男のあれ
「思い出したくない過去なのだがな、確かに当時あのまま成長していたならわしは野人化していただろうしな」
赤鬼は遠い目をして思い出しているのだろう、少将に連れ去られ1ヵ月間の地獄を。
赤鬼はレンに近づき傍でしゃがんだ。
「レンと言ったか、お前強さがほしいか?」
レンは強面の山賊のような男に凄まれて少しビクッとしながら「うん」と言った。
「なぜだ?」
「みんなをまもるため」
「悪事に力を使ったらわしはお前を殺すぞ?それでも強さを求めるか?途中でやめることも許さない」
「どうすればいいのかわからない。つよいことをおしえてくれるならおれはがんばる」
「わかった。わしがお前を鍛えてやろう」
こうして俺は赤鬼に擦り付けることに成功した。
雰囲気が弛緩した瞬間。
俺の後ろと前から「「オギャアアアアアア!」」と泣きわめく声が辺りに響いた。
声を聞きつけたのかルリは家の中から外を覗いた。
「買い物から帰ってきた子達に聞いたら庭にいるって聞いて来てみたら何してるのよ。必要な材料が揃ったしあとちょっとでご飯よ?手洗って中に来なさいな」
「お、おぅ。気分転換に外に出てたんだ。すぐ行くわ。ほらお前等行くぞ」
レンは少し足早に一足先に建物に入っていった。
それを見た瑠璃が少し残念そうな表情で言った。
「あの事があってから少し避けられてるのよね。覚悟していたのだけれどちょっとショックだわ」
「だ、大丈夫だ。今そのことで少し話したんだが、避けているわけではなさそうだったぞ?あれだ、男にしかわからない感じのあれだ。」
「あのくだらない見栄とか意地ってこと?昔からよく言ってたけど男って馬鹿よね」
呆れたような顔でそう呟いた。
「男はそうやって間違えたり堪えて大きくなるもんなんだよ。馬鹿だからな。」
瑠璃はそれを聞いて俺と赤鬼を見て溜息を吐いた。
「はぁ・・・。馬鹿だものね」
「ちょっと待て弾蔵と一緒にするな。こいつの行動と言動のありえなさを知っているだろう?」




