。織田という人物がある程度の秩序を作ったことにより、この先発展した戦闘技術が消滅している。武将が政治をし統治し外交を行う世界になってしまったみたいだな。しかも、ここで鉄砲が入って来たことにより鬼人が現れなくなってしまった。」


「武人が鬼人に成り、鬼人が修羅に至りて戦神崇め奉る・・・」

代々戦神の巫女を受け持つ瑠璃が呟く。


「勇者の世界は如月家がなかったことも大きいのだろう。『気』を使えない武将ばかりしかいなかったようだ。世界史の方は近代までさほど違いはなかっただろうから・・・」


「鉄砲が伝来してきたことにより、楽を覚えた日本人は西洋と同じように幻想を失ったか」

俺は予想をした。


「だな。仮定や想定は幻想の発現を著しく無くす。無骨に最強を目指す一握りの天才をその後の世界は殺した。武を極める人類が現れなくなって技術が途絶えた。」


「中国の武連は?あいつらは現代までいたんじゃないのか?」


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