弟子
弾蔵の言葉に何かを感じ取ったレイはそれだけを言って少し遠くを見た。
俺達はその後少し憂いた空気を払拭するために声を大きく上げ気合を入れて宿に帰った。
そして二人と合流して宿の食堂で席を囲んで話をした。
「ねぇ?弾蔵?レイは何で抜刀術なの?」
「わしも少し疑問に思ったな、何でだ?」
「お前から話せ」
そう言って二人の疑問をレイに振って先程俺に話したような内容をまとめてレイは二人に話した。
「確かに属性を使うなら相性は良いわね」「うむ」
「別に常に抜刀術使うわけではありませんよ?ただお三方には普通に戦うよりも渾身の一撃を受けて貰いたかったからっていう理由もあります」
「あら?そうだったの?まぁ確かに思いの詰まった一撃でしたね」
「なかなかあれだけの剣気を込めれる武人もおらんかったからよくそこまで鍛えたもんだ」
「私の出来ることは刀を握る、刀を振るう、それに一回だけ見せて貰った抜刀術だけでしたからね。それを見よう見まねで使ったにすぎませんよ」
「それだけ出来れば十分さ、正直抜刀術はどっちでもよかったが別れの土産として魅せといてよかったな」
「属性が雷でなければ使わなかったと思いますね。初動が早くなるから使っている様なものです」
「元々俺の剣術って流派と呼べるようなもんないからそれで十分さ」
「え?そうだったんですか?我流でそこまで?」
「あぁ~、俺の一族、俺と母親ともう一人俺の妻になった奴以外殺されてな。俺自体が刀の握りと刀の振り方しか教えて貰ってないんだよ。だから、それだけ知ってれば俺の弟子って訳だ」
「す、すみません。そんなこと言わせてしまって・・・」
「いつの話だと思ってやがる。俺が8つの時だぞ?もう90年近く前の話だ。それに仇も討った。心残りは一切残ってねぇよ。」
「そうですか。俺達皆弟子ってことですか・・・それはうれしいですね・・・」
死んだ仲間を思っているのだろう。少し下を向きながら言葉を噛み締めている。




