見長省己①
この地域は女性が工場などに出稼ぎに行っている間、子ども達を集団で見守るという経済構造と文化が根付いていた。
ディアナ「皆さん!こんにちは!」
子ども達「こんにちは!!」
ディアナ「今日から、わたし、アナお姉さんとこっちのドナお姉さんとで皆んなと楽しく遊んじゃいまーす!」
子ども「アナお姉さん可愛い!」
子ども「アナって、あれだよね!バァルジモア艦隊の1番偉い人の片腕で戦略とか立てる頭のいい人と同じ名前なの!?」
ディアナ「ふ、ふ、ふ、お姉さんは頭がいいってほめられるより、かわいい!ってほめられるほうがうれしいかな!」
子ども達「アナお姉さん!可愛い!可愛い!」
エキドナ(…貴方が戦略的構想を練るなんで実態から程遠いでしょう…)
ディアナ「ほら、エキドナも子ども達にあいさつして。」
エキドナ「み、皆さん、こ、こんにちは、かな、、、
ドナお姉さんだよー」
子ども達「…」
エキドナ「あ、あれー、皆んなどうしたのかなー?ドナお姉さんも可愛いでしょう?」
子ども「…かわいいっていうかこわい…」
子ども「なんか魔女みたい…」
エキドナ「!?!?!?」
エキドナは過去最大の強敵と対峙しなければならなかった。
ディアナ「…エキドナ、子ども達を怖がらせちゃダメだよ…
子ども達の信頼を得るのがわたし達の仕事なんだから…」
エキドナ「り、理解してるわよ!私だって子供に懐かれた経験ぐらいあるわよ!」
ディアナ「…じゃあ、どうするの?」
エキドナ「そ、そうね…
(…子供慣れしているディアナが隣にいる状況で経験不足の私が同じ動作を真似るのは無意味だ…
…ディアナには無い私の長所を主張し、子供達の注意を引きつけて私の価値を理解させる事に順応させる!
…何ら難しい事は無い…未知の体験に挑んだ経験など数える必要すらない!私の生き方そのものが未知の体験を求めてきたからだ!)
よし!じゃあね、坊や達、魔獣の発生の環境要素の変動過程と外的要因の変動から来る対策の静的及び動的傾向、なんてどうだろう?」
子ども「…何それ、…魔獣なんて会いたくないよ…」
エキドナ(…ミラド少年やファルスナルドの孫は変わり者だったのかな?…)
旅の所作ではポンコツのディアナも自分の得意分野では実力を発揮し、子供達の人気を獲得していた。
一方で、エキドナは孤立していた。社会から馴染めないならば自分の道を歩けばいい、と孤独を愛し続けたエキドナにとって、自分との比較対象となってしまうディアナと同じ環境に強制的に居させられるのは、孤立を体感し、他人は地獄である事を何度も再認識させられた。
エキドナは縮こまり、自分に暗示をかけながら1人で浮いていた。
エキドナ「…エキドナは可愛い…エキドナは可愛い…エキドナは可愛い…エキドナは…」
そんな時、ひとりの少年が話しかけて来た。
少年「…ドナお姉さん、ひとりなの?」




