62話
遊佐さんからお酒入れる容器ってことで、壷と瓢箪貰ったのでさっそくお酒を詰めていこうと思う。
ちなみにお酒はさっきクロネコヤ〇ト召喚の儀を行って、1000円ちょいの1.8Lのやつを2本入手済みである。
「最近の紙パック酒は美味しいらしいけど……」
問題は味だ。
正直お安いのとイメージ的に紙パックは……てのがあって、ちょっと不安ではある。
昔とは違うらしいから大丈夫とは思うけど味見はしておこう。
あんまり飲み過ぎると嵩が減っちゃうので一口だけね。
「……ほんとだ美味しい」
まず香りが良い。
果物っぽい……バナナっぽい? そんな香りがする。
味はほんのり酸味があって甘め、後味すごいすっきりで爽やかな感じ……これぱかぱか飲めるやつだな。
うむ……うっかりお代わりしそうになったけど、我慢だ俺。
「ほいじゃ、この瓢箪に入れたのは一旦冷蔵庫にしまってと」
なんか瓢箪とか壷に入っているとより美味しそうに感じるよね。
特にこの瓢箪はでかくて良いね。個人的にもちょと欲しい……帰ったら承認さんに相談かな。
とりあえずちゃちゃっと温井さんの屋敷に持って行って渡してこよう。
「遊佐様。ちょっとお隣さんにお裾分けしておきますね」
「うむ!……うむ?」
勝手に居なくなると不味かろうと、庭で何かごそごそやってた遊佐んに一声掛けて屋敷の外へと向かう。
「温井屋敷は馬場の奥か」
屋敷を出ると馬場があり、ちょっと歩いたところに温井屋敷がある。
割と近いんだよね。まあ遠いと歩いていくのめんどいので俺としてはありがたいけど。
それはそうと……どうやって渡そうねえ?
壁を飛び越えて中に入っちゃさすがにまずいよな門の前に人おるし。
門番さんだろうかね……あ、そっか。
「ご、御免……いかなる御用でございますか」
「温井様にお渡しするものがありまして、取次をお願いしたいのです」
この門番さんらしき人にお願いすれば良いじゃん。
訳を話すとダッシュで奥に引っ込んでいったし、それが正解なんだろう。
……二人一緒に行ったら門番的にまずいんじゃね? と思わなくもないが、まあ多分問題なし!
「……御子神殿。某に渡したいものがあると伺いましたが」
待つこと数分で温井さんが屋敷から出てきた……が、すっごい警戒されてますねえ!
てめえ今度は何しに来やがった、まさかまた屋敷に突っ込もうってんじゃねえだろうなあ……みたいな気持ちが目にこもっている。
まあ、警戒されるのは仕方ない。俺は無実だけど。
ちゃちゃっとお酒渡して戻ろうかね。
「はい、こちらを温井様に」
「これは……」
ほいっと栓をした瓶を差し出すが……受け取り方が危険物を触るそれなんよ。
「お酒です。昼間は色々と大変でしたでしょうし……」
これでも飲んで元気だしてほしい。
そんな俺の純粋な気持ちが伝わったのだろう……ふっと温井さんの表情が柔らかくなる。
「……御子神殿の心遣い痛みいります」
「それでは……あ、酒精はかなり強いので飲む際は気を付けてくださいね」
なんかすっごい改まって礼を言われたので、申し訳ない気持ちでいっぱいです……。




