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老人の異世界散歩  作者: 浦見 比呂
過去編 
72/157

弾蔵の過去

俺は捕まった。もう牢屋に入れられてから10日ほど経つだろうか。どうせ打ち首なのだから正直さっさと殺せと思っている。

(悔いはない、あの屑共を皆殺しにできた。仇も取れた・・・満足だ。)

牢屋の中で毎日思っていたことだ。


そうこうしていると俺の牢屋の前で数人の足が止まった。


「こいつか?」「はい」


「出せ」「はっ!」

そのような会話が外からする。

俺は牢屋の外に出され、小さな小部屋に連れていかれた。

小部屋には机とイス2席がある部屋だった。

俺は一つの椅子に縄で縛られ拘束された。

後ろに二人、机の左右に二人憲兵が待機し、机を挟んで正面に女が座った。


その女は座りながら声を発した。

「罪状を読み上げよ」


「はっ!この者は高位の子息、子弟及び当主その他関係者 計33名を虐殺した大量殺人犯です!」


「わかった。お前等は外に出ておけ」


「はっ!ですが・・・わかりましたっ!」

そこで女に睨まれた憲兵は了承し、4人の憲兵は女に敬礼をして出て行った。


「調書を見たが、お前はこれだけの人数を本当に一人で殺したのか?」

女は俺を見てそう聞いてきた。


「そうだ、何度もそう言っている。」


「元服にもなってないガキがか?」


「だからそう言っている」

もう何十回も聞かれた言葉を聞かれ、この後もまた同じだろうと思った。


「カッカッカッ、そうかそうか。そいつは良い。」

だが違った。女は心底楽しそうに笑った。


「小童。お前は私が貰うことにする。ここから出るぞ。」

次に女から出た言葉は意味がわからなかった。


俺はこいつの男娼にでもなるのかと思った。これでも武人の端くれだ。この時点で舌でも噛んで死のうかと思ったが、何となくこの女が気になったのでとりあえずついていくことにした。




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