マジ切れ
ところ変わって
俺達は治安部隊が数人を残して瑠璃が襲撃した商店に向かうのを見届けた後、残った衛兵達に後を頼みある所へ向かう。
「あら、やっぱりトニーさんだったのね」
瑠璃は薄く笑いながら言葉を発した。
俺と赤鬼が庭で倒れていた男の子達を治療している時に馬車三台と共に部下数人を引き連れて孤児院にやってきた人物だ。孤児院に食料を格安で卸していて、孤児院の子達が飢えなく済むように孤児院の「食」のすべてを任されていた。子供達は全幅の信頼をおいている人物であるらしい。今は拘束されてガクガク震えながら太った体を震わせている。
「ル、ルリちゃん何の冗談だい?この二人に拘束させて閉じ込めて。私に何の用があるんだい?」
「トニーさんに報告と確認があるのだけれど聞いてくださる?ジラス商会は潰したわ。そして、今回の件での帝国側の関係者はもうあなただけなのよ。わかるかしら?」
トニーというおっさんは汗をだらだら流して顔の色が悪い。
ルリはそのまま言葉を言い続ける。
「それでね。確認なのだけれども。食料に何を混ぜていたのかしら?」
無表情で目のハイライトが消えて首を傾げた姿を見た俺と赤鬼は内心焦った。そして、俺は心の中で(吐けっ!今すぐ吐けっ!)トニーを叱咤した。
「な、何のことだかわからないよ」
「確認だと申し上げたでしょ?存じておりますの。名称を答えて頂けますか?」
「食料に嵩増しの混ぜ物なんてどこでもやっている事じゃないか」
「名称を教えて頂けますか?」「・・・」
「そう残念ですね・・・もう結構です。」
俺と赤鬼はそれを聞いてあちゃ〜と額に手を置いた。
瑠璃は俺と赤鬼を見て言った。
「少し外に出てて頂きます?」
俺達は首を縦に振って外に出た。
「マジ切れだわ」「あの時以来か」
俺達でも1度しか出会ったことのない通称黒瑠璃である。
「帝国終わるかもな」「どこまで知っているかで変わるがな」
俺達はそんなことを話しながら30分ほど外で時間を潰した。
そうこうしているとドアが開き瑠璃が出てきた。
「さて行きましょうか」
瑠璃はその一言を俺達にかけ歩き出した。俺達もそれに続いて歩いて行く。




