一族の力
膳の家系も一応は由緒正しいものがあってね?没落自体は300年以上前なんだけど、当時の幕府に逆らって没落した平安時代に山の鬼を殺して鬼の首を持って下山したとされている鬼頭っていう武家を祖先に持つ子孫だ。あの一体はその当時の名残で地名が鬼頭って言うんだ。」
俺と膳は自分も知らないことを聞かされ驚いた。
「そして、僕の家と百目鬼家は元々付き合いがそれなりにあったんだ。だから、百目鬼家の奥義を知ってるってわけさ」
「あの里にも来てたのか?」
「うちの家の者が行っていたよ。ただ、あの事件の時はうちの家の者は皆出張っていてね。知ったのは随分後の事だった。」
「そうか・・・」
「ちょっと腹が立ったから残飯は残さず処理したよ」
「そ、そうか」
(まだ他にいたのか・・・)
「子供が調べられることなんてたかが知れてるよ。大丈夫ちゃんと全部終わらしたから。」
俺の顔を見て悟られたんだろう。
「一応礼を言っておく。ありがとう」
「やめてよね。さっきも言ったけどこっちもそれなりに腹が立ってやったことだから」
「わかった。でも、ありがとう」
俺は心の底から改めて礼を言った。
「うん。それでね、百目鬼の奥義の話だけど。どこからの攻撃でも感知できる。目の届かない後ろだろうが左右の攻撃でも感知できてしまう。近距離だろうが遠距離だろうが関係なく文字通りどこからでもね。当時の幕府の将軍から苗字を貰った際に百目鬼になったんだ。」
「そうか・・・これが俺の血・・・一族の力か・・・」
「言っておくけど君はまだ発現したばかりだからね?これでやっと初級の武人百目鬼を名乗れるようになっただけだ。さっきも言ったでしょ?基礎で奥義だと。これから極めなくてはいけないよ。一族を名乗るならね?歴代最弱と呼ばれた君のお父上ですら20m以上は感知出来ていたからね」
「あの卑屈なおとうがか・・・俺は本当にただの一歩踏み込んだだけなんだな・・・」
「自分の弱さを理解できる機会を幸運に思いなさい。人間誰しも驕り高ぶります。ですが、そこが終着点なのか出発点なのか中継点なのかすべて決めるのは自分自身です。あなた達はどこまで行きますか?行けますか?あと少しで私の基礎訓練は終わりになります。そのことを深く考える最後の機会でもあります。任務が始まれば忙しいですからね。」




