僕(オレ)、無事に誕生を迎えました。
闇に落ちた意識がゆっくりと戻ってくる・・・目を開くと、やたらと明るい。
「ここは・・・?」
確かにそう言った、つもりだった。
「ほぎゃ、ほぎゃあああ」
はい?僕の声ってこんな赤ちゃんみたいだったかな?しかも言葉も話せてないし・・・
「おお!何と元気な男の子なんだ!きっと立派な跡取りになるぞ・・・」
「奥様、お見事でございました」
幾つもの声が聞こえてくる。
「初めまして、私の愛しい子・・・」
僕の身体を包み込む優しい感触・・・そうか、僕は転生して赤ちゃんから始まるのか━━
「さて、我がヴィルトネス辺境伯家の跡取りに名前を付けなくては、な」
この声の主が僕の父親か・・・中々渋いいい声だな・・・
「デュラハーン・・・バルバトス・・・ゲイボルグ・・・」
何だか物騒な候補が並んでるが・・・大丈夫なのか?
「よし、レオノアにしよう!偉大なる獅子王の咆哮・・・どうだ?」
おいおい、随分と大きく出たな・・・
「素晴らしいですわね。素敵な名前がついたわね、レオノア」
母親も納得したらしい。ならいいか・・・良かった、ト〇ヌラとかじゃなくて。
「して、我が子の能力値は・・・」
父親が僕の胸の辺りに手をかざす。
『能力鑑定』
かざした掌から、青白い光が出てきて、僕を照らす。
「・・・な、何だコレは・・・!?」
「この子は一体・・・大丈夫なの!?」
両親からそれぞれ驚嘆の声が漏れる。
「"全属性適応"・・・だが"起用貧乏"だと・・・!?」
「この"無敵"って!?なのに"攻撃力1"ですって・・・!?」
あー、そう言えばそんな能力も取ったよね・・・
「だが、"最大HPダメージ"と、"光速"などというのもあるぞ・・・こんなに多数の能力を持つ者など初めてでは無いのか!?」
両親が唖然と立ち尽くしている・・・ちょっとばかり【やり過ぎ】てしまったみたいだ。
「この子は神々の恩寵をうけている・・・」
「そうね・・・きちんと試練となる能力をお付けになりつつ、最高の能力も併せて下されてますものね」
うん。そこは恐らく合っていると思うよ。
「きっとこの子は英雄と呼ばれる男になるぞ!ふはははは!」
まあ、結果として喜んで貰えてるようなので良かった、かな。
こうして、僕は辺境伯家の息子、レオノアとして無事にこの世界に生を受けた。でも・・・
(当分は赤ちゃんなんだよなぁ・・・)
そんな事を考えながら、取り敢えず決めた事は・・・
(まあ、先ずは寝るか・・・出来る事も特に無いし・・・)
赤ちゃんライフを送る、そこに辿り着いていた。




