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二つ名オンライン  作者: そらからり
1章 二つ名
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2話 チュートリアル その2

やっぱスマホは書きづらい……

 ヘルメットを被り、二つ名オンラインを始める竜輝と寧音。


 感覚が無い中、最初に戻ったのは視覚であった。


「調節はこのくらいで良いですかね? えーっと、私の声が聞こえてますか?」


 一面花畑の中、テーブルがあり、ティーセットが置かれていた。そこに一人の女が座っていた。

 人形のような美しさと、鈴が鳴るような声を備えたその女はまるで洗練されたかのような手招きをこちらにしていた。



「う、うん。聞こえているよ」


「……聞こえている」


 二人は同時に返事をする。

 その返事を満足そうに女は頷くと、


「立ち話もなんですから、お座りください。まずは色々と設定もありますから」


 二人は何も言わずにテーブルに近づくとそこにある椅子に座る。


「ちなみに、同じ場所で始められたようでしたのでこうしてお二人同時にチュートリアルを始めさせて頂きましたが、よろしかったでしょうか?」


 どうやら女は気を利かせてくれていたようだ。

 そしてこの言い方からゲーム側の人間、あるいは人工知能であることがわかる。


「むしろ助かる。一人では決めにくいことがあるかもしれないからな」


「……私も、竜輝と一緒で良かった」


 その返事をニコニコと笑顔で聞いている女は、


「仲が良くて羨ましいです。それではまずは名前から。このゲームでは漢字、ひらがな、カタカナ、英語での表記となりますが、どれになさいますか? もちろん混合でも大丈夫ですよ」


「じゃあ、カタカナでリュウキ、と」


「……私もカタカナでシズネ」


「はい、リュウキさんとシズネさんですね。私はこのゲームのチュートリアル担当、ビギナーと言います。AIではありますが、よろしくお願いしますね」


「これが噂に聞くAIなのか。本当に人のようだな」


「……よろしくビギナー」


 AIはこれまたブラックホワイトカンパニーが以前からあったものを改良しつくし、人間同然の意志をもたせた人工知能である。


「ゲーム内では私のようなAIが大勢おりますが、どうぞ人と同じ様に接してあげてくださいね。それでは、早速二つ名のほうを決めていきましょうか」


 二つ名、それを聞いてリュウキとシズネは姿勢を正す。

 詳しくは分からないが、その二つ名がこのゲームでの闘いの勝敗を大きく分けるという。

 なるべく強い二つ名を得なければなるまい。


「そこまで固くならなくても大丈夫ですよ。というか、ランダムなのでもっと気楽にしていてください。ではどちらから決めますか?」


 当然、自分の二つ名を早く知りたい。だが、ここまで自分に付き合ってくれたシズネに譲るのが男であり、幼なじみではないだろうか。

 シズネから決めてあげてくれ、そうリュウキは言おうとした。


「……じゃあリュウキからで」


 だが、シズネに先手を取られた。しかも自分からということを言って。


「はい、ではリュウキさんからですね」


 花畑の下から板が飛びだし、テーブルを割って登場する。色々と台無しである。

 板はよく見ると機械であり、二つの画面と二つのボタンがついている。


「ちょ、ちょっと待ってくれよ。シズネから決めて欲しかったんだけど…」


「……私はいいの。……まずはリュウキからで。……私の事を考えて私からって言ってくれたなら、リュウキがまずやって私の見本になってくれる?」


 そう言われては自分からやるしかないだろう。

 渋々と、だが嬉しそうにリュウキはビギナーに二つ名決定を促す。


「待たせて悪かったな。俺からで始めてくれ」


「はい。ではこのボタンを押してください」


 リュウキは二つのボタンを押す。

 そうすると、二つの画面がそれぞれ動き出し、画面になにやら書いてある文字が回転し始める。


「もう一度ボタンを押せば止まりますよ」


 左のボタンから押してみる。

 ガチャコン!、と音がし、左の画面が止まる。


「『悪鬼』……か」


「鬼ですか。下手な動物よりは強力な能力にはなると思うのでラッキーだと思いますよね」


 右のボタンを押す。

 ガチャコン!と音がし、右の画面が止まる。


「『変身』か。えっと、『悪鬼変身』ということになるのか?」


「ええ。名前からして、悪鬼に変身する能力のようですね。身体強化系ですか。前に出て戦闘するようですが、大丈夫ですか?」


「むしろ、それを楽しみにしてるほどだ。どんとこい」


「それは頼もしい。では、続いてシズネさん、ボタンを押してください」


「……わかった」


 シズネは二つのボタンを押すと躊躇いなくそのままもう一度ボタンを押した。

 ガチャコン!ガチャコン!


「はやっ!?」


 左の画面には『地底』と、右の画面には『神王』とでていた。


「『神王』ってめっちゃ強そうだけど…」


 リュウキが女のほうを見ると、女は絶句し固まっていた。


「どうした?」


「……『神』という二つ名はかなりレアで強力なのですが、『神王』はさらに強力で私も見るのは四人だけで……」


 四人、と言われてもリュウキにもシズネにもピンと来ない。

 まだ1ヶ月というのもあるが、世界中で発売されたとはいえ、何人のプレイヤーがこのゲームを遊んでいるのか分からない。


「ともあれ、これでお二人の二つ名は決まりました。後はステータスやらレベルやらスキルやらの説明ですが、まあほかのゲームと似たようなものなので遊んでいるうちに理解していってください。」


「ちょっ!? 適当すぎだろ!」


「少し疲れました……ではお二人が心の底からこのゲームを愛せるように……。あ、武器はお二人に合ったものを選んでおきますからね」


 そんな言い方では愛せるものも愛せないだろう、女はそう言い残すと、手を振る。


 途端に、リュウキとシズネの視界は暗くなり、次に視界が明けたときには別の場所へと移されていた。


1ヶ月経って実家から自分の家に戻ったら修正します。

すごい、書きづらいのね

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