サイド 帝国 3
それを見た皇帝は手を振り一言。
「やれ」
土下座していた二人の横にいた近衛兵はすぐさま首を切った。
「この首と金を持って王国に行け。それで何とかしろ」
「それでしたらわたくしが直接事情を話に行って来ます。」
「わかった。リングス公爵に今回の件を任せる。」
明らかに尻尾きりであったが、皇帝の一存で帝国議会は早々と終わってしまった。40年前の戦争以降帝国内部は強硬派と穏健派に分かれ政治的に争ってきた。
「ふぅ。王国は今帝国を警戒しているでしょうね・・・。仕方がない事ではあるけどわたくし達の努力が崩れ去りましたわね・・・。とりあえずうまく将軍に会えれば良いのだけれど。」
そう呟きつつ帝都から自領まで馬車で帰っていく。
その頃帝都の城の一室では4人の男が集まり話し合いが行われていた。
「陛下この先リングス公爵は邪魔かと、まだ今は帝国に忠誠を誓ってはおりますが、やはり事故を起こされた方がよろしいかと存じ上げます。」
「そうよな、あそこの一族は先の戦争からどうも王国に靡いてしまった。今代のリングス公爵ではと見てきたが確かに邪魔だな。だが王国内で熟せよ?失敗は許さぬ。」
「承知しております。では私は準備のため失礼いたします。」
一人の男が部屋から出て行った。
「陛下、此度はすみませんでした。」
「実験の成果は上々なのであろう?ならばそれで良い。」
「はっ!誠にありがとうございます。ただ、今回の被害で王国側の防衛及び都市機能が麻痺してしまいました。」
「それを成したのが帝国の裏部隊出身の者だったのだろう?」
「そうです、奴は確かに強かったですが、個人で都市を落とせるほどの強さはありませんでした。」
「ふむ。王国が何かやったのは確実だが罪には問えんな。」
「帝国国民が帝国国内で暴れただけですから。」
「考えても仕方あるまい。早急に辺境の城塞都市を復活させる必要がある。動け。」
「「はっ」」
こうして皇帝と男3人の秘密裏に行われた会合は終わりを告げた。
男たちのいなくなった部屋で皇帝は一人窓の外を眺めていた。
「帝国1000年の悲願はもうすぐだ」
その部屋の城の窓から見える帝都を見ながらそう呟いた。




