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転生先は戦国時代でした。ただそろきゃんして、おいしくウィンナー食べたいだけだったのに  作者: 熊ごろう


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39話


「か、かたじけない…………ぶはぁっ」


受け取ったコップを空にした遊佐さんは、疲れた様子で丸太の椅子に腰を降ろす。

ちょうど難所を超えたところで用事を思い出したらしく、そこから一気に戻ってきたらしい。


そりゃ疲れるわ。


ああ、ちなみにコップの中身はちゃんと水なので安心してほしい。

いくら何でも納豆飲ませたりはしないよ。




「実はだな」


落ち着いた遊佐さんは改めてここにきた理由を語りだす。

せっかく急いできたのに遠回りになっちゃったねえ!



「赤井と緑谷がとんでもないものを持ってきてな……殿は大層気に入ったようであるが、あれは御子神殿の品であるな?」


何の話かなと思ったら、鏡の件か。

受け取って即献上した感じかなー……そして気に入ってくれたと。


出所は俺だってのは赤井さん緑谷さんに聞けばわかることだから、遊佐さんがわざわざ急いで来たのは念押し確認と……下手に市場に流さないでほしいとか、そのへんの話だろうかね。



「そうですね。一応は水車小屋の代金として渡したものになりますが。殿様に気に行っていただけたようで良かったです」


「む……」


一応献上品のつもりでしたよーと何となく伝えてみる。


伝わるかな……伝わってないかもな。

たんに代金代わりに出したんだなって思われて終わりな気がしなくもない。


「今後ともよろしくお願いします。ということで」


「なるほど。承知した」


そういって微笑んでみると、遊佐さんも微笑み……微笑み?


なんか悪そうな笑みが返ってきたけれど、伝わったということにしておこう。

うん、伝わった伝わった。



「ところで、あの鏡を再び入手するのは可能でなのだろうか?」


水だけ出すのもあれだし、俺も何か飲みたかったのでほっとな番茶を二人でしばいていると、そんなことを遊佐さんが訊ねてきた。


あの鏡ねえ結構高いんだよな。

小さいので良ければ問題ないのだけど、あの大きさはなかなか……。


まあ手には入れない訳ではない。

最悪、中古を買うって手もあるしね。


「大量には無理ですが、まあ可能です……その代わり種籾とか予定より減りますよ?」


「であろうな。なに、確認したかっただけで種籾減らしてでも入手してくれといった話ではないゆえ安心してほしい」


ふむ。

これはいずれ入手をお願いするって事かな。


この時代だと珍しい物だろうし、てか下手したら存在しない品だろうし色々使い道はあるんだろう。

まあ、頼まれたら入手するのもやぶさかではない。


代わりに温泉関係で何かお願いするけどな!

能登って結構温泉あるんだよね。ちょっと調べた感じこの時代でもがんばれば掘れそうな箇所もいくつかあった。


中には海岸沿いで釣りもできそうな所もあり、ちょっと目をつけていたりする。

楽しみだねえ。



「それでは今度こそ戻るとしよう」


遊佐さんはお茶を飲み干すと立ち上がり、そう言って今度こそもと来た道を戻っていった。

用事済ませたらすぐ戻るって城の人に行って出てきたらしいんだよね。

だから長いする訳にはいかないんだそうな。


その割には飯がっつり食ってた? それは確かにそう。


まあとりあえず遊佐さんの用事は済んだ分けだし、次に来るとすれば種籾を農家さんに渡す時とか?

もうしばらく先のことになるだろうね。


それまでに水車小屋は完成しているかな。

実際に動くところを農家の人に見せるのも良いかも。そして白米も味見して貰うと……もらった種籾を遊佐さんの指示に従って育てれば、美味しいお米がしかも大量に手に入ると分かればみんなのやる気にも繋がるんじゃなかろうか。


そうとなれば職人さんと人足さんには頑張って貰わねばならん。

うどんのレシピでも調べておくかねえ……。




そんなこんなであっという間にひと月が経った。


「予想以上に立派なのできたねえ」


果たしてこれを小屋と呼んでよいのだろうか?

大きく立派な水車とそれに負けないぐらい立派な建物部分、中には水車と連結した軸からなる精米の機構。

それだけではなく、川の水を畑のほうに持っていく揚水機能もばっちりついている。


おかげでわざわざ川のそばに行かなくても湯船に水をためることが出来るし、畑に水をまくのも楽になる。


良いことずくめだね。


あと水車で動かす土臼もついていて、これで籾摺りが出来るようになっていたのだ。

ひたすら杵と臼で突くしかないかなーって思っていたから、これにはほんと驚いたね。



「ささ、御子神様。ここの仕掛けを外してくだされ」


「ん、それじゃ外しますね」


んで今日は何をしているかというと、完成記念に動くところを見てみようってことで籾摺りと精米をしているのだ。

この日のためにもみ殻付きのお米も用意したんだよ。



「おぉー」


仕掛けを外すと水車動き出し徐々に回転速度を上げていく。

それに伴い水車小屋ないの格施設もゆっくりとではあるが、確実に動き出す……回り始めた土臼からはもみ殻と玄米が分離されていき、いくつも並んだ精米用の杵が持ち上がり、玄米を突いていく。


こちらは本当にゆっくり突いていくので、精米の進み具合はすぐには分からない。

一晩おかないとだめだろうな……でも今のところ上手く動いているように見えるね。引っかかるような動きもしていないし、明らかに異常と分かる音も出ていない。


あとはこれから植えて貰うお米を実際に炊いてみんなに振舞って味わって貰おう。

人足さんはほとんどが近辺の農家さんだったりするからね。よりお米作りに気合が入ること間違いなし……問題はあれだ。

なぜか遊佐さんも食べる気満々でいるので、用意したお米が足りるかどうか不安だ。

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