ルーデクルという街
俺達がルーデリアに戻ってきてから半年ほど経った頃ついにオルド王国にリットル聖教聖戦軍からの宣戦布告が発令された。
リットル聖教聖戦軍からオルド王国へ武装解除及び領土接収が条件と帝国の属国になれと事実上の無条件降伏により命までは取らないとの書類を持った使者が王城へとやってきて「これに署名せよ!」と宣った。
一帝国貴族でしかない者が王族を前に命令したのだ。
これには普段温厚な王国貴族達が激高した。そこに王国将軍として謁見の場にいた飛鳥が即斬首。その首を送り返し返礼としたことにより戦争は確実の物となった。
「何しにきたのかよくわからん使者だったわ。あれではただの自殺だ。」
これは飛鳥に呼び出された時の言葉だった。
戦争まで後10日ほど前のルーデルクで俺達はギルド長室でのんびりしていた。
「もうすぐ戦争だよな?」「そうね」「そうだな」
「この街おかしくね?」「「・・・」」
「普通過ぎるよな?」「ええ」「うむ」
「いつも通りだよな?」「ええ」「うむ」
「戦争になるから住民は避難しろって1週間前に案内出てたよな?」「ええ」「うむ」
「よかった。俺の勘違いじゃなかったんだな・・・。よくねぇよ!何ここの住民!逃げろよ!何普通に生活してんのっ!?夢見てんのかと思ったよ!」
「相変わらず元気じゃのぉ・・・。こちとら書類の山で忙しいんじゃから他のとこで話合え」
「いやいや。こっちはこっちでこの状況に困惑したから知ってそうなギルド長のとこに来たんだよ!」
「はぁ・・・。なぜ住民が避難しないかってここしかないからじゃな」
「・・・うん?」
「オルド王国の帝国との国境にほど近いこの街ともう一つの街は前の戦争の孤児の街じゃ・・・当時、王都にまで攻め込まれたのは聞いておるだろ?その時に戦争に行って親を亡くした孤児達と歳で戦争に出られなかった老人達の街じゃ。だからじゃろうな・・・。」
「そうか。だからこの街に老人がいなかったんだな」
「この街で歳を取っている者と言っても53歳が最年長じゃ。わしは元々王都の宮廷魔術師じゃってあの戦争で退役してこの街に来た身じゃ」
「いろいろな思いが詰まってて覚悟決めてる奴ばっかか・・・。はぁ、重いな・・・」




