「89話」連休待ち遠しいですね_(:3」∠)_
「結構いるねえ。武士っぽいのが15人? あとは荷物持ちかなー」
最近のドローンは高性能だよねえ。
結構距離をとっているのに映像まったくぶれないし、姿もしっかり写っている。
「んー……手を出しそうになったら介入しよ」
一応遊佐さんが出てきてからは、代表者っぽいのが出てきて話合っているようだけど……何せ戦国時代ですし。
何が切っ掛けで斬り合いに発展するか分かったもんじゃない。
俺出て行けばそれはそれで面倒になりそうな予感がするけれど、出て行かずに誰か斬られたりしようものならそっちの方が後悔するのは間違いないのは良く分かる。
まあこちらの方が人数は多いし、めったなことにはならんと思うけどねえ。
「お?」
少しの間様子をみていたら動きがあった。
遊佐さんが手をこう……これ以上はいけまへん。みたいな感じにやったあと、門の中へと戻っていく。
なんだろね。
うまいこと言いくるめたのか、単にこじれてもう知らんってなったのか。
長尾家の人らは入ってこようとしないし、かと言って立ち去る感じでもない。
はて、どうなったのか。
「……あ、こっち来るね」
遊佐さんに聞いてみようかなーって考えていたら、遊佐さんそのままこっちに向かってきている。
おつかれさまってことで冷たい茶でも用意しておくか。
「何か問題おきましたか?」
「うむ……某だけでは判断できぬことがおきてな。すまぬが御屋形様のところまで送っては頂けぬか」
「良いですよ」
なるほど。
上司に聞くからちょっと待てのパターンか。
普通なら数日掛かる七尾城との往復もキャンピングカーに乗って行けば今日中に戻ってこれるだろう。
このままあの人らが止まると町の人も不安になるだろうし、早めに戻ってきたいねえ。
「飛ばした方が良さそうですねえ」
「う、うむ」
遊佐さんの顔がちょっと引き攣っているけど、これは必要なことなのだ。
俺が道をかっ飛ばしたいとかそんなのが理由ではないのだ。
天然のオフロードコース走るようなもんだから楽しいんだよね。
「……無理はしないようにな」
「ええ、一刻もあれば戻ってこれるので安心してください」
「……うむ」
日ごろ鍛えた運転技術をみせてあげよう。
無理はしないよ。ちょっと山中もアクセルべた踏みにするぐらいだよ。
城の壁壊したらごめんね。
「ふらついてたけど大丈夫かなー」
遊佐さんの悲鳴を無視してかっ飛ばしたら40分ぐらいで着いた。
間違いなく新記録だろう。
ささっと義総様に相談して貰って、ささっと拠点に戻らないとね。
出発してから気が付いたんだけどさ、俺とキャンピングカーが拠点ないと悪意を持って境内に入ろうと思えば入れちゃうんだよね。
現地に居る兵士だったり町の人が止めるだろうけど、早く戻ってそんな考えを起こさないようにするのが一番だ。
「よっこいせ」
10分ぐらい待っても戻ってこなかったんで、暇になった俺は本丸の屋根に登って周囲の景色を写真や動画に収めることにした。
「あれ、もしかして温泉宿?」
湾のほうを動画にとっていると、和倉温泉があるであろう場所に大き目の建物が見える。
土台部分は勿論、建物も大分出来上がっているねえ。
あとは仕上げぐらいかな? この感じだと今年中に温泉に入れるんじゃないかねえ。
いや、実に楽しみだ。
「つきましたよー」
「……うむ」
結局義総様との話は30分ぐらいで終わったよ。
すぐに遊佐さんをキャンピングカーに押し込んで拠点に戻ってきたけど……合計1時間50分掛かった。
やっぱ道が整備された現代と違って、そこまで平じゃないし、そんなに飛ばせないんだよね。たまに人も居るし。
山中は好き勝手に走れるから飛ばしているけど……まあそのせいで遊佐さんの足が良い感じに震えている。
まるで生まれたての小鹿のようだねえ!
あ、そうそう。
一応帰り道で遊佐さんから今回の件について軽く説明はうけたんだ。
彼らはどうも七尾城に使者として向かって義総様とかと会談した後に、一向宗との国境の様子をみるとのことで今浜のほうまで来ていたんだそうな。
それがなんでわざわざこっちまで来たかというと……義総様もこちらに向かう話は聞いてないらしい。
けど、予想としては今浜でここの噂を聞いたり、大勢移動しているのを見て興味惹かれたんじゃないか? とのこと。
どんな噂なのか気になるねえ。
変なのじゃないと良いけど。
「あ、中に入れるんですね」
そんでこの後彼らをどうするか遊佐さんに尋ねたところ一応使者として迎え入れることにしたらしい。
でも入れるか分からんよな。下手すると門を誰も潜れないとかになりかねないけど……ちょっとキャンピングカー移動しておいた方が良いのかなあ。
「うむ。無事入れた者からのみ話を聞く」
「あー」
「きっと素直に話してくれるだろう」
そう言って遊佐さんは悪い笑みを浮かべるのであった。




