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女も子供も家督不可? 追放先の自治領を立て直したら、いつの間にか天下を取っていました  作者:


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第72話:投降の鐘

 早朝の王都に、鐘が鳴った。


 一つ。二つ。三つ。


 夜明けの第三鐘。作戦開始の合図だ。


 私はいま、仮本営の天幕でこの音を聞いている――わけではない。


 南街道を走る馬車の中で、だ。


 仮本営は南門から街道沿いに半里。私の馬車は仮本営を経由せず、南街道を直進して王都南門へ向かっている。本営に寄る時間が惜しかった。体力値十二の身体で、無駄な動線は取れない。


 カイから鏡信号の中継が来ている。ミナが受け取って読み上げてくれた。


「えっと……『配置完了。継承者、城門前に到着済み』……だそうです」


 もう始まっている。


 レオンが城門前を仕切り、継承者が恩赦条項の読み上げに臨んでいる頃だ。私が着く前に、最初の局面は動く。それでいい。全部を自分の手で回そうとするのは属人の極みだ。


 でも――現場には行く。


 体力値、十二。


 ステータスオープン。


 数字は(うそ)をつかない。十二は十二。普通の人間なら寝込んでいるレベル。でも私は普通の人間じゃない。転生チート持ちの、元未成年領主にして自由都市連盟の盟主。


 起き上がれるなら、行く。


 それが実務だ。


「ミチカ様、お水を……」


 隣でミナが水筒を差し出してくる。その手が震えている。私よりよっぽど顔色が悪い。


「ありがとう。大丈夫、まだ立てる」


「まだ、って……」


 ミナの目に涙が(にじ)む。泣かないで。泣かれるとこっちの気力まで持っていかれる。いや、むしろミナがいるからストレス値が下がって体力が十二まで回復したんだけど。


 ……恩は返す。全部終わったら。


 馬車の窓から、王都の城壁が見えた。


 もうすぐだ。


―――


 ――第三鐘の、少し前。王城正門前。


 朝陽はまだ城壁の向こうにあった。空だけが白み始めている。


 レオンは息を整えていた。


 城門前の石畳に、兵が三列で展開している。連盟の治安隊と、第一宰相派から合流した近衛の一部。総勢六十名。


 だが武器は抜いていない。


 これは攻城戦ではない。投降を促す制度戦だ。


「レオン殿、配置完了しました」


 副官の報告に(うなず)く。正門前に治安隊。東の裏門に近衛十名。西の搬入口にフリードリヒ隊の五名。リオは東街区の市場封鎖解除と物資確保に回っている――城が落ちた後の民の暮らしを止めないための別働だ。


 全ての出口に、投降受付の机と書類が置いてある。


 恩赦手続きの書式。ユリウスが昨夜徹夜で整えたものだ。


「護衛対象。接近」


 カイの短い声が耳に届いた。振り返ると、南門寄りの野営地から、一人の人影が歩いてくる。


 王位継承者だった。


 朝焼けの薄明を背に、まっすぐこちらへ向かってくる。その足取りは――正直に言えば、頼りなかった。


 だが、来た。


 レオンは知っていた。


 昨夜、継承者の天幕に明かりが灯り続けていたことを。


 見張りの報告では、深夜に一度、天幕の入口が開いた。


 外を見て――そして閉じた。


 馬も、街道も、闇に紛れる時間もあった。


 逃げる手段はあったはずだ。


 それでも朝を迎え、自分の足で城門の前に立つと決めた人間が――来た。



 レオンは敬礼した。


「お待ちしておりました」


「……レオン殿。手が、少し」


 継承者が自分の右手を見下ろした。震えている。白い指先が、朝の冷気のせいだけではなく、細かく揺れていた。


「震えております。情けない話です」


「いえ」


 レオンは言葉を選んだ。選んで、結局短く言った。


「震えたまま立てる方が、よほど」


 継承者が顔を上げた。少しだけ、目の色が変わった。


「……ありがとう」


 その背後から、ユリウスが書類の束を抱えて現れる。


「準備完了。恩赦条項、全十二条。城壁の上にも聞こえるよう、声を張ってください。……できますね?」


 継承者は頷いた。


「やります」


―――


 城門は閉ざされたままだ。


 分厚い(かし)の扉。鉄の補強板。その向こうに、およそ四十名の籠城兵がいる。


 ――いや、「兵」と呼ぶのは正確じゃない。


 ユリウスの事前調査で判明している。半数以上が元使用人。料理人、庭師、侍従、洗濯係。武器を持たされ、門を守れと命じられた人たち。忠誠心は薄く、恐怖だけで(つな)ぎ止められている。


