64/152
膠着
カエロヌ軍の主力は長槍隊であった。
実に兵士のうち、八割が槍を携えていた。
さらに特筆すべきは、その獲物の長さ。
その殆どが一般的な槍より長く、最大では、一般的なそれの倍近くはあろうかというものまでがあった。
また切っ先も多様な形状をしていた。
通常の刺突を主にする短剣のようなものから、返しのある刃、斬撃が可能な斧のようなものまで、それは実に様々であった。
そこからは、槍の開発に相当な注力をしていたであろうことが窺えた。
そして、スクドゥマ軍はそれを見て、その意図するところを汲み取った。
要するにカエロヌは、兵力を減じたくないのだ。
距離を保って戦うことにより、人的被害を抑えようとしている。
対するスクドゥマ軍の構成は、剣、槍、魔法、弓、それぞれの兵を、概ね均等に持っていた。
果たして、交戦が開始され、スクドゥマ軍は予定通り市街の内へと後退したが、カエロヌ軍は進軍を停止、市街地へと足を踏み入れようとしなかった。
戦いは、しばし膠着状態へと陥った。




