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転生先は戦国時代でした。ただそろきゃんして、おいしくウィンナー食べたいだけだったのに  作者: 熊ごろう


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35話「人をみかけで判断してはいけません」

何かの毛皮を着込んだ無精ひげで樽の様な体つきの男、それに痩身で妙に腕の長い目の下の隈が目立つ男、こめかみから顎にかけて爪痕のある筋肉質な男。

山賊の親分とその手下みたいな感じだねえ!



「赤井様から水車を建てるよう依頼を受けましてね……あっしが喜兵衛。向こうの二人が三郎と小太郎でさ」


どう撃退してやろうかと、頭の中でシャドーボクシングしていたら、山賊の親分がそういって頭を下げてきた。


どう考えても職人さんでした。まじですみません。


そもそも山賊みたいなのがここに近付ける訳ないよな。それに俺の名前知っているし。

ちょっと考えれば職人さんだなーと分かるはずだが……言い訳になるけど、見た目が山賊にしか見えないんだもん……もっと職人ぽい恰好してほしいぞっ。


まあとりあえず山賊じゃないと分かったので、要件を聞こうか。



「三人で建てるのですか? それとも今日は下見でしょうか」


「ええ、今日は下見ですぜ。まずはどこに建てるか決めて、それから人を集めて掘ったりなんだりするんでさ」


ふむふむ。

まあ、そりゃ最初に下見するよねって話だな。

てか掘ったりなんだりって、水車なのに掘るのか……? うーむ、水車をどうやって建てるとか分からんからなあ。

単に川の横に建てる訳じゃないんだろう。



「それで、どの辺りに建てれば良いので?」


「こちらです」


ここまで歩いてきて疲れているだろうし、お茶でも出そう……と思ったらさっそく仕事に取り掛かるようだ。


川まで切り開いた道を歩き、いつも風呂に使っているあたりに案内した。

……とりあえずボートは回収しておこう。


さっそく三人で川のそばをウロウロしながらあーでもない、こーでもないと始めたので、気配を消しつつボートを手にキャンピングカーまで戻ることにしよう。


わざわざここまで来て水車建ててくれるんだ、昼食の用意ぐらいしないとね。

まあ、これ以上人増えたらきついけど……その場合は汁ものだけとか、うどんとか色々手はある。


うどんお手頃価格だから助かるね。

寒いし煮込みうどんとか鍋焼きうどんとか良さそう。


まあ鍋焼きを大勢に出すのは難しいから、みんなに出すのは煮込みうどんだろうねえ。




「とりあえず10合でいいかなー」


どれぐらい食うのか分からんのよね。

一人3合には足らないけど、その分はおかずを工夫しようと思う。


「おかずは……あー」


しまったな。食えないものがあるか聞いておくべきだった。

お野菜とお肉たっぷりな回鍋肉とか、具沢山の卵焼きとかにしようかなーって思ったけど遊佐さんじゃないんだから、卵とかお肉だしたら怒られかねん。


とりあえず聞きに行くか。

よかった作り始める前に気が付いて。




「おつかれさまです。昼食のおかずのことで……」


川まで向かい、下見中の三人に声を掛けるが何やら様子がおかしい?

どうも地面をみて、まいったなーって感じで困ってそうだ。


なんだろうね。

地面が固くて掘れなさそうとかだろうか。



「何かあったんですか?」


「あ、こりゃ御子神様。気付かんで申し訳ねえ」


そう軽くを頭を下げたかしらは……かしらじゃないな喜兵衛さんは、頭をあげてすっと地面を指さした。

なにかあるのかな。ぱっと見は岩があるようにしか見えんけど。


「ここ、見てくだせえ。でけえ岩があるでしょう?」


あるねえ。

見たら分かるので、とりあえずふんふんと頷いておこう。


「水車に使うには水の流れが速いもんで、あそこからここらにかけて水路を通してえんですが……」


なるほど?

言われてみれば確かに川の流れははやいかも知れないな。

川岸であればそうでもないけど、ちょっと奥に行くとなかなか……そういや遊佐さん流されたぐらいだもんねえ。


そんで水路を通すと……ああ、進路上にもろ岩があるね。


「これが邪魔になると。取り除くには時間が掛かりそうです?」


「ええ、まあ出来ないことはねえ……です。でも固え岩なんで少し時間かかり、ます」


「なるほど……」


俺の問いに答えたのは痩身の三郎さんだ。

この人が岩の加工担当なのかな?

職人さんがそう言うのだから、この岩は見えている範囲が狭いだけで実際にはずっと大きくて深くまで埋まっているのだろう。


試しにげしげしと蹴ってみるが、若干動いたものの足に伝わった感触からしてかなりでかいと言うことが分かる。


……いやでもちょっと動いたよね?



「えい」


試しに近くにあった露出しているでかい岩に背をあずけ。足で強めに岩を押し出してみる……すると、バコォッと大きな音と共に岩が大きく動いた。

もっとも足を離したら元の位置に戻ってしまったが……でもいけるなこれ。


「ちょっと離れてもらっていいですかー?」


俺の言葉に三人はギョッとした様子で慌てて距離をとる。


よし、距離は十分とれたな……それじゃあ、気合いれて押し出しますかねえ。

てか、全力で何かやるのってこちらの世界に来てから初めてだろうか? ……まあ、押し出す軸線上に三人は居ないから大丈夫やろ。たぶん。



……まあ一応手加減はしとくけど。

そんじゃいっくぞー。



「ほい」


気合の抜けそうな声と共に、岩をさきほどよりも強めに足で押し出す。


すると、地面に埋まっていた岩が動き、ごろんと地面から転がり出てきた。

形は……チーズの塊に近いかな。パルミジャーノとかあの系統。

ただ大きさは大分違う。厚みは1mぐらいで、直径は2m以上はありそう……これ何kgあるんだろうね? 1トンは余裕で越えてそうだけど。


ほんとこの体はどうなっとんのだ。

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