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転生先は戦国時代でした。ただそろきゃんして、おいしくウィンナー食べたいだけだったのに  作者: 熊ごろう


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46話

「これを」


「刀……?」


一人納得した俺に、すっと遊佐さんが差し出してきたのは刀であった。

前にもらった小刀ではなく、ちゃんとした刀である。


……え、もしかして俺にくれるの?


「うむ。殿より鏡の礼にとな」


もう返さんぞと両手で刀をホールドしていたら、まさかの本当にくれる流れとは。

てか2000円しない鏡の俺にこんなもん貰っていいのか……? 刀って高いんじゃないの。



「おお……すごい切れそう」


目線で抜いて良い? と聞いたら良いよ! とかえってきたので、鞘から刀を抜いてみた。

抜いた瞬間は奇麗だな。というのが感想として出てきたが、まじまじと見ていると怖いぐらい切れそう……という感想に変わっていった。


試し切りしてみたい気持ちもあるが、たぶん素人で馬鹿力の俺が振るったら折れちゃいそうなのでやめたほうがよさそう。

……素振りぐらいはしておこうかな? もしかすると振るう機会があるかもだし。


しっかし、日本刀とか初めて手に取ったけど結構興奮するねえ。

身だけではなく、心まで少年に戻ったかの様だ。



良いもの貰ってしまったねえ。

いやあ……本当……本当にもらっていいのだろうか。何か受け取ったらまずいことが起きたりしないよな?

急に不安になってきたんですけど。


「本当に頂いてしまって良いので?」


「勿論だとも」


そういってほっと笑みを浮かべる遊佐さん。

これは貰っても大丈夫そうか……? 受け取ってほしいのは確かなんだろうけど……なんだろうね主命だから、俺が受け取らないと困ることになったとかそんなんだろうかねえ。


まあ、何かあるかもだけど欲しいのは確かなので受け取ってしまおう。



さ、遊佐さんの用事も済んだことだろうし、このまま帰すのは可哀そうなので焼肉丼でも作ってあげようかねえ。

遊佐さんならお肉も……あれ、お肉食べてたっけ? たしか豚汁食べていた気がしなくもないけど……まあ、食いたそうにみていたし大丈夫でしょ。たぶん。



炊き立てご飯に焼けたお肉をちゃちゃっと乗っけて、タレをだらーっと一回り、二回り。

野菜は無しのお肉100%な焼肉丼の完成だ。


さあ、もりもりお食べ。



「かたじけない」


遊佐さんは喜んで丼を手に取ると、わっしわしとかきこむように……食べるかなと思ったら、受け取ったまま手を付けようとしない。

さすがにもろお肉はあかんかったか? と思ったが、どうも様子がおかしい……話したいことがあるけど、うまく切り出せないでいる。そんな雰囲気が遊佐さんから漂っているような気がするのだ。


「……? 他にもあるんですね」


「む……うむ」


俺がそう問うと、遊佐さんは気まずそうに丼を一口、二口と食べ……名残惜しそうに箸をおくと、姿勢を正しこちらへと向き直す。


別に食い終わってからでもいいんだけどねえ。


「殿がな……御子神殿に一度あって礼をしたいと」


「え、い……なんでまた私などに」


え、いやです。とうっかり口走りそうになったのを何とか押しとどめ、理由を遊佐さんに問う。


別に俺なんかと会う必要はないのでは……? 俺とか殿様からみたら神使をかたるあやしいやつでしょ。

でも何やら高価な商品を持っているようだし、より優れた種籾だったり知識をよこすし、とりあえず遊佐さんを監視役かねた取次としてつけておくかーとか、そんなもんでないのか。


今回の鏡の件を加味しても、直に俺をみていない限り怪しいやつの範疇を出ないのではなかろうか?

それなのに色々と便宜図ってくれたり、刀くれたりと大分よくしてもらっている気はする。


……便宜を図ってくれているのは遊佐さんと殿様だよな。

他にも家臣はたくさんいて、その人たちから見ると俺はどう見えるのだろうか。



「……ほかの家臣の方々と何かありました?」


「…………」


そう遊佐さんに聞いてみると、唸って顔を伏せてしまった。

これはあたりかも知れない。


うーむ。そうなると一度顔を出すべきか。

行きたくないのは確かだけど、いかないと遊佐さんとか殿様と他家臣との間で問題起こりそう。


てか、俺自身がいって何すりゃ良いんだろう。

話して終わり……ではないよなあ。

人外の力でもみせれと?



まあ、ようは怪しいやつとか思われてそうなので、神使だと……いや別に神使ではないのだけど、向こうにそう信じさせなければいかんと。


一番楽なのは米の収穫待ってから行くことかな。

いきなり収穫量三倍にでもなれば、以降は怪しいやつ扱いではなくなると思う……そして収穫もりっと増えれば信者的なのも増えて、例の範囲が広がると思うんだよね。


そうなったら近くまでキャンピングカーで向かって、あとは歩いて向かうと。

混乱も最低限で済む……んじゃないかなあ?


とりあえず交渉してみようかね。


「それでは秋の収穫後に向かうのはいかがでしょう? それまでは稲の育成がうまくいくよう祈祷しているとかで何とか胡麻化して……無理でしょうか?」


遊佐さんは俺の話を聞くと顔を上げて、そのまま再び唸りだす。

……無理かなあ? お酒でも送ればしばらく騙されてくれたりしないかなあ……。

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― 新着の感想 ―
神様といえばお酒、御神酒の上がらぬ寺社はなし、と言うくらいだし。 通販で2500円で買える銘酒かー飲み比べ用のセットとか小さいの何本か入ったやつとかあったかなー
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