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転生先は戦国時代でした。ただそろきゃんして、おいしくウィンナー食べたいだけだったのに  作者: 熊ごろう


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「91話」戦国時代こわい

「……どうか、御子神様……どうかご慈悲を賜りたく」


田んぼから戻ってきたら山吉さんがまた平伏していた。

なに……一体どういう事なの。ご慈悲とか言われても困るんですけど……これはあれか、命乞い的なムーブなのだろうか。

俺が何したっていうんだ……暇になって田んぼ横の川を見て、あの魚おいしそうだなーとか考えていただけだぞ。



「聞いていたより大分状況は悪い……」


とりあえず事情を聞いたけれど、神様助けてムーブだったしい。


遊佐さん頭が痛いのかさっきからこめかみを押さえている。

分かるよ。俺も頭痛がしているような気がするもん。


なので今はいったん休憩中だ。

少し話し合いたいのでーと遊佐さんと二人、別部屋で密談件おやつタイムである。

あ、山吉さんにはドラ焼き追加で置いといたので安心してほしい。


んで山吉さんからざっと聞いたことをまとめると。

今の長尾家って内乱がいつ起きてもおかしくない状態。

表面上はいったん落ち着いてはいるようだけど、内側はそれはもうやばい状況らしい。


そもそもなんでそんなことになっているかと言うと、越後を支配しているのが長尾為景さん……上杉謙信の父親らしいんだけどね。これが主君である上杉なんちゃらをクーデターで追いつめて自刃させ、その後いろいろあって国人衆やらなんやらと戦をくり返し、勝利して今に至ると……はしょり過ぎ? いやもう中々に凄惨な出来事が多すぎてね。


クーデター起こした理由を聞くと、まあ理解できなくもないんだ。

父が一向一揆の討伐に向かわされて見殺しにされたこと。さらには自分まで殺されそうに……となればね。

それにこの守護も結構むちゃな統治していたらしいし、そこであちこちから恨み買ってたのもあって、それがクーデターを決意させる後押しになったと言える。


ただそのあと為景さん自身が越後をまとめるために守護と同じようなことを始めてしまったのが、国人衆から激しい反発を買った理由だ。

これも理由を聞けばなるほどねーと思う事もある。

周りは敵だらけで越後がばらばらだと食われてしまう恐れがある。

だから権力を自分に集中させ、さらに支配の正当性を得るために幕府や朝廷へ莫大な献金を続けて、あちこちと戦を突けて、費えを確保するのに新潟港に荷物と利権集めてと……まあかなり無茶やってるねえ!


為景さんは越後をまとめて一つの強い国にしたい。でも国人衆は自分たちの領地で自由にやりたい。そのすれ違いと、そういった国人衆を黙らすだけの力が為景さんには不足していた。


このへんが山吉さんから聞いたお話である。

わりとぶっちゃけて話してくれてそこは助かるんだけどねえ……。


もう色々と凄すぎて、自分らで何とかしておくれ……と言いたいところではある。

ところではあるんだけど。


「内乱おきたら、絶対一向宗が出張ってくるよねー」


「でしょうな」


「だよねー」


まあ、そうなるよね。

なんかちょろっとネットで調べてみたら、越後方面に攻めてくるどころかそれを恐れた長尾が一向一揆と手を組むとか出てきた。ふざけるなと。


俺がここに居る以上史実通りになるとは限らんけど、悪い方向に行った時の事を考えた方が良い。

やばいのは長尾と一向一揆が手を結び、そのあと一向一揆の内紛が起こらなかったパターンがまじでやばい。

絶対能登攻められるでしょこれ。


なので長尾が一向一揆と手を結ぶ未来だけはどうにか回避しないとだめなのだ。



「仮に私の助力を得られたとして、それで越後を治める正当性を得ることになります?」


「うむ! ……と言いたいところだが、越後では無理であろうなあ」


そっかあ。

俺がちょろっと何かするだけで正当性得られるなら、朝廷とかへの献金要らなくなるかなーって思ったんだけどなあ。

うーん。


「では時間稼ぎは出来ますか」


「う、む……おそらくは」


なるほどなるほど。

じゃあそっちの方向で。


何をどこまでやるか遊佐さんと話して決めて、山吉さんのところに持って行こうかねえ。

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