見長省己②
エキドナ「…どうしたんだい?少年?私なんかに話しかけてきて…」
少年「…お姉さんはひとりぼっちで寂しくないの?」
エキドナ「…1人は寂しくないけど、他人から私は1人だってことを思い知らされるのがつらいかな…」
少年「…何となくわかるかな。
1人でのんびり読書したり、お母さん達がしている馬の世話の手伝いをしたりするほうが僕は気が楽だよ。」
エキドナ「…そんな事ばかりしてると私みたいになっちゃうぞ。」
少年「…そんな人生も悪くないんじゃない?」
エキドナ「ははは、君は人生を語るにはまだ早すぎるよ…
いや、そうでもないな…
気づいた瞬間から考えを始める…自分の喪失を自覚した時に世界を見つめ直す、それは大切な事だよ。」
少年「ドナお姉さんって面白い事いうね。」
エキドナ「ははは!あれ?前にもこんな事があったような…」
少年「前にも子供と話す機会があったの?」
エキドナ「…うん、そうだね…
私は特異体質でね、あまり子供と話す機会が無くてね。
せいぜい知人の孫の男の子と私のことを嫌っている連中と喧嘩している時にたまたま出会った少年ぐらいなんだ。」
少年「ふーん、友だちの孫ってことはよく会う機会があったの?」
エキドナ「うん、まあね。
才能があった子だったから私と一緒に居ても苦しんだりしなかったしね。」
少年「え!?でも僕はドナお姉さんと一緒に居ても苦しくないよ!?」
エキドナ「…それはアナお姉さんが一緒にいるからだよ…
…私は彼女と一緒に居ると普通の人間でいられるだ…」
少年「え!そうなんだ!じゃあ、アナお姉さんに感謝しないとね!」
エキドナ「…それが正しい感情なのかな…
でも、私は彼女に感謝の言葉を口にしたことはないな…
…何故だと思う?」
少年「うーん、アナお姉さんがドナお姉さんにとって重要な人かもしれないけど、それが分かっているのに口にはできないのか…嫉妬してるとか、かな?
僕も勉強出来たり、みんなをまとめる事で出来る子をすごい!ってわかっていても認められない事あるもん。」
エキドナ「…そうかもしれないね…」
少年「ドナお姉さんと似たような境遇の人っているの?」
エキドナ「うーん、とね、魔女カルディオーネ、って知ってるかな?」
少年「うん!!知ってる!!すごく強い魔女なんでしょう!?
役人をバンバン倒したり、アルゴラ大陸まで行ってケンカしてきたって聞いた事あるよ!!」
エキドナ「(…アイツ、そんな事してたのか…)う、うん、そのカルディオーネ…みたいな性格の知り合いがいてね。
まあ、そいつも特異体質なんだけど、その体質について私とは向き合い方が違ったな。」
少年「どう違ったの?生き方みたいな話?」




