70話
「守りを整えるって話でしたけど、実際どういう風になるんでしょ」
「こんな感じであるな」
七尾城を見たから山城とかはなんとなく想像つくんだけど、川沿いのキャンピングカーの守りってなんぞやって話でね。柵で囲んで櫓作るぐらいしか思いつかん。
そんな訳でその辺りに詳しいであろう遊佐さんに聞いてみたんだけど、地面に枝でさらさらっと俯瞰図を描いてくれた。
この辺りの地形を確認した際に頭の中で完成図を描いていたのだろうか……簡単に描いているように見えるけど、それでいて境内だけじゃなくて、周囲の畑や家、あと道かな? その辺りも分かるようになっている。
なかなか出来る事じゃないと思うんだけど、実は遊佐さん凄い人?
「おー……ここが川で、畑があって……あれ、ここもさらに塀で囲むんです?」
「うむ。不在時に隙を見て入ろうとする者がおるかも知れぬ故、囲んでおくに越したことはない」
境内を囲うように掘りと塀があるんだけど、境内の内側……キャンピングカーの周囲にも塀がある。
あとキャンピングカーの横に家っぽいのがあるような。これ俺の家か?
家とか塀があるとキャンプ感が無くなってしまうんだけど、どうしようねえ。
……ああ、別に遠征してキャンプすりゃいいのか。海岸沿いとかちょっと行ってみたいから、その内行こうかな。
「この周辺のは畑と家かな。こっちは道で……これは畑用の水路? 全体的にかなり広いような気が」
「出来るだけ収穫量は増やしたいのでな。とはいえ全てを一気に開墾するのは無理故、数年掛けて進めるつもりではある」
よくよく見ると、道だけじゃなくて川から繋がる水路もあるねえ。
んで水路を挟み込むように畑が広がっていて、家は道沿いに建ち並んでいる。
収穫量を増やしたいというだけあって、かなりの面積がありまそうだ。
境内の大きさから考えるに……4km×1kmぐらいか? むっちゃ広いぞ。
そりゃ数年かけて進める訳だ。
「これだけ広ければ収穫量凄そうですねえ。全部お米だとしたら1万石超えるんじゃ?」
「……今年の収穫量を考えると超えるであろうなあ」
そりゃ凄い。
時代は違うけれど1万石超えると大名なんだっけね?
もちろん全部を米にする訳じゃないだろうから、数千石に落ち着くだろうけど……いやあ、これだけの広さを開発するのって滅茶苦茶労働力いるよね? お金も掛かるだろうし大変だな。
全てを遊佐さんが負担する訳ではないと思うけれど、開墾して収穫得るまで遊佐さんの収入はおそらく無いだろうし……ふむ。
「私に何かお手伝い出来ることはありますか?」
お腹空かして野宿する遊佐さんを思い浮かべてしまった。
いや、実際そんなことにはならんと思うけど……それでもまあお手伝いするぐらいはねえ?
「かたじけない……それではまず村まで続く道を少し広げて貰えないだろうか」
木をなぎ倒して根っこを引き抜けってことだね。
通常人の手でやろうとすると木を切り倒して根っこをどうにかするのが一番時間掛かるところだろうし、それ以外の場所もまずは俺が木をどうにかしてそれから人足を投入する。その流れにするのが良い気がするねえ。
「川までと同じぐらいです?」
「うむ」
「おまかせあれー」
まあとりあえずは村までの道を拡張してしまおう。
行きになぎ倒した木とかまだ処分していないし、あれもどうにかせんとだなあ。




