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老人の異世界散歩  作者: 浦見 比呂
過去編 
82/157

英雄


「あぁ~・・・言えるようになったら教える」


俺達はそれから三人で話し、反省し、決意を新たにした。自分の話を二人に聞かせ相談し修正した。他の二人も同じことを行い、俺達は互いの理解が深まった。それから訓練を終えるまでいつも通りにボロボロにされながら訓練に励んだ。


「これで私の訓練は終了になります。よく生き残りました。これからの事は明日隊長から話がありますので朝食を食べた後呼びに行きますので食堂で待っててください」

鴉さんはそう言って半年とちょっとに及ぶ訓練は終了した。


翌日連絡されていた通りあの女の部屋に来ていた。


「お前等少しはまともになったようだな。鴉よくやってくれた。」


「いえいえ。この子達以外に使えました」


「だから言ったろう?私が目を付けたと。」


「そうですね。それぞれがある種の天才だと思いますよ。この歳で皆武人に半歩足を踏み入れましたから」


「ほう?それは予想外だったな。成るとは思ってたが半年でそこまでいく奴が三人か・・・これは面白くなってきた!」


「よくこんな原石見つけましたね?相変わらずの勘の鋭さに感服しますよ」


「カッカッカッ。自分でも中々と自負している勘だからな!そうだな・・・。お前達三人の任務だが・・・」


俺達はこうして軍の部隊での任務を熟し、階級も上がっていった。いつしか俺達は敵対者からは『百鬼の首領、女郎蜘蛛』『霧の悪夢』『皆殺しの妖怪』『振袖の夜叉姫』『血濡れの鬼』と呼ばれ、味方からは『百手の観音』『最後の忍者』『明王』『胡蝶蘭』『赤鬼』と呼ばれた。

俺達は功績を上げ続けた結果、直に総帥から免状を頂き俺達の罪もなくなった。

俺の罪は元から仇討が原因だからそこまでの罪では無かったらしいのだが、それを知らなかった当時の俺はやはり未熟だったと言える。

瑠璃も伝統を軽んじて権力に胡坐を掻き腐敗し堕落した者への粛清で罪はほぼなかった。

問題は膳であった。ただ、噂は真っ赤な嘘だったようで人は食べていなかったらしい。膳が捕まえられた後、事情聴取の後、山の頂上にある石が積まれた物は墓で、その下からは骨が大量に埋められていたそうだ。

聴取で膳が語ったことは「村での狩りは避けるよう村長に教えられていた。森では弱肉強食に習い、物、命を狙う者すべて狩った。そうマタギの爺さんに教わったからだ。わしはそれしか知らない。だから森の中で襲われたから狩っただけだ。人間を喰う?いくら腹が減っていても喰うわけがない。マタギの爺さんが供養していたのを見たことがあるからそれに習い頂上に埋めた」とのことだった。調べた結果、なまじ力と才能を持った子供が「村で狩りをするな」「森ではやられたら命を取れ」の二つしか教えられてない状況があれだけの騒動に発展したものとわかった。これにより食人の疑惑も解け、教育をされなかった子供の末路だと理解され、功績により罪は無しにされた。


こうして俺達は凶悪殺人者から英雄になった。


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