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転生先は戦国時代でした。ただそろきゃんして、おいしくウィンナー食べたいだけだったのに  作者: 熊ごろう


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73話


動画の投稿をしようと四苦八苦しているうちに、かなり時間が経っていたようだ。

あたりは大分薄暗くなっている。


「んあー……お風呂沸かさないと」


一日の仕事が終わったら、お風呂につかってリフレッシュして夕飯を美味しく頂く。

それがここ最近の日課となっている。別に夕飯後に入っても良いんだけどね……まあ気分の問題である。



「うん、美味しい」


「うむ!」


今日の夕飯は今朝とれた鯵を開いて干した焼いたものだ。近海でとれた鯵はサイズも良く脂のノリも程よく美味しい。


道を整備している関係で、こういった海のものが手に入りやすくなり、食卓に上がる頻度が増えてきた。


魚介類に関してはネット通販を使わず現地貨幣で購入出来るようになったのは本当ありがたいねえ。

常備菜に使用と昨日煮て置いたバイ貝も良い味だ。今日はこれを酒のあてにして……あ。



「そうだ。実はお酒ができたんですよ」


「なんと!?」


実はすでにお酒造りに手を付けていたりする。

やっぱ他の人にお願いする前に自分で一度造ってみないとね。依頼する側が酒造りを理解していない状態じゃ、指示もうまくできないだろうし……まあ、単に造ってみたかっただけってのも大きいけど。


ま、それはさておき。


「なのでちょっと味見して貰っても良いです?」


「うむ!」


今は仕込んだお酒を飲むことにしようじゃないか。

俺の舌だけで判断するのは難しいから遊佐さんにも味見して貰うのだ。

お酒好きだし、ちゃんと評価してくれるだろうさ。



「じゃ、とってきますねー」


席を立ち、日本酒を仕込んだ甕の元へと向かう。

日本酒の製造工程は既に絞りまで終わって、甕にいれて1週間ほど放置した状態だ。


上澄みを掬えば透明な日本酒に……なっているはずだ。

正直初めて造ったもんで不安ではある。




「おお、ちゃんと透明……色は黄色掛かっているような茶色っぽいような。光の関係かねえ」


すくった日本酒はちゃんと透明に仕上がっていた。

色はうっさら黄色……だと思う。保管方法ミスったかとか心配になったけれど、暖色系の明かりだから茶色っぽくも見えるだけなんじゃないかな。


「香りは……程よく華やか」


良く冷えているが香りは抑えめ。

でも果物系の甘い香りが漂っている……そのまま口に運びそうになるが、我慢した。

遊佐さん待っているだろうしね。俺は我慢できる子なのだよ。




「う、うまい……うまいぞ御子神殿!」


「そりゃよかったです……あ、まじでうまい」


酒を一口飲んだ遊佐さんは感極まった様子で涙ぐみ、うまいうまいと言いながら酒杯を空にしていく。

俺が造ったものを飲んで喜ばれると嬉しいが、ちょっと大げさだなあ……と思いながら俺も一口飲んでみると本当に美味しかった。


冗談抜きで過去に飲んだ日本酒の中でもトップクラスにうまいんじゃないかこれ。


まさか俺にこんな酒造りの才能があったなんてーとは思わない。

これ絶対神様パワー的なので美味しくなってるでしょ……いや不味くなるよりは良いんだけどねえ。


なんらかの補正込みで酒造りがうまく行ったとなると、教える時に困りそう。

言った通りやってもうまく行かないんですけど?? とかなりそうでね……まあ、経験ある人がくるはずだから、なんとかなるか。


それよりも今はこの酒をどうするか考えよう。



「瓶50本しかない。もっと仕込めばよかったね」


「……うむ」


試しに造った酒だけど、俺と遊佐さんだけで飲むわけにはいかんのよな。


「義総様と秀盛様、丸山様に温井様、長様……5本ずつかなあ。あとは村の人に渡すのと、酒造り協力してくれる人に見本として渡す分。遊佐様と私にそれぞれ5本かな? 本当もっと仕込めばよかったよー……」


俺が日本酒造ったという話はどこからか漏れて伝わるだろうし、世話になっている人にも配らないって選択肢は無い。

ちなみに丸山様と長様、あと温井様は義総様が遊佐さんに領地の経営大変だろ? と応援に呼んでくれた人たちである。


丸山様は生臭……じゃなくて世俗に詳しい坊さんみたいな人だ。

ちなみに髪をそっているから坊さんだと思っているけど、本当にそうかは知らない……茶の湯とかに詳しいらしく、その関係で器にも詳しいらしい。


俺が用意したガラス製の器や磁器をみて、自ら立候補してこの地に来てくれたんだそうな。

お茶関係以外も色々詳しいらしく、そこから色んな伝手を使って器を売りさばいてくれている。

この人おらんと財政的な面でかなり困ったことになっていたはずなので、お礼を兼ねて日本酒は送らねばならないねえ。


長様はこの地を守る兵の指揮をとるために来てくれた人だ。

とは言っても期間限定なのとそれに加えてずっと本拠地離れる訳にもいかず、ある程度行ったり来たりになるそうな。


なんでそんな無理してここに居るかと言うと、どうも献上品の日本酒に地元の地名があったらしく、気になってこちらも立候補してくれたみたい。

日本酒造りにも乗り気で自分のところで造った日本酒を輸出したいんだって。なので造る際は長様のところからも人を入れることになるだろうねえ。


ぜひ頑張ってほしい。


増産が叶った暁には俺と遊佐さんが飲む酒の確保が楽になるからね!

やっぱネット通販で買うとなると金銭的に辛いものがある……他にも買わないといけないものがたくさんあるからさ。



「また造ってはどうだ? 甕はもっと用意するぞ!」


「冬の間にあと1回いけるかな……やりましょか」


「うむ!」


まあ、長様のところでお酒が量産出来るのは早くても来年の冬行こうだろうからね。

自分たちの飲む分は自分たちで造るっきゃない。

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― 新着の感想 ―
丸山梅雪とかローカル武将にも程がある(笑) いちおうちゃんとした茶人。
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