 怖いんだ。投降したら殺されるんじゃないかって。


 だから、言葉がいる。制度がいる。


 継承者が城門の前に立った。


 深く息を吸った。


 城壁の上に向かって、声を張った。


「城内の皆に告げます。私は――王位継承者として、ではなく」


 一瞬、言葉が途切れた。


 震える手を、もう片方の手で押さえた。


「――連盟評議会が承認した、制度の執行者として、ここに立っています」


 城壁の上に、人影が動いた。(のぞ)き込むように、こちらを見ている。


 レオンは継承者の背中を見ていた。逃げようと思えば逃げられた――昨夜、何度もそう迷ったに違いない。あの天幕の明かりが、それを物語っていた。けれどこの人は、ここに立つことを選んだ。


 継承者は続けた。


「投降する者には、恩赦条項に基づく処遇を保障します。これは私個人の約束ではありません。連盟規約第十四条、投降兵処遇規定に基づく、制度としての保障です」


 ユリウスが横で小さく頷いた。


「具体的に申し上げます。第一条、投降者の生命は無条件に保障されます。第二条、武器を置いた時点で戦闘員としての責任は免除されます。第三条――」


 一条ずつ、読み上げていく。


 血筋の権威じゃない。王族だから従えという話じゃない。


 制度が保障する処遇。書式があり、手続きがあり、誰が執行しても同じ結果が出る仕組み。


 城壁の上の人影が増えていた。


 五人、六人、七人――。


「――第十二条。恩赦を受けた者は、労役編入の後、連盟市民としての権利を段階的に回復するものとする」


 読み上げが終わった。


 声は枯れかけていた。最後の数条は、喉を絞るようにして出した音だった。


 沈黙。


 城壁の上で、誰かが泣いているのが聞こえた。


―――


 最初の投降者は、裏門から出てきた。


 五十代の男。元厨房(ちゅうぼう)長だった。エプロンをつけたまま、両手を上げて門から出てきた。


「……もう、嫌なんです。剣なんて持ったことない。料理がしたいだけなんです」


 レオンが受け止めた。


「恩赦手続きを行います。ここに署名を」


 机の上に書式を広げる。厨房長の手も震えていた。だが、名前を書いた。


 一人目。


 レオンは手続きを終えた厨房長に毛布を渡し、安全区域へ誘導した。近衛兵が温かい(かゆ)(わん)を差し出すのが見えた。厨房長はそれを受け取り、両手で椀を抱えて――泣いた。


 城壁の上から、その光景が見えていた。


 殺されない。本当に、殺されない。


 二人目が裏門から出てきたのは、その直後だった。


 正門の脇の小扉から三人。西の搬入口から一人。最初の一人が無事だったという事実が、城壁の上の恐怖を溶かしていく。


 次々(つぎつぎ)と。


 ユリウスが手続きを(さば)き、レオンが身体検査と武装解除を行い、近衛兵が投降者を安全区域へ誘導する。


 流れるように、制度が動いていた。


「十七。完了」


 カイが静かに数えた。


 そのとき、城内から怒号が響いた。


「裏切り者どもがッ! 王璽はこちらにある! 門を開ける者は反逆罪だ!」


 残党幹部の声だ。レオンは拳を握った。ユリウスの事前調査によれば、あの男の忠誠心はとうに枯れている。残っているのは権力への執着だけだ。王璽を握っている限り自分は正当だと信じている。


