連携
特別攻撃隊員のおよそ半数は弓術士。
パウルスの周知により、敵軍の異状を確認した彼らの行動に変化が生まれた。
腕の立つ者、体力に余裕のある者は、逃走しつつ弓を引き、迫りくる敵兵へと振り向きざまに矢を放つことを始めた。
そしてその行為は、敵の追撃に対する牽制の効果を、少なからず上げた。
一方でパウルスは全局を見渡し、自らの進路をやや修整した。
自軍の弓術士のうち、特に精度の高い動きをしていた者と併走するように――つまり、敵兵の接近が比較的困難と見られる位置取りを行った。
だがそうしているうちにも、ウェナジオ兵たちの猛追は、少しずつその距離を縮めていた。
特別攻撃隊員のうち体力の劣る者、すなわち隊の後方に居た者は、一人、また一人と、ウェナジオ軍が剣兵の手にかかり、斃れていった。
さりとて他方、特別攻撃隊の先頭集団は、遂に念願の森林地帯へと突入――!
また程なくして、パウルスと、隣を行く実力派の弓術士、そしてその周辺を走る者たちも、森林地帯まであと一歩のところまで到達――が、しかし!
ウェナジオの剣兵が二名、相当な駿足で迫っていることを、パウルスが視認!
あの速さを放置は危険ッ――いや、左側の剣兵――あの物腰は素人ッ!
パウルスは弓術士に一言を発して彼に命運を託し、踵を返した。
「右を頼みます」
果たしてパウルスは左の敵兵へと突撃!
パウルスは自らの剣にて相手の剣を打ち払い、返す刀で斬り倒し――傍目に映ったもう一人の敵兵、その顔は苦悶の表情!
そしてその左腿には、この上なく正確に射抜かれた一本の矢――!
間髪を容れずパウルスはそこへ突進、一刀のもとにその首を斬り飛ばした!
パウルスと実力派の弓術士、互いに名も知らぬ者同士の連携が、鮮やかに決まった――!




