国際情勢②
エキドナはジェルミの最新の手配書に記載されている情報を確認する。
エキドナ「…ミルドランの戦艦五隻をジェルミは軍艦一隻で全滅、か…
旧式の軍艦ではなく、バァルジモアから輸入した最新の戦艦をせっかく用意したのに、ジェルミの存在がミルドランの国際的威信を損っているわね。
…率直に言ってそこら辺の魔獣の主より厄介な存在ね。」
ライザ「…エキドナさん、私じゃ、ジェルミは倒せないですか?」
エキドナ「…ジェルミを討伐する、という結果を出せない、という意味ではね。勿論、私は貴方が大型魔獣をも倒しえる魔法を使えることを考慮しているわ。」
ディーン「ははは、まさか自分が活躍して一番星のジェルミを落とせば、馬車を購入する資金も自信も手にすることが出来る、そう考えてるんじゃないか?ライザ?」
ライザは図星をつかれてしまい、目線を逸らす。
ディーン「…俺はお前たちと違い魔法は使えんが白兵戦ならジェルミに負けんだろう、という自信はある。
だが、俺ではジェルミという存在は倒せないだろう。」
ライザ「…どうして?」
ディーン「ジェルミは個人の実力のみならず、周りの人間や環境を巻き込みながら、結果、自分が優位に立つ事に長けているからだ。
ヤツはおそらく、個人の実力とは別の領域で集団を動かし、自分自身を囮にしながらも相手を罠にかける事に迷いがない、これまでの悪名だけでなく、実績からもそう読み取れる。
個人の実力に固執しているお前とは相性が悪いんだよ。」
ライザ「…」
エキドナ「私は何も貴方の生き方まで干渉するつもりはないわ。
今回は貴方の選択としてはまだ釣り合ってない、それだけよ。」
ライザ「…みんなはどんな仕事を選択するの…」
ディーン「俺は選り取り見取り、と言ったところだ。
肉体労働の仕事は国際街道の修繕、森林の開拓、色々あるからな。他人の心配も出来ると言うわけだ。
さて、ディアナはどうかな?」
ディアナ「みんな!わたしにピッタリの仕事をみつけたよ!
子ども達の保育だって!」
ディーン「ほう、お前、そんな事が出来るのか?」
ディアナ「うん、以前、寺院で戦争孤児を預かったことがあるんだけどね、目の前で親御さんを殺されたりして、夜中に突然騒ぎ出す子とかを毎晩あやしてあげたりした事があるよ。」
エキドナ「…へえ、意外な特技ね。」
ディーン「よし、ではエキドナはディアナと一緒に子どもの保育だな!」
エキドナ「…は?」
エキドナ「な、なんで私がディアナと子守なんかしなきゃならないのよ!」
ディーン「そもそも前提としてお前はディアナから離れられんだろう。」
エキドナ「…」
ライザ「エキドナさんの強力過ぎる魔力はディアナの権能じゃないと相殺出来ないもんね。」
エキドナ「…」
ディアナ「…私だってエキドナと一緒の仕事はやだよ…」
エキドナ「…は?」