 投降の流れが一瞬止まった。


 城壁の上にまだ残っている使用人たちが、(おび)えた顔でこちらを見ている。


 継承者がすぐに動いた。城壁を見上げ、枯れかけた声を絞り出す。


「――皆さん。王璽が誰の手にあっても、恩赦の効力は変わりません。これは王璽に基づく勅令ではなく、連盟規約に基づく制度保障です」


 ユリウスが間髪入れず補足した。声を張り、城壁の上にも届くように。


「連盟規約第十四条第三項。恩赦の発効要件は評議会の承認と執行者の宣言であり、王璽の押印は要件に含まれない。法的に――あの男の脅しには、何の根拠もありません」


 城壁の上で、誰かが動いた。顔を見合わせている。


 しばらくの沈黙のあと――正門脇の小扉が、再び開いた。


 若い侍従が、震えながら出てきた。


 投降の流れが、戻った。


 その瞬間、カイの懐で小さな光が瞬いた。


 鏡信号。


 城内の協力者――元近衛副長ヴェルナーからだ。


 朝陽が城壁の東棟を照らし始めた時間帯。


 ヴェルナーは東棟二階の窓から、差し込む朝日を利用して城外へ信号を送っていた。


 城壁の構造上、東棟の窓は外壁より高い位置にある。


 日光の反射角が確保できる、わずかな時間を狙った信号だった。



 カイが信号を読み取り、短く告げた。


「王璽局。金庫室。二階、東棟。警備三名」


 王璽の所在が、特定された。


―――


 ――そして。


 南門から、馬車の音が聞こえた。


 車輪が石畳を(たた)く音。一台の、何の変哲もない連盟規格の輸送馬車。


 門前の兵たちが振り返る。


 馬車が止まった。


 御者台からミナが飛び降り、慌てて扉を開ける。


「ミチカ様、お手を――」


「大丈夫」


 短い声。


 馬車から降り立ったのは、小柄な少女だった。


 顔色は白い。足元はふらついている。体力値十二の身体。普通なら立っていられない。


 だが、立っていた。


 まっすぐ前を見て、城門前の全員を見渡して。


 一言。


「視察です」


 レオンが駆け寄ろうとして、ミチカの目に止められた。あの目だ。「任務に戻れ」という目。


 ユリウスが苦笑した。


「……視察、ね。体力値いくつで来たんですか」


「十二」


「正気じゃない」


「実務です」


 はい、会話終了。いつもの調子だ。体力値が一桁だった人間とは思えない。


 到着してすぐ、カイから簡潔な報告を受けた。継承者の恩赦条項読み上げ、十七名の投降、残党幹部の妨害と継承者の再説得、ヴェルナーからの鏡信号――ここに来るまでに起きたことの全容。馬車内で中継を受けていた内容と照合する。齟齬(そご)なし。


 ステータスオープン。


 城内の残存者をスキャンする。


 ――残党幹部の周囲、残り二十三名。うち戦闘意思があるのは幹部含め七名。残り十六名の忠誠値が……崩壊している。


 さっきの投降の波を見たんだ。仲間が次々と出ていくのを見て、残った者たちの心が折れかけている。


「忠誠値、崩壊してます。残党幹部に従う意思がある者、七名。残りは機会があれば投降する」


 数字を読み上げると、ユリウスが即座に計算した。


「七名なら突入で制圧可能。ただし王璽の破壊リスクがある。幹部が自暴自棄になれば――」


「だから明朝」


 私は言った。


「今夜中に投降をさらに促して、幹部の周囲を削る。明朝、最小限の突入で王璽局金庫室を確保。目標は王璽の無傷回収」


「……了解」


 レオンが頷いた。カイも無言で頷く。


 よし。ここからが本題だ。


「ユリウス、証拠物の公文書分離手続き、準備できてる?」


「当然。昨夜のうちに書式は整えてある」


 私はインベントリを開いた。


 格納してある証拠物――裏帳簿の残存分、偽遺言状、封蝋(ふうろう)分析記録、第二宰相邸から回収した帳簿の写し。


 これらは今、私のインベントリの中にある。つまり、私が死ねば消える。


 体力値十二。明日の突入がある。何が起きるかわからない。この身体がいつ限界を迎えるかも。


 だから、今日中に出す。全部出して、物理的に分離して、公文書として独立させる。私が倒れても、証拠だけは残る。制度の中に証拠を置く。属人の能力から、仕組みの保護下へ。


 ――それが、私にできる最後の実務かもしれない。


 インベントリから一つずつ取り出す。目視して、手で動作して、格納を解除する。この制約は最初から変わらない。便利だけど万能じゃない。だからこそ制度で補う。


 ――ただし。インベントリの格納解除には、体力とは別の負荷がかかる。集中力だ。ステータス上の体力値は肉体の総合的な消耗を示す数値だけど、格納解除のたびに削られるのは精神の集中――いわばMPに近いもの。数値には直接出ない。でも身体には出る。


 帳簿の束が実体化した瞬間、指先に(しび)れが走った。


 小さく息を吐く。視界の端が一瞬白く明滅する。集中力の消耗が、神経に直接きている。大丈夫。まだいける。


 封蝋の分析書を取り出す。今度は手首まで痺れが昇ってきた。握力が落ちている。ユリウスに渡すとき、指が滑りかけた。


「――しっかり持ってくださいよ。落としたら始末書ですからね」


 ユリウスの声。いつもの皮肉。でも、受け取る手が素早かった。落とさせるつもりはない、という手つきだった。


 一点ずつ、ユリウスが受け取り、公文書番号を振り、継承者とレオンの連署で封印する。


「公文書管理番号〇六九ー〇一、裏帳簿残存分。封印完了」


「〇六九ー〇二、偽遺言状原本。封印完了」


「〇六九ー〇三――」


 五点目を取り出したとき、膝が笑った。


 ミナが小さく悲鳴を上げた。「ミチカ様……!」


「――立ってる。大丈夫」


 歯を食いしばる。体力値の数字には出ない消耗がある。集中力を絞り出すたびに、身体が悲鳴を上げる。指先が冷たい。視界が狭い。それでも手を動かす。


 六点目。七点目。


 全七点の分離が完了したとき、私の体力値は十一に落ちていた。


 体力値の減少はたった一。でもそれは総合消耗の反映にすぎない。集中力の底はとっくに見えている。数字に出ない疲弊が、骨の髄まで染みている。


 ミナが心配そうにこちらを見ている。


「……終わった。全部、制度の側に移した」


 これでいい。証拠は私の能力から切り離された。誰が管理しても、制度が証拠を守る。


 属人じゃない。仕組みで守る。


―――


 証拠の分離が終わってから、私は城門前に留まった。


 やることはまだある。スキャンで城内の忠誠値変動を監視し、投降の兆しが見えた者の位置をカイとレオンに伝える。どの出口に近いか、どの時間帯に幹部の監視が薄れるか。数字が見えるなら、数字で道を作る。


