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罠
敵は、罠を張っている――!
万一に備えて『衝撃』の詠唱を完了させていたことが、紙一重でパウルスの命を救った。
彼は、自らを除いて小隊が全滅したことを認めると、再び『衝撃』の詠唱を行いながら、本陣へ戻るべく走った。
この報告は急務。巧みに隙を誘い、そこを陥れる――罠の張り方が尋常ではない。
あの、槍と魔術の混成部隊。
その構成と数すら、こちらがやや有利に映るよう、計算され、仕向けられたものだったとしたら――。
パウルスの推理は、果たしてその通りであり、事態は智将トゥッリスの思惑通りに運ばれていた。
パウルスが本陣へ辿り着くと、ほぼ同時に、中央通りからも生還者が4名、本陣へと戻ってきた。
聞けば、やはり東通りと同様の手口により、小隊は壊滅させられたという。
パウルスと中央通りの生還者たちは、事の次第、並びに各々の考察を、大将ルドヴィクスへと報告した。
そして、西通りへ向かったテオドルス小隊――彼らはついに、誰一人として戻らなかった。




