噂
スクドゥマ軍の大将は、ブラナテラ軍の働きを大変に称賛した。
何せ自国の軍勢が手を焼いた、カエロヌ秘蔵の長槍軍隊を、崩壊へと至らしめる契機を作り上げたのだ。
そして今回の戦で、カエロヌ軍の懐へ切り込んだ剣術小隊――つまりヤコブ小隊は、次なる応援の機会があれば是非にも派遣してほしいと、直々の指名を受けた。
また、この頃からパウルスは、ブラナテラ軍のうちで噂される存在になりつつあった。
パウルスが、カエロヌ軍の槍兵を相手に見せた、全身を膝より低い姿勢に保っての突撃――これを真似てみようとした者がいたが、およそ実現できない。
そこへ来て、過日、パウルスがリーベルタとの会戦で見せた、俊足の目撃者が現れた。
曰く、パウルスは陰で相当な鍛錬を積んでいるのだとか、天才的な実力を普段は隠しているのだとか、さまざまな憶測が、ちらほらと聞かれるようになった。
当のパウルスも、そういった話のあることを察してはいたが、それは彼の興味の外であり、本人はまったく意に介していなかった。
そうしているうちに、スクドゥマ王国からの応援要請が、時を待たずして訪れた。
■あとがき
いつも本作をお読みいただき、誠にありがとうございます。
お陰様でアクセス数やブックマーク数、さらには評価まで、日ごとに何かが増えていっており、それが本当に励みになっています。
さらには! 先日、作品名でエゴサしてみたところ、本作をおすすめとして挙げてくださっている方が!!
嬉しすぎました。書き続けていてよかった……。
さて、今回にて本章は完結。
次回より新章に入ります。
そろそろ作品名の通り、パウルスの存在感が少しずつ増して来ました。
そして次章は、本作初の攻城戦が舞台となります。
それでは、今後もお楽しみいただけるよう、引き続き努めてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。




