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剣帝と呼ばれた一兵卒  作者: もやひと
レクスパトリアの戦い
68/152

提案

「敵はやはり槍兵の集団です。その構成は、全員が槍兵と言っても差し支えないほどです」

 パウルスは小隊に戻るなり、隊長ヤコブへ、そして隊員たちへ、そのように報告した。

 それを聞いてヤコブは答えた。

「なるほど。ではカエロヌ軍が到達次第、一応は交戦に出よう。だが、無理はしてくれるな。必要以上の危険を冒したところで、その効果は薄いだろう。今回は相手が悪い」

 もっともな内容だった。

 ――が、パウルスはそこへ提案を持ち掛けた。

「いえ――私に策があります。成功率も高く、それで恐らく敵軍は崩壊します。ただし、小隊全員での協力が不可欠です」

「――詳しく聞こう」

「ありがとうございます。まずは、私が単独で突撃し、敵の布陣を乱します。そこに隙が生じたら、すぐに続いてください。そうして敵陣の中央まで切り込みます。それが実現したときは、隊長、私の背中を預かっていただけますか」

 パウルスの話を聞いたヤコブは、少考してから答えた。

「――確かに、敵の懐まで到達できれば、あとは易い仕事だろう。だがしかし、単独にて突撃し、敵の布陣を崩す――可能なのか」

 ヤコブの問いに、パウルスは言った。

「――奥の手を使います」

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