66話
その後、献上品の酒を出したところ大層喜ばれた。
色こそ茶色ではあるもの均一な厚みで作られたガラス製の瓶に、水のように透き通った酒……交易のが盛んな能登のお偉いさん方も見たことはなかったようである。
まあ焼酎はあったかもだけど、ガラス瓶とセットとなると無いんだろうね。
そしてそのまま酒宴になった。
勿論飲むのは献上品の酒である……分配するのも大変なので飲んじまえってことらしい。
ちなみにこの場に居たのは畠山義総、三宅俊長、温井総貞(代理らしい)、平総知、長英連、秀盛様あと俺の7人だ。酒は9本あるので一人1本は飲める。
1本といっても少なめなので、まあ酔い潰れることはないだろう。
「能登に縁のある名にしたらしいですよ」
瓶に書かれていた名前が聞き覚えのある……というかもろに能登の名称が入っている酒があるので不思議に思ったのだろう。
由来について聞かれたのでそう答えたら、あの町にそんな酒屋はないはず……と首を傾げていたのでいつか出来ますよと耳打ちしてあげた。
なんか真っ青になって固まってたねえ。
あとは……俺もちょっと酔ってたし若干記憶が曖昧だけど、米が採れすぎると相対的に価値下がるし、必要量確保したら他の作物も作ると良いんでない? てのと、白米美味しいけどそればっか食べると脚気になるから、糠で漬け物作ったりすると良いよーとか、そんな事を話した気がする。
「んお?」
気がついたら朝になっていた。
「……わぁ」
すごいな死屍累々とはこのことを言うのだろうか……辺りを見たらみんな見事に酔いつぶれてそのまま床で寝てらっしゃる。
瓶を抱えたまま寝るとか、そこまでザ・酔っ払いって感じなのなかなか見ないぞ。
「……今の内カメラ用意して写真とっておくか」
外はもう明るくなってきてるけどみんな起きる気配がない。
なのでク〇ネコヤマト召喚の儀を行ってカメラを入手してしまおう。
安いのあるかなー。
「うん、割とちゃんと撮れてる! 安いから不安だったけど杞憂に終わったねえ」
新品で3000円切っているのが普通にあったよ。
何やらマイクが付属していたけど、使う機会あるんだろうかね。
評判見た感じは動画のほうが性能良いらしい。せっかくなので動画も撮っておこう……と言っても屋根からぐるっと360度撮るだけど。
それじゃそろそろ写真と動画も撮れたし下に戻るとするか。
たぶんそろそろ皆起きてると思うんだよね……シジミの味噌汁でも用意するか。たぶんみんな二日酔いな気がする……俺? 俺はなんか酔いはするけど、翌日には一切残らんのよね。神様さまさまだ。
「あれ、遊佐様も行くので?」
ゾンビ化した当主と重臣に見送られ、キャンピングカーに乗り込むとなぜか助手席のドアが開いて遊佐さんが乗り込んできた。
家まで送ってちょって事だろうか、それとも……ああ、馬放置しているから取りに戻りたいとか?
どちらもあり得そうだけど、どっちだろうか。
「うむ。実際に現地でどこに何を造るか決めねばならんのでな」
「では一緒に行きましょう」
お仕事だったねえ!
そういうことなら元の広場まで送ってあげよう。
てか遊佐さんがやることになったのね。あれか、言い出しっぺの弟だからよろしく! みたいな感じ?
んまあ頑張って貰おう。
ご飯ぐらい出すよ!
「そういえば護衛の人って誰がくるんでしょうね」
帰り道、話のネタにちょっと遊佐さんに聞いてみる。
「某と配下から何人か連れて行く予定であるぞ」
おお……もしかするとあれか、いつぞやキャンピングカーで道広げようとして、遊佐さんが部下引き連れて来た時の人らかな?
人選によっては護衛になったは.良いものの、近寄ることが出来ません!! となる可能性があるから、あそこに残っていたメンバーなら問題ないはず。
俺としては一応顔を知っている人らだし、知らん人がくるよりずっとまし……というか大歓迎だけど。
「え、良いんです? 勿論私としても知っている方が護衛だとありがたいですが……他の仕事とかあるのでは」
「なに、そこは兄者に任せた故心配はないのである」
秀盛様かわいそうに。




