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転生先は戦国時代でした。ただそろきゃんして、おいしくウィンナー食べたいだけだったのに  作者: 熊ごろう


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33話


悲しい出来事からひと月ほどが経った。

相変わらず雪が積もっており、年明けから今まで人が来る気配はない。


大量の砂糖を背負って雪道を歩くのはきついだろうし、おそらく雪がある程度溶けるまでは来ないんじゃなかろうか。

それはしらばく職人さんが来ないということも意味するが、仕方のないことだと諦めよう。


そして、俺にはもう一つ諦めなければならない事があった。



「水しかでない……あきらめるかあ」


すり鉢状に深く掘られた穴の中で、俺は足元にじわりと染み出る水をみてため息をつく。


「はぁ……せっかく掘ったのに」


掘った深さはおよそ20mほど。

重機でなければとても掘れそうにない穴であるが、俺の謎パワーと無尽蔵のスタミナがそれを可能にしていた。


丸一日掛けて掘った穴を今から埋めると思うと憂鬱な気持ちになる。

無駄に穴を掘って埋めるとか、どこぞの拷問かよって話だ。


はあ……埋めるかあ。




「疲れた……お風呂はいろう」


結局穴を埋めきった頃にはすっかり夜が更けていた。

ご飯を作る元気もあまりないので、今日は出来合いのものを摘まんで終いにするつもりだ。


それよりも今はお風呂に入りたい。土作業していたから全身土だらけだよ……。




「お、今回のは良い出来だねえ……」


湯船につかりダラダラしながら卵をぱくり。

表面が茶色のそれを口にすると、ふわりと煙の香りが口内にひろがる。


地面を均す作業もやれるところはやったので、前からやりたかった燻製に手を出してみたのだ。

そして見事にはまり、毎日のように燻製を作っている……ちなみにこれがさきほど穴を掘っていた理由につながる。


どういうことかというと、燻製の煙によって俺自身も燻されてしまい洗濯やお風呂の回数が増えてしまったのだ。

なのでせめてお風呂を楽して入ろう……温泉あればいつでも入れるし、準備しなくて良いんじゃね? となり、掘ったらでないかなーと実際掘り進めてみたのだ。


まあ、冷静に考えたら出るわけないよねえ!

ふつうは数百mとか数千mとか掘らないと出ないだろうし、何もせずに自噴している温泉とかレアだよ。


……そのレアな自噴温泉がこの時代の能登にはあるにはあるんですけどね。

現代でいつか入りたいと思っていた温泉でもある。


そこ行けばいいじゃん? ってなるだろうけど、それにはいくつか問題がある。

まず場所が七尾市なので……能登畠山の本拠地ってこと。

そして致命的なのが、湧き出ているのは海中ってことだ。


現代では整備して使えるようにしているし、戦国時代でも確かそうなんだけど……本格的に整備するのは実はまだまだ先の話だったりする。


「何か献上したら使えるようになったりしないかなー……」


まあ、まず無理な話だろうて。

なので諦めるっきゃないって話……悲しみ。



…………可能性は0じゃないけどさ。

いくつか出せるものはあるんだけどね。影響でかそうだなーって……畠山義総はかなりすごい人らしいし、文化人でもあったらしい?

でも結構えぐいこともしているし、その辺りはしっかり戦国武将だったりもする。


だから出すなら影響低そうで、それでいて喜ばれそうなものが良い。

さっぱり思い浮かばんけどねえ!



「……アイスでも食うか」


色々考え事していたらのぼせてきた。


「みかん味おいしいな」


実はこのアイス手作りだったりする。

冷凍ストッカーを使わず放置しておくのもあれなので、アイスを大量に作ってみたのである。

バニラはもう作ったので、今回はみかん果汁を混ぜ込んでみたがなかなか当たりだね。


アイスあげたら源泉使わせてくれんかなー。

ないよなー……ないよなあ。


とりあえず砂糖を引き取りにくるまでもうちょい掛かるだろうから、何かしら良い案を考えておこう。

温泉入りたい。




そして1月が終わり、2月に入って数日のこと。

しばらく雪が降らなったこともあって、地面がちらほら見え始めたころに待望の商人さん……弥七さんと為吉さんがきた。


どうやら職人さんたちは雪がもっと無くなってからくるそうだ。

道具も持ち込むだろうから、雪があると大変なのだろう。



そして取引のほうはまたあっさりと終了し、前回よりも大きな銀塊を代価として頂いた。

で、さっそくとばかりに二人に自噴している温泉について尋ねてみた。


一応ネットで調べるとある程度情報は出てくるけど、出てきた情報があっているかどうかは分からないからね。

現地の人に聞いて確認しようって話である。



「涌浦の湯のことでございますな」


「守護様が石で囲い取湯出来るようにしたとは聞いておりますが。入用でしょうか……まさかどこか傷を負われたのですか?」


おお……?

ちょっぴり整理されているっぽい? 取湯ってことは、温泉ゲットして入ることも可能ってことだよね。

やるじゃん畠山義総……守護様ってことは畠山義総であってるよな?


これはワンちゃんあるかも知れない。

さっそくここ数日考えていた案を披露する時がきたようだ。


っと、その前に怪我した訳じゃないと誤解を解いておこう。

湯治というか、単に温泉入りたいだけなんで……。

体調崩しまして、おそらく明日の更新は無理そうです(´・ω・`)

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― 新着の感想 ―
こんばんは。 水が出たのなら、埋めずに将来井戸に……あーでも素人に井戸作成は無理か~…。
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