俺達は雑魚
「人は孤独です。
自分の頂きを他者に委ねた時点で終着点です。
歩みを止めてしまわない限り無間地獄でもあります。
あなた達は自分で考え行動した結果、現状ただの犯罪者でしかありません。
軍では隊長が保護者になっています。能力が高いだけの君達は今守られているだけのただの我儘な子供です。自分自身の事を高く評価しすぎている、そのことを自覚なさい。
それを自覚できたのなら、人を守り、慈しみ、愛すことのできる『人間』に戻れます。
・・・嫌ですね。説教になってしまいました。私は少し頭を冷やします。今日はここまでにしますね。この後自由にして結構です。では解散」
そう言って鴉さんは訓練場から出て行った。
俺達三人はそれぞれ少し思うところがあったのだろう訓練所に残ったまま座っていた。
「なぁ。俺達雑魚だったんだな?」
「そうみたいね・・・。あの人・・・鴉さんにも三人で一撃も与えられませんしね?」
「わし等は守られていたんじゃな・・・。それすらもわしは気がつかなかったわい・・・」
正直俺達は強いからあの女に部隊に入れられたと思っていた。ただ、この訓練を半年近く受けていて疑問に思っていたのも事実だった。あの隊長の女にもその部下のあの男にすら攻撃が与えられない現状に。
ただ、俺はそのことを認めることはしなかった。だが、親の話を聞き、受け入れてしまった。自分が驕り高ぶった屑共と同じように雑魚だったと・・・。
「わたしは正直自分が強い自覚をしていたわ。実際本家では最強でしたしね」
「わしも村では一番だった」
「それは俺もだな、一族を殺した屑共に復讐できたし」
「言われて初めて気がついたよ。守られて生かされている現状に。ただただ、不信と理不尽しか感じてなかったが、俺達はただの犯罪者だったな。隊長のあの女に生かされてる実感なんてなかった。生かされた結果、俺は百目鬼に成れたか・・・」
「それはわたしもですよ。舞を侮辱され、穢されている現状に嫌気がさし自分で昇華させようとしましたが、結果普通でしたら潰えてましたね・・・」
「わしも結局討伐されて終わりのところを故郷に伝わる昔話の末裔と知れたし、世間の常識も知れた。あのまま何も知らずに教えられずただ死ぬ未来しかなかったわけだしな・・・」
「俺達は餓鬼だな・・・嫌なほど餓鬼だな・・・確かに自分のケツも拭けねぇただの餓鬼だなぁ・・・軍に入る前におかあに言われたことが少し分かった気するな・・・」
「嫌になりますね。信念が揺らいでいた自覚をするというものは・・・」
「わしは人間ですらなかったようだがな・・・」
「そういえばお前あの一か月何してたんだ?鴉さんに連れ攫われた時」




