監視依頼①
ライザは深夜、雨が降りしきる中、雨具を着た体を濡らしながら、対象魔獣の追跡依頼の一貫として監視、観察を行っていた。
ライザは孤独の中、パーティがそれぞれの出稼ぎに出発する前の事を思い出していた。
ディアナ「えー!1人で魔獣の追跡の仕事をするの?
わたしも一緒に行くよ?」
ライザ「はは、ディアナやエキドナさんが一緒にいたんじゃ、魔獣は瞬殺だし、私の経験になんないよ!
ディーンは肉体労働で安定した稼ぎ頭だし、監視の仕事も30日って区切りがあるから、それが終わったらまた皆んなで合流しよう!」
ディーン「うむ、ライザは自立的な仕事が向いているだろうからな。だが、無茶はするなよ。」
エキドナ「私は貴方の選択を尊重するわ。
でも自重してね、魔獣を倒せる実力と魔獣を討伐出来る結果は等価ではないわ。」
ライザ(…この依頼で重要なのは、単に魔獣を倒すだけじゃない…そもそも、追跡依頼をした依頼主と、追跡調査情報をもとに討伐依頼をする依頼主は別だからだ。
私はまだ、討伐依頼を受けていない…
魔獣を倒す自己満足だけでなく、高い報酬金を獲得する手順を両立させなきゃならない…)
ライザは監視中に他の監視員の悲鳴を聞いた。
ライザはすぐさま悲鳴が聞こえた方角の情報を確かめに移動した。
そこには食いちぎられた監視員の死体が転がっていた。
ライザはかつて、エキドナが盗賊に襲われている最中に呑気に紅茶を飲む余裕を思い出していた。
…あれは私をいつでも助けてくれる立ち位置から私を見守ってくれていたのか…
追跡調査から一週間が経ち、ライザは一旦麓の集落に身を落ち着かせた。
ライザ自身の心身の限界を見極めた上、情報収集や他の監視員との情報交換なども期待していた。
ライザ(…人里に降りて来たのに、警戒のスイッチが切れないな…
任務を終えて皆んなと合流するまで無理かな…)
するとライザが食事している目の前の席に許可なく、壮年の男性が座ってきた。
ベテラン監視員「…女か?」
ライザ「…だったら?」




