侵入
何が起こった――!?
パウルスの地を這う突撃を目の当たりにした全員が、思いを同じくしていた。
だが今は、カエロヌが槍兵軍団と、ブラナテラが剣術小隊の接触戦が最優先!
しかしカエロヌの槍兵は、懐への侵入を許したブラナテラの剣術士に対し、抗う術がないに等しい状況であった――!
槍兵は、その槍の間合いの内側へ入られた場合に備え、短剣を所持してはいる。
が、当然、長剣に対しては不利。
何より、ブラナテラの剣術士たちが強い――!
彼らは互いに背中を預け、複数の短剣を同時に捌き、カエロヌの槍兵を斬り倒し、易々と布陣の中ほどまで進みゆく!
カエロヌ軍は、その大半が槍を携え、密集した陣形をとっていたことが、仇となっていた。
つまり布陣の中央まで剣術士の侵入を許した今、散開して槍の間合いを作ることができない――!
しかもブラナテラの剣術士たち、その働きぶりが巧妙!
せめて周囲の槍兵たちをすべて斬り倒してくれれば、槍を向ける距離が作れようところ、それを行わない!
周囲の槍兵を斃しつつ、しかしその一部は捌くに留め、全員を倒しきることをしない!
そうしてカエロヌ軍は、布陣内部の対応に追われ――すると当然、外側の構えが甘くなる――!
そこにスクドゥマ軍の、そしてブラナテラ軍の撹乱部隊がつけ込み、カエロヌ軍は大混乱へと陥った――!




