歓喜、葛藤、苦渋
次は瑠璃だった。
「今日は決闘のお願いを聞いていただいてありがとうございます。」
「ふふふ、そんな丁寧に言わなくても昔みたいに生意気言ってもいいのよ?」
「か、勘弁してください。あの時は私も子供だったからで・・・」
「いろいろ話してて時々言葉戻ってたわね。無理しなくてもいいのに・・・」
「あれは弾さんに釣られて、酒も入ってたことですし忘れて貰えるとありがたいです」
「まぁいいわ。楽しく踊りましょう」
その言葉で決闘は始まった。
最後は弾だった。
「今日は決闘のお願いを聞いていただいてありがとうございます。」
「いらんいらん。弟子がどれほどになったか見るだけだ。800年でどれだけ凡庸なお前がどれだけ高みに至ったか図るだけさ。掛かってこいや」
私の・・・いや、俺の800年の掛けた頂はどれほどなのか見て貰うことの歓喜を、何が正しいのか悩んだ葛藤を、凡夫の俺がこの人の背中に追い付くことさえ出来ない事を悟った苦渋を・・・。
たった1週間ほどただ刀の振り方を教えてくれただけの俺達を弟子と呼んでくれるこの人の為にすべてを!俺達すべての思いを乗せて一撃を!一撃だけでも放ってみせる!
俺は一度だけ見せて頂いた抜刀術の構えをした。
「それがお前の出した答えか・・・」
「ええ・・・私はこれにて敵を一撃で屠ってまいりました」
「いいぜ。こいよ」
「シッ」
私は全力の思いを込めて一撃を繰り出した。だが、あっさりと止められてしまった。またこの人も避けもせず微動だにせず受け止めるだけであった。
「速さは申し分ないが俺に一撃を与えるほどじゃないな・・・しかし、良く鍛え上げたな?雷の力を利用しての抜刀とはな・・・よく考えたじゃないか」
「はい。磁力の反作用の効果で何とかここまで仕上げることができました。しかし、みなさん本当に手が届かない場所から見ていたんですね・・・。みなさん微動だにせず受けるだけでした・・・。もう少しやれると思ってたんですが・・・。」