 継承者は城壁に向かって語りかけ続けていた。恩赦条項の繰り返しではない。もっと個別の、一人一人に向けた言葉だった。


「厨房にいる方――温かい食事を、外で用意しています。あなたが作る側に戻れるよう、手続きを整えています」


「庭師の方。城の庭は、あなたが手入れしていたのでしょう。その仕事は、投降後も失われません」


 枯れた声で、何度も。


 城壁の上から、ぽつり、ぽつりと人が降りてきた。


 昼を過ぎた頃、カイから別の報告が入った。


「リオより伝令。東街区市場、封鎖解除完了。穀物商三軒、営業再開。――伝言。『市場の肉屋のおっちゃんが泣いて喜んでた。城が片付いたら打ち上げの食材は任せろだって。請求書はそっちに回すから、よろしく』」


 ……リオらしい。


 ユリウスが眉を上げた。「打ち上げの請求書を連盟に回す気か、あいつは」


「経費で落とします。民心安定のための必要経費」


「……まあ、市場が動いているなら上出来だ」


 民の暮らしが止まっていない。それが一番大事だ。城の中で何が起きていても、城の外では市場が開き、パンが焼かれ、子供が走り回っている。それを維持するのがリオの仕事で、それができているなら――この作戦の半分は成功している。


 午後、投降は断続的に続いた。二人、三人の小グループで。幹部の目を盗んで、裏門や搬入口からこっそりと。スキャンで確認するたびに、城内の残存数が減っていく。


 日が傾き始めた頃、投降者は合計三十一名に達していた。


 城内に残っているのは、幹部を含む十二名。うち戦闘意思があるのは依然七名。


 仮本営の方角から、見慣れた長身の影が歩いてきた。ノアだ。


 仮本営では通信の集約と兵站(へいたん)の調整を一手に引き受けていたはずだ。城門前の投降処理が軌道に乗り、仮本営側の指揮をフリードリヒに引き継いで来たのだろう。


「ミチカ殿。仮本営の状況を報告します」


 到着するなり、簡潔に。ノアらしい。


「補給線は安定。南門からの物資搬入に問題なし。投降者用の収容区画は三十五名分を確保済み。明朝の突入に備え、予備の衛生兵を二名、城門前に配置する手配を完了しています」


「ありがとう。助かる」


 ノアは小さく頷き、地図を広げた。仮本営で整理してきたのだろう、城内の構造図に書き込みが加えられている。


「明朝の作戦概要をまとめました。第一鐘で突入。目標は王璽局金庫室。レオンが正面、カイが地下通路から挟撃。ヴェルナーが内部から金庫室の警備を撹乱(かくらん)。所要時間は十分以内」


 全員が頷く中、私は継承者の方を見た。


 城門前に立ち、一日中使用人たちに語りかけ続けた人。声は枯れ、手はまだ震えている。朝から何時間も、投降者の一人一人に「ありがとう」と繰り返していた。


 でも、逃げなかった。


「継承者殿」


「……はい」


「一つ、聞いてもいいですか」


 夕陽が城壁を赤く染めていた。投降者たちが安全区域で温かい食事を受け取っている光景が、遠くに見える。


「明日、王璽を取り戻したら。あなたはその印を使って、何を押しますか」


 継承者の表情が強張った。


「委任状ですか。即位勧告ですか。それとも――」


 私は真っ直ぐにその目を見た。体力値十一。立っているのがやっとだ。でも、この問いだけは今しなければならない。


「仕組みで継ぐ覚悟は、ありますか」


 血筋じゃなく。王族だからじゃなく。制度として、合議として、民の署名の上に立つ統治者として。


 継承者は口を開きかけた。


 そして――閉じた。


 沈黙。


 夕陽が沈んでいく。城壁の影が石畳を覆う。


 継承者は何も答えなかった。


 答えられなかった。


 ……いい。今日じゃなくていい。


 でも、明日の突入が終わるまでには。


「明朝、第一鐘」


 レオンの声が、静かに響いた。


 王璽奪還作戦まで、あと数時間。


 そして城内に残った幹部が、王璽を破壊する可能性は――ゼロではない。

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