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転生先は戦国時代でした。ただそろきゃんして、おいしくウィンナー食べたいだけだったのに  作者: 熊ごろう


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42話


水車小屋が出来てからおよそひと月が経過した。


「あ、今日の良いな。大分チーズに近い」


日が落ちてすっかり暗くなった中、俺は風呂につかりながら燻製をつまみに酒を楽しんでいた。


あれから商人さんに品物を渡し代わりに再び銀塊を受け取った俺は、風呂の作成を職人に依頼することにしたのである。あ、燻製小屋は諸事情により後回しにしたよ。


それで完成したのは4m四方のめっちゃ広い湯船に、同じぐらいの広さの洗い場。さらには天井や壁だけではなく脱衣所まで完備された立派な風呂場である。


さらには壁の一部は開け放つことができて、そこから風景を楽しむことが出来たりもする。

夜景を楽しみながらだとお酒が進んでしかたがない。困ったねえ!


ちなみにつまみは豆腐の燻製ね。

この時代の人にも受け入れやすそうな燻製は何かなって考えて、ぱっと思いついたのが魚の燻製と豆腐の燻製だった。

最初は魚を燻製にしていたのだけど……だんだん釣れなくなってきてねえ。

俺の腕というよりかは疑似餌に慣れてきたって感じだ。俺の腕ではない。


そんな訳でここ最近はもっぱら豆腐の燻製作りに励んでいる。

作り方を工夫すればチーズみたいになると見かけて、どうにか近づけようとしてはいるのだけど中々これが難しい。


それでもどうにか安定して美味しいと言えるレベルにはなってきているので、次に人がきた時にでもこっそり食わせてみようかなーて考えていたりする。


次に人が集まるのは……種籾渡す時かなあ?

たしか作業自体は来月ぐらいから始めるんだよな。

となると……あっれ、そろそろ届いてもおかしくないぞ?


種籾を配るのに時間かかるし、来月いきなり持ってこられても困る。

ちょっと調べてみるか。購入ページに何時頃届くか記載あったはずだ。



「んお?」


風呂からあがり、パンイチでごしごしと頭をタオルで拭いていたら聞きなれたチャイムがなった。

……いや、タイミング良すぎだろ。このタイミングでくるのは種籾しかない。


しゃーない適当に羽織ってサインしてくるかねえ。



「わあ……これ全部種籾かあ」


倒れたままぴくぴくと動く配達員さんから目をそらし、山となった種籾をみて少し呆けてしまった。

さて……あとは引き取りに来てもらうだけなんだけど、次に来るのはもうちょい先なんだよね。

どうしたものかなあ?


「んー…………」


首を徐々にかしげて何か良い案はないかと考えるが、なかなか思いつかない。

90度近くまで首が傾いたところで、俺は難しく考えることを放棄した。


森を突き抜けて村まで行こう。

たぶん、向かう最中にやべえのが近づいてきたって騒ぎになると思うんだよね。


そしたら遊佐さんが来るだろうから、そこで種籾が届いたことを伝えちゃおう。


よし、善は急げだ。

今から……さすがに近所迷惑なので、明日の朝からキャンピングカーで森に突っ込んじゃおう。


おしおし、そんな訳で寝るとしよう。

アルコールが良い感じにまわって眠くなってきたし……ぐぅ、すかぴぃ。





森に突っ込んだ翌日には遊佐さんと赤井さん、緑谷さんがセットで拠点まできた。

すごいな。俺が何かしたら即通報はいるシステムでも構築されてるんだろうか。


「それじゃお願いしますね」


「うむ! 任せよ! ……なるべくすぐ人を集める故、なるべく大人しくしておいて欲しい」


「あははー」


とりあえず遊佐さんは種籾の準備ができたので取りにくるよう各農家さんに伝えに向かった。

1週間以内には来るらしいね。道をもうちょい繋げて置いたほうが良いかなって思ったけど、丁重にお断りされてしまった。

悲しいね。



んで、遊佐さんは戻ったけど、俺の前には赤井さんと緑谷さんの二人が帰らず残ったまま居たりする。

二人には別の用事もあるんだよね。


「こちらがご要望の品です。どうぞお確かめください」


そういって赤井さんは俺に大きめの包みをさしだした。

受け取るとずしりと手に重みがくるが、包みの中身は割と柔らかいものである。


実は燻製小屋を諦めた諸事情の正体がこれだったりする。


「ありがとうございます! おお……着てみても良いですか? あ、こちら代金です!」


包みの中身はこの時代の服である。

銀塊と引き換えに手に入れたそれは、いわゆる小袖と袴とよばれるものだ。

触れた感じかなり生地がしっかりしていそう……色も結構渋めで、落ち着いてて良さそうな気がする。


とりあえず着替えてしまおう。

風呂場の脱衣所でいいかな?



「この紐で裾上げするのかな」


着方はネットで調べていたのでなんとなくわかる。

でも見慣れないものは都度スマホで調べる必要があるね……この袴についてた紐は裾の丈を調整するものらしい。括り袴ってタイプかな? 作業するときは裾が長いと邪魔だから助かるね。


「おおー……これは結構良いんじゃ?」


10分ぐらい掛けてどうにか着ることができた。

あいにく脱衣所に鏡はないので、一部しか見ることはできないが……想像していたよりずっとよさそうな気がする。

ただちょっと派手かもな……さっき色も結構渋めで、落ち着いてて見たいな事を言ったが、受け取った時には気付かなかっただけど、結構模様とか入ってるんだよね。


おっさんだとさすがに派手だけど、今の体は若返っているわけで……そう考えれば悪くはないと思うのだけど。


とりあえず二人の感想聞こうかねえ。

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