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老人の異世界散歩  作者: 浦見 比呂
戦争勃発編
131/157

リットル聖教聖戦軍 5

階段を急いで皆が駆け上がる。その時、窓から見えた景色に驚いて数人が立ち止まった。

「急いでくだされ!」そう兵士から声を掛けられハッとした後また急ぎまた駆け上がった。


3階の会議室には今日の朝到着した今回の戦争の指揮官達が勢揃いしていた。


「1階に侵入した魔物を撃退しました。指示通り勇者様方をお連れしました。私は指示があったように殲滅部隊に参加致します。失礼致します」

兵士は慌ただしくそれだけ言って答えを聞かずに急いで部屋を出て行った。


僕達が戸惑っていると帝国の将軍が声をかけてきた。

「すまない、何分急な襲撃でな。時間もない。手短に言う。現在、南門が突破され魔物が数多く都市内に入り込んでおる。至急、事態を安定させるために今すぐ装備を取りに戻って魔物の殲滅を頼みたい。そこの者達に先行させる故、至急動いてくれ」


「わ、わかりました。それでは僕達勇者組はすぐに動けばよろしいですね?」


「あぁ、頼む。おい!勇者様方を頼むぞ!」「「「「「はっ!」」」」」


部屋を出ると時に会議室にいる面々を流し見た。その顔は絶望を宿した暗い顔をしていた。


先頭の兵士達に続いて屋敷の中を走りながらついていく。

先程の上層部の顔色が頭の中で浮かぶ。

(相当拙い状況のようだな・・・状況説明すらされない状況とはな・・・)

「皆走りながら聞いてくれ。非常にまずい状況のようだ。屋敷を出て何を見ても足を止めるな。俺達は今自分達の装備を着けていない。1秒でも早く装備を取りに行き戦力を十分に確保してから戦う方が助かる人々が多いと考えて行動をしよう。・・・たぶん、屋敷を出たら悲惨な光景を目の当たりにするだろう。だが、行くな。今は堪えて戻る。その覚悟を今この瞬間にしないと迷うぞ。迷うと死ぬぞ」


クラスメイト達からは息を飲む音、顔色を悪くする者、頷く者それぞれ別れたが、ある程度は理解した模様だ。先行する兵士達もこちらを見て頷いていた。予想は当たっていたようだ。


そんなことを思っていると屋敷の出入口が見えて来た。そのまますぐに屋敷を飛び出した僕達の目にはそこら中で人を襲っている魔物達であった。さすがの光景に僕自身も少し走る速度が落ちてしまった。ハッとなってすぐにスピードを戻す。

「速度を落とすな!駆け抜けるぞ!」

自分にも発破をかけるように声を上げた。クラスメイト達は皆正気に戻りすぐに駆けだした。自分達の滞在場所まで走って5分ほどだろうか。急いで駆ける。


僕らを見つけた人々が僕らに助けを求める。「勇者様!助けてください!」そんな言葉が四方八方から投げかけられる。だが、俺達が今装備しているのは一般兵用のアイアンソードのみ、このような状況ではミイラ取りがミイラになりかねない。幸いまだこの中央部分にはそれほど強い魔物は現れてない。今は堪えてほしいと心の中で願い僕達は駆ける。クラスメイトの中には泣きながら走っている者もいる。そうして、阿鼻叫喚の中、僕達は自分達の拠点に付きそれぞれ急いで装備を整えて拠点に広場に集まった。


「今から都市に侵入した魔物の殲滅に入る!それぞれいつものグループに別れ行動するように!急いで皆を助けるぞ!いくぞおおおおおお」


僕達はそれぞれ中央の広場から人々を助けていった。広場についた時には助けを呼んでいた住民達はすでに亡くなっていた。


「くそぉ!魔物共め!殲滅してやる!」

誰かがそう言った。それを聞いた僕達は皆魔物に憎しみを持って暴れに暴れた。広場からそれぞれ道を別れてその道中の魔物を殺しながら南へと進む。


ある程度進んだ時であった。目の前にサッカーボールほどのナニカが転がってきた。

僕はそれを見て思わず「へ?」と声が漏れた。


「あれ?どういうこと?」

僕はソレを理解できなかった。

ソレが飛んできた方向を見ると1匹のゴブリンが『ゲギャギャギャギャ』とこっちに指をさしながら汚い笑い声を上げていた。


「これは何だ?冗談か?」

僕は頭が真っ白になっておりそんな言葉が出た。

ゴブリンの指をさしていない方の手には見たことがあるクラスメイトの顔が並んでいた。


「ハハハハ・・・。僕達は勇者だろう?何でそこに君達がいるんだ・・・。そんな姿は駄目だろう・・・何かの冗談だろう?」

僕は今までどこかゲーム感覚でいたんだろう。実際にクラスメイトが目に見える形で死んでいる姿を見て何も考えられず、何も動けず、思考を放棄していた。

棒立ちになっていた僕にゴブリンは目に見えない速さで近づき、何をされたのかもわからず僕は暗闇に落ちていった。


『グギャグギャグギャ』

7体目の首を手に入れたゴブリンチャンピオンはそれは嬉しそうにその場で小躍りを披露していた。


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